書籍「WHO YOU ARE」から学ぶ企業文化が強まる時・弱まる時
企業の採用支援やオンボーディング(EX)支援を行なっているHeaRの大上です。「愛と青春」を日々謳っている会社です。
休日に書籍「WHO YOU ARE」を読み、組織づくりに活かせる点がたくさんあったのでドキュメントにまとめました。
※社内向けのもの(社内報)を、一部改変したものです。
名著である「HARD THINGS」の著者ベン・ホロウィッツ氏が書いた本で、歴史上のリーダーから学ぶ"文化の作り方"について言及しています。
企業文化は意思決定に寄与するもの
企業文化とは、職場に犬を連れてきていいとか、休憩室でヨガができるってことなのか?いや、違うはずだ。そんなのはただの福利厚生だろう。企業の理念のこと?いや、企業理念とは単なる志に過ぎない。
トップがいないところで人々がどんな判断をするかこそが、企業文化というものだ。社員が日々の問題解決に使う一連の前提が、企業文化だ。誰も見ていないときにどう行動するかが、企業文化なのだ。
経営陣が全メンバーの動きを把握できる企業規模であれば、
「そのやり方は違います、◯◯の方向で進めてください。」
「この考え方は会社の方針とは異なるのでダメです。」
と逐一指摘することが可能ですが、人数が多くなるとそうはいきません。
各メンバーが自分の仕事について自ら意思決定をする。そのための基準が企業文化というわけです。メルカリさんがとても体現されていますね。
Q. 意思決定のスピードを上げるためにも、ブレない判断軸が必要だと思っていて。小泉さんはどうやって高速な判断をしているのか、そのロジックを知りたいです。
A. 基本的には、メルカリの3つのバリュー「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be Professional(プロフェッショナルであれ)」に紐づいています。
※参照記事:「意思決定に価値はない」メルカリ小泉社長にCOO樋浦が聞く!組織論
■今後のアクション
個人個人がシーンごとに意思決定できるよう、
・HeaRのバリューの背景や意図を何度も周知
・企業文化を体現したエピソードを表彰
・(場合によってバリューの見直し)
特異なルールが企業文化を強くする
本書では「ショッキングなルールをつくれ」と記載されていますが、他社にはないルールを設計しましょうと説かれています。
特異なルールがあると、新入社員の初日に必ず疑問が生じます。
「なぜ、◯◯のルールがあるんですか?」
その受け答えに企業文化が絡んでいると、皆の心と記憶に企業文化が深く刻まれるという仕組みです。
ルーベルチュールは、自分の軍に信頼を浸透させるため、あるルールをつくった。そのルールがあまりにショッキングだったので、「いったいどうしてなんだ?」と物議を醸したほどだ。
ルーベルチュールは、既婚の兵士に「妾」を持つことを禁じたのだ。強姦も略奪も兵士にとっては当たり前とされていた中で、婚姻の誓いを尊重しろというのはばかげた命令に聞こえたに違いない。「ウソだろ!」という声が聞こえてきそうだ。もちろん、兵士たちはきちんとした理由を知りたがったはずだ。
組織の誰もが「どうしてだ?」と思うことに対して、どう答えるかで文化が決まる。というのも、その答えはみんなの記憶に残るからだ。新人が入るたびにその説明が繰り返されることになるし、その説明は組織文化の中に織り込まれる。新人兵士は、「妾をとってはいけない理由をもう一度説明してもらえませんか?」と聞くはずだ。その答えは、「この軍隊では、約束が何よりも重要だから。妻との約束を守れないなら、私たちとの約束を守れるはずがない」というものだ。
特異なルールを設計する際は、以下の4点を意識しましょう。
1.記憶に残るもの。
2.「なぜ?」と問いたくなるもの。
3.文化に直接影響するもの。
4.ほぼ毎日使うもの。
特異なルールから生まれるコアな価値観の重要性についてairbnb社も言及していました。
