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上半期現場ふりかえり

上半期の感想、上半期のうちに。

舞台

1月

MANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~AUTMN 2022~ ディレイビューイング

いまさらながら年末年始にエーステを一気観。秋組だけ舞台上で表現することを「ぶちかませ」とか言ってて、大好きになっちゃった^^
いままでのエーステは2部制でそれぞれ違う劇中劇が観れたけど、今回は2部通して1つのことをやっていて、これもよかったなあ…!わ~いヤンキーだ!とハシャいでたら「満足にやりたいことができない家庭環境な上に親とのコミュニケーションも下手」という解像度が高すぎる展開になってしまい、吉高さんの孤独の表現も絶妙で…観てよかった。エーステも「キャラクターが人としてそこにいる」をやってる2.5次元ミュージカルなんだなあ。
アフトもあり、藤田さんと吉高さんのトークでした。吉高さんは、役の雰囲気と全く結びつかない人で、役者なんだなあと。役にすごく入り込むタイプで同じステージで本番中の共演者すら圧倒される瞬間が何度もあったらしい。藤田さんは、司会兼後輩の言葉を引き出す先輩の役回りが匠の技だった。ストレスなく笑いと場の暖かさを引き出すトーク力、コツを教えてほしい。

日中合作 音楽劇「李香蘭-花と華-」

良知さんが力を入れていたお仕事。キャスト全員歌がうまくて、劇場の規模にしてはずいぶん贅沢な舞台だった。無邪気な子供から「楽しい」だけではなくなっていく西内さんの李香蘭、どこまでも華やかで軽やかな(だからこそ本心の理解者が少ないのが切ない)飛龍さんの川島芳子、「嫌いです」と言いながらどこか楽しげに見える中村さんの児玉さん、甘粕理事長の深呼吸……  良知さん演じる甘粕理事長が「自分の心の準備が必要な一言を相手に伝える前に深呼吸をする」人で、あの深呼吸で舞台上の人にも観客にも緊張感が走る数秒間を作っていて流石だった。

2月

ロミオ&ジュリエット

1~2月はナルステキャストの仕事を追ってた。中尾ティボルト目当てに観劇。せりふ回しがシェイクスピアの原作そのままの、超古典的ロミジュリ。OPの映像が家系図になってて、登場人物紹介を兼ねてておしゃれ。キャピュレット家は衣装がフォーマルなのに、ティボルトは金髪プリンですぐ頭に血がのぼって暴れちゃう奴で、そりゃ刺されるわ。中尾さん、ガラ悪な役もっとやって~~  所作が美しい長谷川ロミオ、ディカプリオのロミオに雰囲気すごく似てたけど、意識したのかしら。北乃ジュリエットはただの子供で、恋愛中の自分にハシャぐし素直に死を怖がるし、ずっとお年頃の女の子でかわいかった…! なぜかライダース着てガールズバンドやってる描写があったのも好きだったな。

キングダム

はらわたを素手で鷲づかみされた。

舞台「モノノ怪~化猫~」

放送当時にアニメ観てたから楽しみにして行きました。飛行船シアターは映像演出に特化した劇場らしく、舞台の上の天井まで投影してて没入感があった。しかし客降り演出は2階席からだと半分観えなくて、何やってるのかわからなかったのは残念。薬売りが坂井家に入って、薬売りが坂井家から出ていって終わる話として完成されていたと思う。荒木さんは最早誠実を通り越して修行僧のような役作りで、殺陣もお芝居もすばらしい完成度。佇まいからしてあの薬売りだった。峻也くんの役どころは、彼のかわいらしさとは正反対のキャラクターで、かなり挑戦だったんじゃないかと思う。薬売りカラーの浅葱色の着物のお客さんが多くて、それも楽しかった!

