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佐藤流司さん中心にいろいろな舞台の感想などを書いてきました。しばらく更新はお休みします…

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佐藤流司さん中心にいろいろな舞台の感想などを書いてきました。しばらく更新はお休みします https://twilog.togetter.com/ry_yz_hd_myk https://instagram.com/ry_yz_hd_myk?igshid=MzNlNGNkZ

最近の記事

世代交代の話

早朝に目が覚めてしまい、2.5次元舞台の世代交代について考えている。 「ブームが文化になるには15年が必要」という説があります。2.5次元舞台のブームの起点をペダステがヒットした2012年(*1)~2.5次元ミュージカル協会発足の2014年あたりとすると、今年で10~12年目になる。15年説で考えるなら文化になるまであと一歩です。 15年の間に必須なのが世代交代。これは“ブーム”の間に第一線を走ってきた俳優も感じていることで、事務所立ち上げて新人を発掘したり、プロデューサ

    • 演劇ドラフトグランプリ2023 感想

      昨年は配信で見ていて雰囲気が良かったので、今年は現地で見てきました!いろいろと面白かったです。 観客の投票で勝敗がつくイベントなので、自分なりに評価基準を設けて見ていました。評価基準はこんな感じ。 一項目5点満点として採点しながら見たけど、さすがに点数をがっつり書いてしまうのは露骨な気がしたので、マイ順位にしたがって感想を書いていきます。現地で一度しか見てないので細部はいろいろ違うかもしれないけどご容赦ください。 【第5位】劇団『品行方正』/テーマ:待ち合わせ面白かった

      • ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~忍の生きる道~ 感想(8年間ありがとう~!!)

        ナルステ8年間お疲れさまでした!ナルステのある週末が、毎年本当に楽しかったです。 自分語りを含めた一万字overの感想になってしまいました。でも、誰かは同じような気持ちじゃないかなと思って。箇条書きでいきます。 ジャンプ漫画の最終回を舞台にするとこうなるナルステにおいては「漫画を舞台にしたらこうなる」をすごくやってくれたと思う。特に印象に残ってるのは、漫画の見開き2ページいっぱいに描かれた名場面の数々を、舞台の上手から下手まで・天井から床までめいっぱい使って大迫力で再現して

        • パレードを見送る

          意外に思われるかもしれないが、私にとって櫻井さんは、あたたかくて穏やかな陽の光のような人だった。 じっくり考える。じっくり考えられるくらいには、外側にいると思っているからだ。私は90年代を伝説でしか知らないし、BUCK-TICKを聴き始めたのも2014年頃からだ。 櫻井さんは孤独を肯定してくれる人だった。孤独を愛する人だった。 これはある番組内での本人の言葉だが、これは櫻井さんが作詞した曲で度々登場する『孤独』にも表れているように思う。 世には部屋に一人きりでいる時に

        世代交代の話

          「嫌い」と出会った時にどうするか

          私は人の「嫌い」との向き合い方が下手だ。自分の好きなものが否定された時、自分自身まで否定されたような気分になる。それが子供の頃から人より多い気がして、人からの「嫌い」には敏感だった。つい最近になるまで、否定と批判の区別がつかない人間だった。それゆえに推しを全肯定しないと気が済まなかった。ほんの2~3年前まで。 私の好きな作品がたくさんの「嫌い」を浴びている今、改めてその向き合い方を文章にしておきたい。これからの自分のためでもあるけれど、私と同じように好きなものを否定されると

          「嫌い」と出会った時にどうするか

          信じた先へ

          あれから約一年が経った。 あんなことがあれば主演や演出家が変わっても致し方ないだろうと思っていたが、続投してくれて嬉しい。それも意地や反骨精神というよりも、長い時間をかけて去年の夏の出来事と向き合った末に出てきた決意まで聞かせてくれた。 この一年、さまざまなインタビューでつらかった出来事として去年の8月のことを語っていた。きっとたくさん悩んできたと思う。地の底まで落ち込んで、上がってきた言葉だ。その末にこうして決意を聞かせてくれたことを、変な言葉かもしれないが、まずは私は

          信じた先へ

          『ハンチバック』感想

          健常者が重度障害者の日常を完全に理解することはできない。いかに自分が特権を持ち社会生活を送れているかを思い知らされる。「紙の本がいいなんてのは読書姿勢を保てる健常者の傲慢」という発言が話題になったが、その基となる日々が82ページに詰め込まれている良著。ほとんどずっと皮肉と愚痴を読まされてるような小説なのに、謎の小気味よさまである。 ついこの間まで自分もやっていたが、マイノリティを描いた作品を観て「これって〇〇にも置き換えられるよね」と感想を持つのってどうなんだろう。置き換え

          『ハンチバック』感想

          ナルステ過去作振り返り

          今週から毎週末ナルステ過去作を一作ずつ振り帰って最終章を迎えようという試み。小学生の頃にジャンプでサスケ奪還編を読み、ナルステが2.5次元舞台観劇の入口だったオタクの狂いです。たぶん自分語りもする。箇条書きで許してほしい。 2015年版個人的には2015年版が一番NARUTOらしいと思う。まだ歌わない頃のナルステ一作めは、劇伴がアニナルの曲を使ってることといい、荒さの残るヘアメや演出の手作り感といい、NARUTOの世界観を一番再現している。原点にして頂点というか。 201

