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一時間の授業の流れ【後半】

一時間の授業の流れの後半に入っていきます。

10.文法と和訳の確認

教員がCDを流し、流れたところまでの日本語訳を指名された生徒は答える。その際、Task2を参照してもよい。

CDを流す時、「流れたところまでを前から区切りながら訳しなさい。」と言って、どこで終わるかわからないようにすることによって、CDの音声に集中させる。

同時に文法に関しても質問していく。文法説明はできるだけ簡潔に、質問形式で行う。長くて3分(「ウルトラマン文法」)。


ここまでの流れで使うハンドアウトは次の通り。

添付のものには、文法の簡単な質問バージョンと難しいバージョンの両方を載せておきました。

ポイントとしては、Task 1やTask 2でやったことでももう一度繰り返して質問していることです。

くどいくらい、「もうそれはできるからいいよ」と生徒が思うぐらいまでやってちょうどいいです。

そして、次に音読に行くのですが、その前に、生徒たちにTask2を参考にしながら本文にスラッシュを入れさせます。配布プリントの完成形が、以下のものです。


11.音読による英語の内在化

授業でよく使う音読法」を参照してください。

音読は授業の最重要活動です。これ以前の活動1~10は音読活動をするための前座に過ぎません。

いろいろな音読法に関しては、また別の機会でまとめて書きたいと思います。


12.本文の書き取り

授業の最後は本文の書き取りです。この活動に使うためのプリントは以下のものです。紙面の関係上、本来なら裏表に印刷するものを片面に両方とも載せてあります。

この書き取りでは全文を書き取らせていて、表面のものは1文の語数が記してあります。裏面のものはそれがなく、難易度があがっています。どちらも難易度は高めなので、重要表現のところだけカッコにしたり、語数に合わせてカッコをつけたりしてもよいでしょう。さらには語数に合わせたカッコの前に語頭のアルファベットをつけておくとさらに難易度は下がります。

口で言えるようになっても、綴りまで覚えているとは限らないので、生徒は必要に応じて教科書を見てもよいことにするのもよいでしょう。

表面と裏面で難易度の異なる空欄を設けて、この活動では表面だけを埋めればよいとします。裏面は自宅での本人練習用に空白のままにしておきます。


13.授業の終わり方

12.の書き取りで、書いている途中で終了のチャイムが鳴るようにする。生徒には「チャイムが鳴ったら各自で終わりにしていいよ」と告げ、チャイムが鳴ったらそっと教室から出ていく。

これによって、終了時刻が守られるとともに、生徒は覚えたことを最後まで書きたい心理が働くので、自主的に授業終了後も書き取りを続ける。終了の挨拶などをして生徒の活動を妨げるようなことはしない


と、流れ的にはこんな感じです。たぶん、これをすべてやっていたら50分では終わりません。

ただし、最初は終わらなくても、何回も同じ手順で授業をしていくと生徒たちも慣れてきて、次に何をすればよいかわかるので、時間はどんどん短縮されていきます。

授業の進行手順は、生徒たちが慣れるまで同じ手順でやって、飽きるころに変えていくのがいいです。

とりあえず、今回で一つの流れを提示することができました。

最後に、私が恩師から言われた言葉をお伝えして終わりにしたいと思います。

「自分が教わったように教えてはいけない」

(英語教育界では割とよく知られていることばですね)

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