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美味しい授業をつくりたい

最近、パン屋がパンを作る動画をよく見ている。

パン屋の多くは深夜から作業を始め、朝(ときにはお昼)までかかってパンを焼く。

大きくて鈍重な生き物のようなパン生地をこねたり、成形したり、惣菜をパンに混ぜたり。それが焼かれておいしそうな姿に変わっていく様子を見るのが楽しいのだ。

たぶん、これは、僕がもともと職人的な作業に憧れを抱いているからだろう。
思えば、幼稚園のころなりたかった職業は大工だし、両親からも一人で黙々とする仕事が向いていると、子供のころから言われていた。

以前住んでいたところに50年くらい続いている老舗の焼き鳥屋があった。
僕はそこの80歳は超えているだろう職人さんが焼き鳥を焼いている姿を眺めるのが好きだった。
そのおじいさんは小柄で痩せていて、ちょっと曲がった指はいつも鶏肉の脂でてかてかと光っていた。おじいさんの作る焼き鳥は、今風の焼き鳥と違い、身が引き締まり、肉には甘じょっぱい味がしっかりとしみていた。

教員の仕事にもこのように職人的な仕事が求められるから、というのもあるだろう。

学校から帰宅し、少し休憩をし、明後日くらいの授業の最終準備に取りかかる。
もしそのとき僕の横顔を見たら、あのパン屋や焼き鳥屋のように、真剣な表情で淡々と作業をしている顔になっているに違いない。

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