          ナルステ過去作振り返り

          推しが入籍した

          これは、とても複雑……!推しが入籍するとこんな気持ちになるんですね!と言いたいところだけど、これは羽生さん特有かもしれない。 ※11月17日の羽生さんのご報告を受けて、最後の項目を追記しました。 8月4日午後11時11分、その時わたしは それは突然やってきた。残業して疲れ切ってTLを遡ってたら突如表示されたポップアップ。まず「いつも応援してくださってる皆様へ」が見えて「あ、ついに」と思ったのと同時に、周囲に音が聞こえるくらい息を呑んだ。このタイトルの報告は引退・活休・結

          推しが入籍した

          蟲師『露を吸う群』

          一日中喋ることもなくぼうっとしてすごし、日が暮れると急激に老いて夜には呼吸も止まり、翌朝になると元の姿に戻るという蟲(寄生虫のようなもの)にかかった少女の話。主人公の力で一度は普通の人間に回復するが、「毎日本当に満たされた気持ちで眠りについていたのに、今は眠っても昨日と同じ現実が続くことに耐えられない」と、自ら元に戻ってしまう。(原因は別にもあるが) 昔手に入らなかったものを手に入れ、満たされなかった分の人生を取り返すといったエネルギーも消えた今、この話をもう一度観たくなっ

          蟲師『露を吸う群』

          『君たちはどう生きるか』感想

          たったいま観てきました。事前に知ってた情報は「鳥が出てくる」「火事の場面がある」くらい。残業後レイトショー終電コースで体力限界なので箇条書き。ネタバレしてます! 千と千尋のトンネルは母体回帰だとか、トトロは皐月とメイの地獄巡りのきっかけだとか、ジブリの都市伝説的に語られがちな要素を詰め込んだ2時間だった。何かが起こりそうで起こらない、腹の奥がすっきりしないまま2時間が過ぎる。もちろん、過去のジブリ作品を彷彿とさせる場面も台詞もたくさん出てくる。一人ひとりが違う動きをしている

          『君たちはどう生きるか』感想

          苦手なのは推しの恋愛シーンじゃなかった

          いとしの儚の割り切れないところについて。楽しい感想はこっち。 いけないものとしてやっているのが救い まずはじめに、私は性愛至上主義と家族至上主義に居場所を見いだせない人間なのでバイアスがかかっています。観劇前に戯曲を読んだときに、男女しか登場せず(同性愛者すら一方の性自認を女性にすることで「男女」に落とし込んでいる)女が男の所有物になっている上に誰もそこに抵抗する意思もないように見えて、楽しみになれなかった。でも舞台では、儚はもちろん、女郎屋の女将も他のキャラクターも皆、

          苦手なのは推しの恋愛シーンじゃなかった

          悪童会議 旗揚げ公演「いとしの儚」感想

          いとしの儚、観てきました!いろいろと解釈出来て、結構面白い作品でした。 人でなしと人ならざる者の話 舞台を包む照明や衣装の配色が、暖色は「生」もしくは「俗」、寒色は「死」や「人ならざるもの」を表していたのが面白かったです。暖色は人の温もりもあるけれど、賭場や女郎屋の場面は赤やオレンジといった暖色に包まれていて、欲望とか依存とか、「俗」っぽいものを舞台から発していた。「業」もあるかな。反対に、墓場や鬼の語りや、人を殺す瞬間といった俗から離れた場面は青白いか青黒い。俗と死を対

          悪童会議 旗揚げ公演「いとしの儚」感想

          映画『aftersun』感想(わからなかった)

          正直言って2時間退屈だった。 公式サイトのあらすじに書かれてること以上のことは起こらず、父娘の家族旅行のホームビデオを2時間見せられたという感じ。 父から子へ、子から父へ、お互いに向けた無償の愛情を感じる瞬間は多々あったけれど、そこで特別に感情が動くことはなかった。 海に浮かぶボートの上で「これからいろんなことがあると思うけど、何でも話してよ」と娘に語りかける父親の場面で、これは知らない世界の話だなと思った。 特別に感謝されなくても、「楽しかった」と「お腹すいた」が子供か

          映画『aftersun』感想(わからなかった)

          上半期現場ふりかえり

          上半期の感想、上半期のうちに。 舞台1月 MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~AUTMN 2022~ ディレイビューイング いまさらながら年末年始にエーステを一気観。秋組だけ舞台上で表現することを「ぶちかませ」とか言ってて、大好きになっちゃった^^ いままでのエーステは2部制でそれぞれ違う劇中劇が観れたけど、今回は2部通して1つのことをやっていて、これもよかったなあ…!わ~いヤンキーだ!とハシャいでたら「満足にやりたいことができない家庭環境な上に親とのコミュ

          上半期現場ふりかえり

          『生を祝う』感想

          自分の考えが言語化される感覚がありながら、反出生主義に孕む危険性を鏡写しにしてくれた一冊。 舞台は、生まれる前の胎児に「この世に生まれたいかどうか」を問い、胎児から同意が得られた場合のみ出産できる『合意出生制度』が法整備された近未来。胎児の同意なしの出産は「生を押しつけた」として有罪になり、「死を押しつける」殺人と同等の倫理観で語られる。 反出生主義者には理想の世界に感じられ、子供に恵まれなかった方や子供を亡くした方には読むに絶えない一冊だろう。 「この世に生まれてきた

          『生を祝う』感想