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1を聞いて100を学ぶ

「メモの魔力」前田裕二


 本書はメモの書き方、特に抽象化して考えることでアイデアや気づきを生み出して書き留めていこうという内容です。アイデアを考えるネタ帳を作りたい人や、また付録に自己分析シート1000問があるので就活生の方にも人気です。


 「ゼロ秒思考」が思考量の増加による思考のスキルアップだとすればこちらは応用力を高めることによる思考のスキルアップと言えます。


 この本では何か思ったことに対してファクトと抽象化と転用という3つに分けてメモ書きすることを勧めています。


 ファクトとは事実と訳されるもので、受け取ったそのままの情報です。例えば「近所の○○スーパーで5時にタイムセールをしている」といった、個人的な解釈が入る余地のない客観的な情報とも言えます。


 抽象化とは何かというと、具体的な情報を取り除いて他のことにも当てはまりそうな情報を取り出すことです。先ほどの例を使うと「買い物客を増やすためには夕方にタイムセールを開く必要があるのでは?」と考えを進めることです。


 そして転用では、抽象化で考えたことを更に別の分野にも使えるように考えます。例えば「客を増やすためには集まりやすい時間にイベントを開く必要があるのではないか?」というようなことです。



 以上3つの書き方を説明しましたが、特に大事なのは抽象化と転用です。ただ個別の事実を沢山知っていても、応用して考えられなければ使いにくい情報が溜まるばかりです。


 例えばいくら歴史の年号や人物名を覚えていても、では戦争を起こさないためにこれから何をしていくべきなのか?などが考えられなければただの情報マニアで終わってしまいます。


 結局その情報ってどういうこと?という部分を考える、つまり抽象化していくことで応用力を高めていこうという内容です。




 ネットの発達などにより誰でも情報に触れること自体が容易になった分、そこからどれだけ抽象化してヒントを引き出せるかということは大事になってくると思います。


 

 

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