私が思うに、誠実さや正直さはコアとなる価値観ではありません。こうしたものは誰もが持っているべき価値観なのです。その会社独自の価値観を3つ、5つ、6つ程度考え出す必要があります。自分が他人と違っている点は何か、誰かに自分について3~4個のことだけを伝えられるとしたら、相手に何を知ってもらいたいと思うでしょうか。
※参照元:企業文化を作る方法
■今後のアクション
・「愛」や「青春」が記憶に残るような特異なルールをつくる
・コアとなる価値観を見つめ直す
企業文化が弱まる原因は大抵◯◯
人や組織に調子の良し悪し(強弱)があるように、企業文化も良くなったり悪くなったり波があります。
文化は社訓や社是のようなものではない。一度つくれば終わりというものではないのだ。「基準以下の行いを放置しておくと、それが新しい基準になる」と軍隊では言われる。企業文化も同じだ。文化に沿わない行いを見聞きしても対処しなければ、それが自分たちの新しい文化になる。
基準以下の行いを放置しておくと、、、の一文からあるように
・企業文化の基準を策定すること
・基準以下の行いを厳しく対処すること
が重要であることが分かります。
そして、基準以下の行動をリーダーが取ってしまうと非常にまずいわけです。従業員みんな見ているわけですし。
リーダーが率先して行動しないかぎり、文化は花開かない。どれほど上手に文化が設計され慎重に構築されしつこく強制されたとしても、トップにある人が矛盾する行動をしたり表面だけを取り繕った振る舞いをしたりしていれば、すべてが水の泡になってしまう。
たとえば、あるCEOが時間厳守を企業文化の中心に置いたとしよう。そのCEOは、「時間を守ることは他人に敬意を払うことだ」と熱く語っていた。社員の時間がこの会社の最も大切な財産なのだから、遅刻は同僚の大切な資産を奪うのと同じことだと口を酸っぱくしていた。それなのに、CEO自身がいつも打ち合わせに遅れてくる。そんな会社で、ほかの社員が時間を守るだろうか?
上記の例は反論の余地なしですね。リーダーには言行一致が強く求められます。何ならリーダーが守れないルールは定めない方が良いです。
その辺をココナラ社の南さんがズバッと斬ってます。
バリューは理想ではなく、言行一致できるものをチョイスするべきと。
なぜ浸透しないかというと、目指したい理想を書いている会社はだいたいダメです。理想を書いちゃダメなんですね。理想を書いてもぜんぜん守れないし浸透もしない。
バリューについては経営陣、あるいは社長が絶対100パーセント自信をもって体現できているもの。それを書かない限り浸透しないですね。「社長できてねーじゃん」「あの役員の人、このバリュー言ってるけどできてねーじゃん」となった瞬間に一気にしらけます。浸透しないです。逆に経営陣が絶対自信をもって体現できていれば、わざわざバリューを毎朝唱和するとか、そんなことしなくても自然と広まります。
※参照記事:社員にミッション・バリューを浸透させるには?ココナラ代表が語る「ビジョン経営」
■今後のアクション
・バリューの基準を策定
・基準を下回る行動は徹底的に対処
・リーダーが必ず厳守する
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といった感じで週に一度の頻度で、僕からメンバーへ社内報を届けています。今回のように書籍と絡めたり、今後の事業戦略や自分の想いを伝えています。
この施策を初めて半年が経つんですけど、「従業員のエンゲージメント向上に繋がっている」と感じることが多いです。
特に今は尚更感じますね。リモートワークでみんなも不安や疑問を抱きやすくなっているので、積極的に情報発信していくと良いと思います。
最後にちょびっと宣伝ですが、リモートワークにおけるマネージメント(EX)支援も行なっています。
社内報の作成も一つのソリューションですね。
「自分で書くのは面倒臭い」といった方には、我々がインタビューしてコンテンツ化していきます。
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