見出し画像

川上村のレタス農家でバイトしている話 〜そこで見えた幸福の在り方〜

ここ2週間私は川上村のレタス農家で住み込みバイトをしている。非常にハードではあるが、日々充実した非日常が送れていることには満足している。

そこで今回は川上村についての説明と自分の感じたことを綴っていこうと思う。個人情報などもあるから曖昧になる箇所もあると思う。

川上村はどんなところ?

多分、多くの人が真っ先にレタスでしょ!
と答えるであろう。。。

その通りである。レタス畑しかない。
コンビニまで車で片道20分以上。

川上村=レタスなのだ。

というわけで川上村レタスについて少し説明する
私が訪れた8月に、主に川上村でよく作られるのは玉レタスである。しかし、それ以外にもリーフレタスやサニーレタス、白菜、キャベツ、隅っこの方でブロッコリーなんかを作っている。

画像1


詳しくは川上村のホームページなんか見ると詳しく説明されている。

レタス栽培はアメリカ軍が日本を占領していた時代に、アメリカの軍人が持ち込んだことが始まりらしい。東京に近くて、涼しい高地の気候である川上村は最適であった。
その後はモータリゼーションが進んだことや日本人の間でレタスの知名度が上がったことから、出荷に特化し始めたのかなぁと思う。

生産に優位な土地であることから、他の地域と差別化が自然となされるようになり、儲かりまくり、平均年商は2500万とも言われている。

バイトの内容は?

基本的に朝は5時に起き、朝食を済まして、畑にでてレタス収穫をする。箱詰めや運搬、レタスの水洗浄なんかが主な仕事である。

これは朝食である。

画像2

その後、休憩を挟み、スプリンクラー設置や雑草取り、器具の洗浄をする。

2時間の昼休憩を挟み、夕方まで雑草取りなんかを行う。

ハードだけどガンガン仕事をこなすと新しい仕事をくれるし、楽しめる。

畑までの移動中、車内から見る村の景色は格別だ。

画像3


仕事後の疲労感はなんとも言えない満足感に変わる。

生活の中で気づいたこと、学んだこと

①お金の問題

まず川上村の住民はお金を持っているはずなのに、無駄な浪費をしない。(私がお世話になったところだけかもしれない)

足るを知る。

老子の言葉が彼らにぴったりであると感じる。

部屋に物が少ない。食事も作りすぎたら保存をする。しっかり寝る。調理機材なんかも最低限のものがあるだけで、高価なものはあまりないし、自作のものもある。

ネットフリックスやスポティファイの有料会員になるのをお金を理由に渋るほどだ。

お金をかけるのは例えば食後のデザートだったり、ハンモックであったり、家庭菜園の器具であったりである。お金の使い方が幸福になるための、最適解に見える。

家族経営の農家であると同時に、一企業でもあるため無駄な経費をかけたくはないという経営面の意識が私生活にも浸透しているのが影響しているのかもしれない。

②家庭菜園

下宿先の農家はプライベートの畑を持っている。育てていたのはトマト、キュウリやレタス、バジル、ピーマン、なすなどだ。

画像4


料理を一品足す時に、庭に出て野菜を撮りにいく光景をよく見る。私もバジルを使いジェノベーゼを作らせてもらったりした。

そんな家庭菜園は農家の方たちにとっては幸福度を上げる要素の1つになっていると思う。料理が増える豊かさ、家庭菜園でのお金には変えられない野菜や農作業、単なる景観。

ある日、農家の社長(以下社長)がレストランシェフとの商談について話していた。そこのシェフはレタス畑のレタスではなく家庭菜園のトマトに注目していて、買い取ることはできないか電話で聞いてきたらしい。

社長はこの案に否定的であった。家庭菜園の作物を換金するともっとよく育てなきゃと考えてしまい、テキトーに作ることができなくなるからだという。

トマトをシェフに買ってもらうのではなく、(無料で)あげる代わりにそれを加工したトマトソースなんかを作ってくれないかと呟いていた。

この考え方はすごく共感できる。お金には変えられない物っていうのは我々の幸福な生活には必要な物である。社長はこの考え方を通して、家庭菜園の憩いの場としての役割を守ろうとしたのである。

少し脱線するが「お金には変えられない」モノに関して書かれている本を以下に2つ紹介しておく。

どちらも読みやすく興味深い本である。

③似たような価値観を持った人との出会い

実は私の他にもう一人住み込みで働いている人がいる。お姉さんと呼ばれている人で、半年くらい滞在しているらしい。彼女は30歳くらいの脱サラした人で、なぜ農家に来たのか、脱サラしたのか?なんて質問にも気軽に答えてくれる非常に優しい方だ。バイト中は私の上司のような立ち回りをしてくれる。21の若造である私のこともしっかり敬意を持って接してくれて非常に嬉しい。

お姉さんの話は非常に興味深かったし、人生論も語ってくれた。非常に勉強になる。

最後に

今はちょうど来てから1週間で折り返し地点である。残り1週間も多くのことを吸収し、質問しまくり、努力していこうと思う。少し中だるみしてきた感じもあるので、休日を挟んで切り替えていこうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?