その1_2

[3DCG]ゲームに使えるキャラクターモデルの作り方。その1

作成日:2019年 7月20日   更新日:2020年 6月1日

表題通りですが、3DCGキャラクターの作成方法を載せて行きます。
このキャラクターのポイントとしては
「UE4でゲームに使えるリアルタイムのキャラクター」
を目指して作成しています。

簡単に言うとPS4で動くイメージです。

作り方に関しては
色々な作り方がありますので
作例の一つという形で見ていただければ幸いです。

まずは完成画像を張り付けておきます。

画像1

画像2

もっとたくさんの画像を見てみたい方はこちらへ。
アートステーションというサイトに作品を公開しています。

https://www.artstation.com/artwork/XBYOgl

といいますか、せっかく作ったので、見に行って頂けると嬉しいですね(笑
さて、ここから下はこのキャラクターの作業工程になります。

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と、その前に、ここから連続して始まる記事の目的は
「ゲーム用のキャラクターを作る全工程をお見せする」
という事にありますので、
モデリングを細かく、一から説明する物ではありません。
「ゲーム用として大事なポイント」は紹介していきますが、
ツールの細かい説明は割愛して進めていきます。
宜しくお願いいたします。
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今回の目的は「ゲームで使えるモデルの作成」です。
まずはざっくりと工程の説明です。

①ローポリモデルの作成。(Maya) 
②ローポリモデルをUV展開しZbrushに入れます。
③Zbrushでハイディティールを作成。(*衣服はMarvelousDesigner)
④ハイディテールに基づいてリトポします。以降これがインゲームモデル。
④ハイディティールをインゲームモデルにベイク(焼き付け)します。
 主にNormalMap、CurvatureMap、AmbientOcclusionMapの3つを作成。
⑤作成した3つのテクスチャとインゲームモデルを
 SubstancePainterに読み込み、テクスチャを作成。
⑥インゲームモデルの見た目が完成したら
 動かせるようにBoneを配置、スキニング。
⑦動くようになったモデルをUE4に入れる。(FBX)
⑧UE4でシェーダーマテリアルを作成。(金属とか革とかの設定 人ならSSS)
⑨モデルにマテリアルをアサインし完成。
⑩ポーズをつけて撮影したものが、最初にお見せした画像です。
__________
ざっくり紹介でもこの多さ。さてどこまで細かく書いた物か・・・
ここからは各工程をもう少しだけ詳しく説明していきます。

まず最初の一歩、「ローモデル」の作成です。
PS4くらいのゲーム想定で作成していきます。

これが無いと何も始まりませんよね。
私はMayaというソフトで作っていますが
ブレンダーでもライトウェーブでもメタセコでも何でもOKです。
ポリゴンさえ扱えればOK。

ここで作った部分の80%から90%がゲーム中に使うモデルになります。
なので「ローモデル」と言っていますがかなりしっかり作ってます。

なぜ「ローモデル」と呼んでいるかというと
Zbrushで作るものが「ハイモデル」と呼ばれる事が多いからです。
Mayaの中ではせいぜい数万ポリゴンですが
Zbrushの中では1億ポリゴンを超えています。(全身+装備合わせて)

残り20%くらいは後の工程のZbrushでリトポした部分を使用します。
まずは人体モデルを作ります。

画像3

足の指まで作っていますが、本当は使わない所は作る必要はありません。
最終状態で服を着たり、靴を履いたら
内側のポリゴンは無駄なので捨てています。
スキンウェイトも面倒ですしね。
このキャラは自主製作だったので、ちゃんと作っておきたかったのです。

で、人物が出来たので、ここからボディーアーマーを作るのですが
Mayaで作るのは面倒だったので裸の状態でZbrushに入れました。
↓これがボディアーマーです。これを作ります。

画像4

Zbrushに入れて

画像5

ハードエッジが難しい部分は、Mayaにobj形式で吐き出して調整し、
またZbrushに戻してます。
ポリゴンのトポロジー情報が同じであれば、Mayaで調整しても、
問題なくZbrushへ戻して作業を続けらます。
そしてこんな感じに。

画像6

これで完成したのでMayaに持っていきゲーム用に面を貼りなおします。
Zbrushのポリゴン数はとても多く
このアーマーのみで800万ポリゴンに成っています。
ゲームで使えるような数では無いので
リトポロジーとよばれる面の再構成をMayaで行います。

画像7

キャラに着せるとこんな感じです。

その他の装備のネクタイや腕のベルトは
MayaでモデリングしてZbrushでディティールを追加しています。

足のシュシュのようなもの。

画像8

これは以前、私がツイッターでも作成方法をアップしていますが
こちらの方法で作っています。

画像9

このような感じでMayaとZbrushを使用しモデルを作成していきます。
基本のモデルが完成しました。

画像10

画像11

この状態がゲーム中で動かすモデルになります。
「インゲームモデル」と呼ばれたりしています。
ここまでも結構大変でしたが、ここからがもっと大変です(笑
ゲームのキャラクターの
永遠のテーマである「髪の毛」の作成があるのです。

長くなりすぎるので「その1」はここまでです。
次回「その2」は「髪の毛の作成」とその他色々になります。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
ここで紹介している方法は沢山ある中の一つです。
色々な作り方がありますので参考の一つになると嬉しいですね。

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■「その2」髪の毛作成はこちら
https://note.mu/ryo3dcg/n/nd7481670166c

■「その3」Marvelous Designer編はこちら
https://note.com/ryo3dcg/n/n6d6c789c9618

■「その4」Zbrush編はこちら
https://note.mu/ryo3dcg/n/n12b18e2356a4

■「その5」SubstancePainter編はこちら
https://note.mu/ryo3dcg/n/n904df41ff683

■「その6」UE4編はこちら
https://note.mu/ryo3dcg/n/n35234e626f63

■このキャラクターを投稿しているArtstationはこちらです。
https://www.artstation.com/artwork/XBYOgl

■私のツイッターはこちらです。
https://twitter.com/r117_3d



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