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原書のすゝめ:#特別企画 Le conte du petit prince part.1

<はじめに>
今回の作品は、原書ではなく、私の創作です。

第16話で『Le petit prince 』を取り上げた際に、吉穂みらいさんより拙訳による翻訳をご所望いただきました。私は単なる語学学習者であって翻訳者ではないので、到底お受けすることはできないと思いながらも、せっかくのご提案に知らぬ顔をするというのも味気ない話です。

そこで、さっそく本屋に出向いて現在邦訳されている『Le petit prince』を探してみたのですが、まるで各出版社が競い合うかのように新訳を出しているではありませんか。こうなると、味気ないなどど格好をつけている場合ではありません。
秒で辞退です。あり得ません。

とはいえ、吉穂みらいさんには一度共演いただいたご縁もありますし、やはりこのままというわけにもまいりません。


そこで、考えました。
「自分で創作すればいいじゃないか」と。

ついでに考えました。
「一人でやるのは心細いので、吉穂みらいさんをお誘いしよう」と。
(創作の泉を持つ吉穂みらいさんは、今回も快く参加してくださいました。)

そして、最後に考えました。
「吉穂みらいさんへの御礼として、仏訳を献呈しよう」と。


こうして、今回の作品は出来あがりました。
と、いいたいところですが、実は間に合いませんでした。

目下、フランス語の先生がバカンス中なのです。
したがいまして、恥をしのんで間違いだらけの「生文」を掲載しております。しかしながら、語学学習者たるもの、間違いを恐れてはいけません。(本音を言うと、全裸で街を練り歩いている気分です。)フランス語が得意な方は、ぜひ間違いを見つけて教えていただけると嬉しいです。
校正後は、正しい仏文を掲載する予定です。(そもそも校正されない可能性もあるのですが…。)

 仏作文 見切り発車に 背が凍り

※「凍る」は果たして夏の季語なのでしょうか?
仏作文に加え、私は俳句で二重の恥を晒しているのでしょうか? 
(きっと冬。「かき氷」ならきっと夏。「背が凍り」→「背が氷」→「かき氷」。きっとカット…)

< 拙文『虚しき独白』(素人文庫) >


そこで、前編と後編の二回に分けて投稿するという、姑息な手段に訴えることにしました。
(それも未校正のまま。あゝ、穴があったら入りたい…。どなたか穴を掘ってください。)


お詫びといってはなんですが、インターバルとして少々イラストなどを添えましたので、しばしお待ちいただきますようお願い申し上げます。
(仏訳などに手を出すからこんなことになるのです。すべては自業自得です。反省しています。しかし、やってしまったものは仕方ありません。)


それでは、お楽しみいただけるのか甚だ疑問ですが、創作『星の王子さま』をお楽しみください。


* * *

Le conte du petit prince 

Part 1.

 Une soir, je suis sorti à mon jardin avec du thé que j’étais venu juste de faire et avec un livre que j’étais en train de lire.  Ce jardin-là, c’est vraiment petit, et il n’a qu’un terrain grand comme un mouchoir de poche. Il est aussi petit que je me heurte contre une haie en faisant trois grands pas en avant.
  J’ai posé une petite table et chaise dans mon petit jardin.  Et je m’est assis sur la chaise et j’ai ouvert le livre sur l’avion. C’est celui qui a beaucoup de dessins de l’avion et de pièces et qui est plein de petites écritures serrés. Il est très compliqué de lire.

Lorsque je survolais le continent sud-américain en travail, je m’aperçois que mon avion avait quelques problèmes. Alors, je suis venu de rentrer chez moi pour le réparer la veille. Je suis donc en train d’aborder le livre difficile avec petites écritures serrées.

  Je m’est mis à feuilleter le livre en buvant le thé.
  À ce moment-là, j’ai entendu quelque bruit du bord du jardin. Je m’est tourné vers le bruit, mais je ne trouvais rien. Alors, je m’est remis à lire. Cette fois-ci, j’ai entendu du bruit comme les feuilles sous le vent.
« Qui est-ce qui est là ?», j’ai dit d’abord, mais personne n’a répondu.
Je le trouvais étrange, mais j’ai pensé que c’était le bruit du vent. Donc, j’ai rouvert mon livre.

