子供と買い物をして、モノの価値について考えたこと
先日、6歳の長女の誕生日プレゼントを買いに出かけました。プレゼントに何が欲しいか訊いても、これと言ったアイディアがない娘。一緒にお店を歩きながら、欲しいものを見つけることになりました。
6歳くらいの女の子が喜ぶものの定番って、何でしょうね。
うちの娘が喜びそうなものと言えば、文房具です。ペンケースとかノートとか、最近ではフリクションペンも可愛い色が増えましたね。
そこで、キラキラな文房具がたくさん揃う、PLAZAに、娘とお出かけしてきました。女子高生のような気分です。ワクワク。
キラキラな文房具に胸をときめかせる娘と私。
見ているだけで、心が躍ります。
「かわいー」を連呼する娘。
ただ、一向に欲しいものが見つかりません。
娘「かわいー!」
私「ほんとだねー。これ、欲しいの?」
娘「いらない(即答)」
繰り返されるこのやり取り。可愛いと興奮している割に、無欲です。
もしかして、こんな小さな女の子に気を遣わせているのだろうかと、少し戸惑いました。かと言って、使う当てもないものを買うのは無駄に思うし、エコではありません。
そういう親の思考が娘の行動を制限してしまい、「子供らしさ」を奪ってしまっているとしたら、少し申し訳ない気もします。そう言えば、これが欲しいと泣き叫ぶ娘の姿を見たことがありません。
・・・と、娘が何やら手に取って、動かなくなっているものが。
「これが欲しい!」と、パッと目を輝かせている娘に少しホッとした私。
なになに、何が欲しいって??
娘の手のひらには、パステルカラーの消しゴムが一つ、乗っかっていました。
娘曰く、学校で使っている消しゴムが半分に切れて小さくなっているとのこと。そして、ペンケースの中に所謂普通の消しゴムを入れておくと、鉛筆などで汚れてしまい嫌だというのです。
その点、この日PLAZAで見つけた消しゴムは、ケースに入っていて、カッターのように出し入れが出来て、可愛いパステルカラーで、娘にとってまさに理想的な消しゴムだったのです。
私は一瞬、躊躇します。
そもそも学校で使う消しゴムって必需品だし、300円そこそこ(消しゴムにしては高いけれど)のものを、誕生日プレゼントにして良いのだろうか。
しかし、なぜこの消しゴムが欲しいのかをすごい熱量で語る娘を見て、モノの価値って何だろうなと思いました。
この子に、隣にあった何千円のぬいぐるみを指差しても、この消しゴムが欲しいと言うに違いないのです。
モノの価値って何でしょう。
「こんなもので良いの・・・」と言いかけて、やめました。
私は価格を見ているからそう思うだけで、もしこの消しゴムにゼロが一つ多かったとしても、娘はこの消しゴムを欲しがるはず。
親である私が「こんなもの」とその価値を下げてしまうのは、ちょっと勝手かなと思いました。
この消しゴムを、誇らしそうにペンケースに入れる娘を想像しました。お友達とちょっと違うことが嬉しくて、学校がもっと楽しくなるかもしれない。授業中に間違えて慌ててノートの文字を消すときも、少し励まされたり、勇気をもらえるかもしれない。そんなポジティブな経験が積み重なって、勉強がどんどん好きになったりして。ちょっと大げさかもしれないけれど。
あぁそう言えば、昔、カード会社のCMで見たアレです。
"Priceless お金で変えない価値がある"
娘が小さな消しゴムの先に見ていたのは、そんなプライスレスな価値に違いありません。
この日。
消しゴムと本(流石に消しゴム一つだけ買って帰るのは気が引けてしまい。)だけ買って、楽しいショッピングは終わりました。
私にとっては、この日の娘とのひと時が、まさにプライスレスな経験でしょう。
もしまた何か必要になったら、こうやって探しに来ようね。
そして、どうかこの先も、娘がお金では買えない素晴らしい経験を積み重ねていけますように。
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