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授業でよく使う音読法

音読は英語を上達させるうえで、欠かせません。

音読のさせ方は細かい変種などを含めれば軽く数百になりますが。

この数百のどれを使い、どの順番でやらせていくか、は知識と経験がものを言います。


音読の目標

私は本文の意味と文法の説明が終わった後、全文を暗唱できるようにすることを音読の目標としています。

ただし、全文暗唱の目標はクラスのレベルによって変えることはあります。学力程度によって次のようにすることもあります。

目標レベル1 教科書本文を見ながらでもいいので、正しい発音でよどみなくよめる。
目標レベル2 1文ずつをRead and Look upできるようにする。

この二つは目標をやさしくしたバージョンですね。目標レベルを「全文暗唱」よりも上げる場合は次のようなものがあります。

目標レベル虎 CDを流していって、任意の場所「STOP」と言ってとめる。生徒は止まった直前の1文を言う。
目標レベル鬼 オーバーラッピング

などです。「Read and Look up」「オーバーラッピング」は後程説明します。



1.全体音読(コーラスリーディング)基礎

はじめの音読はCDあるいは教員が呼んだところに続いて、生徒が呼んでいくものです。はじめはフレーズや一文単位で短く区切ります。全体で言ったら、個人指名をして、同じ個所をもう一度読ませます。流れとしては「CD・教員➡全体で音読➡個人指名して個人で読ませる」です。

注意点1:CDではなく、教員が読む場合は、あらかじめCDを何度も聞き、すべて正しく暗唱できるようにしておきましょう。でないと、生徒が読んでいるときに、自分のことで精いっぱいとなってしまい、クラス全体のことが見えなくなってしまうからです。

注意点2:音読全般に言えることですが、全体練習をさせた後は、必ず個人指名して、ちゃんとできているかどうか確認します。
 全体音読だけで終わってしまうと、自分の声は聞こえないから読まなくてもいいやとなって、声が出なくなってきます。あとで、個人指名されてみんなの前でしなければならないというプレッシャーを与えることが全体音読練習をさせるときのコツです。


2.全体音読 発展

全体音読基礎はクラスの実情に合わせて数回行います。複数回やると、当然生徒個人の間で習熟度の差が生まれます。そんなときは「では、次は本文を見ないで音読できる人は見ないでやってみましょう」と言います。すると見ないでやる生徒が出てきますので、そういう生徒には目で「ちゃんと見てるよ。よく頑張っているね」と合図をするとよいでしょう。


3.個人練習 「四方読み」

今度は個人音読練習(Buzz Reading)をさせます。個人音読練習にもいろんな種類があるのですが、そのうちの代表的なものが「四方読み」です。やり方は、
① 「全員起立」 
➁ 「最低~回読んでください。一回読み終わるごとに90度左に回ります。4回読むと正面に戻ります。私はみなさんが何回読んでいるかをその向きで確認します。早くを目る人は何回も読んでください。全員が~回読み終わったのを確認したら終わりにします。起立してはじめてください。」
③ 生徒が読んでいる間は、机間巡視(教員が机の間を回ること)をしてちゃんと読めているか確認します。
④ この活動の後に1人でみんなの前で読んでもらう活動をまた行うことを伝えておく。


4.Read and Look up

代表的な音読活動。いろんなバリエーションがあるが、今回はそのうちの一つをお伝えします。
① まずはフレーズあるいは文単位でCDを流します(教員の声でもいいですが、まぁ大変なのでCDがよいと思います)。
➁ 生徒はCDがどこまで流れるかテキストに目をやりながら確認します。
③ 読ませるところまでCDが流れたら、CDを一時停止して、「READ!」と言い、生徒たちはそこまでを黙読しながら覚えます。
④ そのあと、「LOOK UP !」と言って、生徒全員は顔をあげて(本文を見ないで)、覚えたところまでを言います。
⑤ 全員で言い終わったら、「山田君!」と個人指名をし、山田君はもう一度一人で言います。
⑥ 何回か行い、一回ごとに覚える部分を長くしていきます。最終的には段落やパート全体まで行けるといいですね。


目標レベル虎

「よし、じゃぁ次はまたCDを流すので、私が「STOP」と言ってCDを止めたら、止まった直前の一文を本文を見ないで言ってください、いいですか?では行きますよ?」というような感じではじめて、もちろんここでも全員が言ったら、そのあと個人指名をして個人で言わせます。


目標レベル鬼 オーバーラッピング

「では、CDを流しますので、CDが読んでいくそのすぐ後に読んでいきます。CDに置いていかれないように頑張ってください。もう本文を全部覚えているのでCDと同時に読んでいけるという人はCDと一致させて読んでみましょう。」


ここまでいけば、英語は英語のまま理解できるようになっており、完全に内在化されています。

はじめのうちはこれらの活動を全部やるのは難しいですが、生徒たちが授業に慣れてくるといろいろできるようになってきます。


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