音楽劇「逃げろ!」

3月

特殊ミステリー歌劇「心理探偵八雲」-思考のバイアス-

巨大な正方形のキューブの集合体みたいな塊を展開していくのが観てて面白かった。連立方程式がスラスラ解けていく時みたいな面白さ。キャストがジャングルジムみたいに登り下りするのもたのしかったな。正義感が特に感じられず、数式を解くみたいに事件を解決していく主人公二人と、DVから解放された女性が客席に背を向けていて表情が見えないようになってて、でもこちらに伝わってくる感情がある。このくらいの見せ方が好みかもと思った舞台。

ミュージカル『フィーダシュタント』

観ていくうちにだんだんと身体の奥が潰れていくような感覚になって二幕はずっと固唾をのんで息ができなかった。「舞台は楽しい面白いだけではなく、戦争の恐ろしさをありありと伝えることができる」という言葉をどこかで聞いたけど、それを感じた舞台だった。正義感の強い、太陽のような人間が権力におぼれる様とその後どうなっていくのか、それを間近で親友(それも迫害される側の)が見なくてはならなかった残酷さ、典型的な差別と優生思想。そして学生たちが協力して抵抗する様を祈るように観た。特に印象に残ってるのは「フィーダシュタント」と「ドイツのため」が同時にコーラスされる一幕の最後、マグナスとアベルの決別の場面、最後の抵抗の場面は歌も殺陣も演出も圧巻だった。

先日、配信も観たけれど、1回目より気づきが多くて…冷徹で怖いだけだったクレアが、授業の場面では優し気な声をしていたり、一幕のフレドリッヒが必死に自分を偽ってるように見えたり、表面だけではわからないことがいかにあるか。
どの舞台でも「今やるべき舞台だ」とよく言うけれど、この舞台はその言葉が主催の独りよがりではなかったと思う。

4月

カストルとポルックス

6月

ジャンポール・ゴルチエ『ファッション・フリーク・ショー』

ミュージカルというより、音楽とファッションが融合したパフォーマンスを観た感じ。知ってる音楽が多くて楽しかった!心の奥に沁みついてる音楽と、色彩も形も豊かな衣装が次々と展開されて圧巻だった。舞台から発せられるメッセージは明快で、好きな服を着よう、全てが違ってそれぞれに美が宿るということだと思うけど、それをゴルチエの作品で語られると、本当に強いメッセージとして伝わってきた。
意外なところで、フィギュアスケート好きにもおすすめできるかも。My wayとかSweetDreamsとか、お馴染みの曲が極彩のファッションと一緒にたくさん聴ける。整形の場面の曲がSweet Dreamsだったのがよかったな。甘い夢。

アイスショー

2月

Yuzuru Hanyu ICE STORY 2023 “GIFT”

東京ドームで開催するアイスショーでもなく、羽生結弦のアイスショーでもなく、「羽生結弦 at TOKYO DOME」を観た。なんかすごいもん観た。オリンピックの開会式の現地にいたらこんな感じなんだろうな~(オリンピックの開会式と同じ人たちが作ってるからそれはそう)。10プロくらいを一人で全部滑る時点ですごいのに、幕間の映像も主演・ナレーション・たぶん企画構成も羽生結弦で、エンターテインメントとしてこれ以上ないものを観せられた。
私にとって羽生さんって、推しとか言ってキャーキャー言う感じでもなく、ずっと「おもしれー奴」と思っていて、この日ほどそれを思った日はなかった。「スケートが好き」だけでは辿り着かない世界でしたよ。

3月

notte stellata (LV)

3/11にライビュで観てきました。羽生さんは「国民的スターとなった羽生結弦にできること」としても、被災者である自分自身のためとしても、ずっと震災に向き合っている。この日の会場が12年前は遺体安置所だったこと、3月11日に公演したこと、だからこそたくさん氷に手を触れていたこと…… 今日のショーでいろいろな希望や幸せを受け取って前に進んでいってほしいといった言葉からそう感じた。出演スケーターがさとこちゃんりかちゃん、あっこちゃんやシェイリーン、むらくんデカはやジェイソンといった仙台ゆかりと馴染みの面々だったのもよくて、皆「希望」「前向き」「光」「未来」のどれかを感じさせるようなプログラムだった。羽生さんが座長としてそういうオーダーをしたのかも。 顔をあげて走っていくようなプログラムもあれば自分の内面と向き合った末に光がさした……みたいなプログラムもあって、それぞれの向き合い方が出ていた。この日は、羽生さんが向き合い続けたその先を観たと思っている。