« Bonjour. »
  Brusquement, j’ai entendu un vois que je connaissais .
  Et j’ai levé le visage pour trouver le petit prince en me regardant et souriant qui m’avait quitté il y a six ans.

« Bonjour, mon petit bonne homme, dis-je, tu as l’air bien! » , alors, il fit le visage un peu triste.
« Oui, j’étais très bien», répondit-il.
C’était tout ce qu’il dit, et il pencha pour jeter un coup d’œil sur mon livre.
« Tu lis un livre comme si les grandes personnes lisent», dit-il.

  Alors, je lui expliqua que quelque chose s’était cassée dans mon avion, je devais donc le réparer. Le petit prince dit en riant tout bas :
« Ton avion s’était cassé de nouveau.
 — Oui, il s’était cassé de nouveau. 
—  Si tu lis un livre, ton avion détraqué sera réparé?
— Non. Je ne sais pas  lesquelles sont détraquées, car je lis. 
— Bien que tu ne saches pas lesquelles sont détraqués, lis-tu ? Je ne comprend pas bien. »
J’étais embarrassé pour répondre, puisque c’était la raison, ce qu’il dit.

(この仏文は、ネイティブ校正前の文章です。とりあえず雰囲気だけお楽しみください。)


星の王子さまのお話

前編


 ある晩ぼくは、淹れたての紅茶と読みかけの本をもって、庭へ出ました。庭といっても、ぼくの庭はほんとうに小さくて、それこそネコのひたいくらいしかないのです。それはもう、大またで三歩も歩いたら生垣にぶつかってしまうほどです。
ぼくは、その小さな庭に、小さなテーブルと小さないすを置きました。そして、その小さないすにすわって、読みかけの本を開きました。それは、飛行機についての本でした。飛行機の図面やら部品の絵やらがあちこちにかかれていて、小さな文字が、紙いちめんを埋めつくしていて、読むのがとてもめんどくさい本です。

 ぼくは、仕事で南米大陸のうえを飛んでいたのですが、途中で飛行機の調子が悪くなったので、きのう帰ってきたところでした。飛行機の修理が必要だったからです。そこで、こうして小さな字がいっぱい詰まったむずかしい本とにらめっこをすることになったわけです。

 ぼくは、お茶をのみながら本をめくりはじめました。

 そのとき、庭の端のほうで、なにか音がしました。ぼくは、音がしたほうへ顔を向けましたが、なにも見えません。それで、また本を読みはじめました。すると、もういち度カサカサという音がきこえました。

 ためしに「だれかいるの?」と、きいてみましたが、なんの返事もありません。不思議に思いましたが、きっと風のイタズラだろうと思ったので、また本を開きました。
そのときです。

「こんにちは」と、なつかしい声がしたのです。
顔をあげると、六年まえにわかれたあの小さな王子さまが、ぼくを見ながらニコニコと笑っています。

「やあ、ぼっちゃん。元気そうだね」と、ぼくはいいました。
すると王子さまは少しかなしそうな顔になって、
「うん。ぼく、とても元気だったよ」
それだけいうと、ぼくの本をのぞきこみました。
「なんだか、おとなみたいな本を読んでいるんだね」

 そこでぼくは、飛行機が故障したので、修理をしなくちゃいけないのだと説明しました。
 王子さまはくすくす笑いながら、
「また故障しちゃったんだね、きみの飛行機」
「うん。また故障したんだ」
「本を読むと、わるいところがよくなるの?」
「ちがうよ。わるいところがわからないから本を読んでいるんだ」
「わるいところがわからないのに、本を読んでるの? よくわからないなあ」

 ぼくは返事に困ってしまいました。王子さまのいうとおりだったからです。

(日本語は内藤あろう氏風に)


<サン=テグジュペリ風に描いてみた>


part2へつづく


共演いただいた吉穂みらいさんのページはこちらです↓


<原書のすゝめ>シリーズ 特別企画 part1

※このシリーズの過去記事はこちら↓


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