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11月の3冊

今月の3冊。
読書の秋というけれど、あんまり読めていない気がする。
でも今月はとくに、いい本が入荷したと思う。

1.レジー『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』

以前本屋で「映画を早送りで観る人たち〜ファスト映画・ネタバレーーコンテンツ消費の現在形〜」を見つけたので、Amazonで購入しようと思ったところ、こちらがおすすめにでてきた。そして結局こちらを購入。
まずこのタイトルと帯。「ファスト教養」「教養=ビジネスの役に立つ!?」これを読んでドキッとする人は結構いるんじゃないだろうか。そんな人にはぜひ読んでもらいたいし、そうでもないにはもっと読んでほしい。

教養系YouTubeやポッドキャスト、要約サービスを使ってコスパよくリベラルアーツを身につけ、自分の価値を高めて周囲を出し抜き稼いじゃおう!そんな社会の流れを、さまざまな事例を通して丁寧に解説していく。
じゃあそんな社会で私たちはどうすればよいのか?処方箋のひとつとして、私の大好きな、オードリー若林の「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」が取り上げられていたのも個人的にぐっときたポイント。

仕事に活かすため、専門性を高めるため、なにかに取り残されないため、目的的な読書が習慣化している自分を振り返った。私も気づけば新書や入門書ばかり読み、名著の内容はYouTubeやフライヤーでさくっとおさえがち。
それ自体は悪いことではないけれど、大事なのはきっと、それらをどう扱うか、ということなんだろう。
今では名店のラーメンもコンビニで味わえるけど、それでその店の味を知った気になるなよ、的な。ちょっと違う?

2. チョン・セラン(著),斎藤 真理子(翻訳)『フィフティ・ピープル』

最近「東京の本屋さん ~街に本屋があるということ~」という、東京都内の本屋さんを代表する団体の東京都書店商業組合が運営している、ちょっとふしぎなYouTubeチャンネルをよく見ている。
10月にはじまった「木曜日は本曜日」というプロジェクトがおもしろいからだ。

本好きの有名人が、人生を変えた本を10冊を紹介しつつ、本にまつわるエピソードを語る動画が、毎週木曜日(本曜日)に更新される。
COTENの深井龍之介さんやテレビプロデューサーの佐久間さん、ラランドニシダさんなどメンツがおもしろい。そんな人たちに好きな本を紹介してもらうと、意外な一面が見えてきて楽しい。

この本は、佐久間さんが紹介していたもの。
タイトルのとおり、50人の物語が収録されていて、少しずつ繋がっていくらしい。1人につき数ページなので、どんどん読めそう。

最初の1人目でつかまれた。すごく短い話で、あからさまに泣かせにきているわけではないのに、泣けた。

3.平尾 昌宏『ふだんづかいの倫理学』

本屋をぶらぶらしていて出会った本。
まず装丁がすてき。(といいつつKindleで買った)

これまで、倫理学にはあまり触れてこなかったので、倫理学といわれても正直イメージがわかない。でも倫理学こそ、すべての人が学ぶべきで、すべての学問に通ずるという。

そんな倫理学を、日常に寄せて、「ふだんづかい」できるように解説してくれる。テーマごとにすごーーーく細かく章が分かれていて、装丁のイメージどおり、やさしくフランクな語り口で読みやすい。

まだ序盤だが、日常や仕事のもやもやのヒントになりそうな予感。

『ファスト教養』の一撃が効いている

今回の3冊のうち、ファスト教養だけ一通り読み終えている。
効いた。

自分の専門性ってなんだろうとか考えて転職をして、本を読みつつ通信制大学院にもチャレンジしている。そこには「焦り」みたいなものに駆り立てられているところが確かにあって。それがファストな学びに繋がっていないだろうか?とか。

学び続けるってすてきなことだし、これからの世の中必要なのは確かだけど、それを推進することで世の中に「学び」を強いていないだろうか?それが結果的にファスト教養を生み出していないだろうか?とか。

自分のこれまでの「あたりまえ」に一撃いただきました。

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