4月

STARS ON ICE 2023

島田麻央さんの滑りを初めて生で観た。EXプロかな~と思ってたら昨期の競技プロで嬉しかった!パスピエ観れると思ってなかったから。エッジワークと腕の使い方が音と合っていて、観てて気持ちいい。スピンがうまい。技術がしっかりついていて、その上で表現をしている。
羽生さんは阿修羅ちゃん。ダンスはかっこいいし本人が気に入ってるのはいいけど、滑りが観たいな。

6月

Fantasy on Ice 新潟 (LV)

いままでのFaoiで一番満足度が高かった。OPはHistoryMakerで羽生さんのGLAMOROUS SKYで終わる。夢か??羽生さんGLAMOROUS SKY、真っ赤なナポレオンジャケットを「あの頃の記憶」に見立てて、縋るように抱きしめたり気だるげに頭からかぶったりする独りよがりプログラムだった。イーグルやイナバウアーが「羽生結弦の定番エレメンツ」ではなくて、曲の表現として成り立っていたのが新たな一面に感じた。刑事・知子も本当にすてきだった。アイスショー業界も世代交代がぐっと進んだけど、プロスケーター1年目の3人はアマチュアのEXの延長ではなくプロスケーターとして、表現をしようとしているのを特に感じる。

ライブ

2月
PENICILLIN
BIRTHDAY & VALENTINES DAY LIVE SPECIAL 2023

Reny、ドレープの幕とシャンデリアとミラーボールと上の壁一面LEDがあって…という好きなもの全部詰め込んだみたいなハコ。はくえいさんは布の塊みたいなシャツワンピのような服をお召しになられてた。ちさとさんとちゆ、じろさんとはくえいさんはで衣装がリンクしてて視界が楽しかった!まだPENICILLINの曲を覚えきれてないんだけど、どの曲も知ってる曲の延長線上にある感じがして居心地がいい。31年もやってるバンドに上から目線ですみませんけど、きっとこれがこのバンドの音なんだと思う。渋公ワンマンも楽しみ。

3月
LM.C
怪物園Ⅱ

SELENE b2は背景が全面モニターで、小さいハコだけどド派手なライブができるのよな。極彩色のバチバチな映像がよく似合う。OH MY JULIET.ラスサビでmayaがガイコツマイクで歌って普通のマイクを銃に見立てて自分のこめかみに突きつけて自殺、そのまま客席に銃口向けて乱射してたの超よかった!わたしは転職の入社直前というタイミングで、The LOVE SONGの「成り行きで手に入れた未来は迷わずここに置いていくよ」が本当に響いたしPUNKY♡HEARTの「確かなものなんてないけれど怖くはないよ」に背中を押してもらえた。ライブ後はめったに参加しないサイン会に並んで、バンドマンが一緒に歳取ってるのを見てしみじみ。。またアルバム出さないかな~

4月
hide with Spread Beaver‼ in OSAKA

唯一行けそうな日程の大阪のチケットが全く取れず、もう私は人生でスプレビを生で観ることはない運命なんだ…と気持ちの整理をしてたら、ライブ5日前にご縁があって弾丸で参戦できました。すごい巡り合わせを感じる。ライブはいろんなバンドマンから何度も聞いてきた話そのままで、まさに「おもちゃ箱をひっくり返したような」ライブだった!私が90年代を体感してないからかもしれないけど、昔の再現というより「2023年のhide with Spread Beaverのライブ」だった。子ギャルを聴けたのは本当に最高だった。背景のスクリーンに映される映像が、高校生が原宿を歩きまわって今の原宿駅から旧原宿駅舎に変化してソロ活動を発表した神宮前交差点の景色に変わり、建て替え前の渋公(たぶん)まで映るという… 自分の人生を観てるかのようだった。チロリンとDIEちゃんの衣装は対になってて、サイケな風神雷神で。暗転しててもハッキリ見える蛍光のタンクトップにカラフルなモヒカンが超かわいかった!サイケデリックなヴィジュアル系バンドで育って、私はよかったんだと思えた。そしてこの数日後にブロビのロケダイカバーを聴き、ツアーの日々があり…… と思うと、hideちゃんが繋げてくれた縁にしても、すごい巡り合わせだと思う。こんな未来があるんだな。

5月

The Brow Beat Live Tour 2023"The Five Senses”

楽しいと虚無が8:2くらいだったツアー。手放しで楽しかったとはハシャげないが、それでもよかったと思っている。