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『オールブラックス×アディダス 』のキャンペーンをまとめてみた

0:はじめに

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カレンダーが写真だと見にくいかなと思ったので変更しました。今まで入っていなかった要素も足して見やすくなったかなと思います。その結果、記事の内容と齟齬が出てしまうところがあるかと思いますがご了承いただけると幸いです。よろしくお願いします!
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こんにちは。普段はアンダーアーマー(以下、UA)を取り扱っている株式会社ドームでマーケティングに携わっています鈴木です。今回は、UAのパートナーであるウェールズ代表とラグビーワールドカップ2019(以下、RWC2019)に向けたキャンペーンを企画/実施してきた僕が、横目に見ていて「こりゃすげーな」と思って個人的にまとめていた『オールブラックス×アディダス』のキャンペーンの概要を共有したいと思います。

一言で言うと、統一感がある重層的なキャンペーンだと感じました。一流のスポーツブランドが、世界一のスポーツチームを活用して、一番人々の注目が集まるモーメントにキャンペーンを打つとこうなるのかと。改めてアディダスのマーケティングって洗練されているなと思いつつ、自分もこういったことができるような人間にならなければならないと強く感じました。

この後から概要を共有していきますが、Twitterでも書いたように基本的にホワイトボードに手書きでまとめたものを撮った写真を軸に話を進めていきます。手書きなので字が汚いところもありますし、見にくい部分もあるかと思いますがご了承ください。

加えて、僕がまとめたキャンペーンの概要は全て正しいわけではないです。ところどころ具体的な日付・内容が書いていない・わからない部分があったり、「ここ間違ってるぞ」みたいな部分があったりすると思います。あくまで個人が今後の参考にするためにまとめたものに過ぎませんので、この点もあらかじめご了承ください。間違っていたら遠慮なくご指摘ください。直します。それでは始めます。

1:全体像

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(会社のとある会議室のホワイトボードに書き出した全体像です。)

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(それをデフォルメしたものです。)

このキャンペーンには大きく分けて2つの波があります。それは、

第一弾:7/1(RWC2019ジャージ発表)以降のAll Blacks x Y-3の波
第二弾:9/14(RWC2019開幕1週間前)以降の#CreatorsUniteの波

です。波を作るのは「ここから力を入れていくぞ」と言う社内の意思統一的にも、実際に目に触れる一般の人々にとっても大変有効だと思います。特に、このキャンペーンで特徴的なのは第二弾の波が存在することです。実際にこの波を機にクリエイティブが大きく変わっています。第二弾の波を作ることはとても労力のかかることですが、それを入れることによって、約4ヶ月間続くキャンペーンの間延びを防ぎ、新鮮さを保つことができています。

また、波を作るタイミングも適切ですね。第一弾は、アディダスにとって重要なパートナーのひとつであるサッカー女子日本代表(なでしこジャパン)が出場するFIFA女子ワールドカップが終わった後、7/1のオールブラックスRWCジャージ発表から始まります。多くの代表が6月末から7月初めにかけてRWCジャージを発表し、各スポーツブランドもここからキャンペーンを開始していました(弊社もそうでした)が、アディダスもそのタイミングでスタートしたということですね。

そして第二弾は、RWC2019開幕直前(1週間前)です。僕も実際にキャンペーンをやっていて、それまでは「本当に日本でRWC2019を開催するんだよな...」というくらい盛り上がりが感じられなかったのが、開幕直前(9月2週目くらい)になってようやく「盛り上がってきたな、これからRWC2019だ」と感じられるようになってきました。そういう熱しやすく冷めやすい日本人の特徴を踏まえてのこのタイミングなのかなと思います。

長くなりましたが、そう、2つの波を作っていることがすごいのです。まずはこの点を頭に入れておくべきでしょう。ここからキャンペーンの詳細に入っていくと見せかけて、、、、いったんこのキャンペーンの大前提となるところを2つ見ていきます。まだキャンペーン詳細には入りません!

2-1:大前提①適切なMDプラン

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MDプランの表が写真だと見にくいかなと思ったので変更しました。その結果、記事の内容と齟齬が出てしまうところがあるかと思いますがご了承いただけると幸いです。よろしくお願いします!
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(ホワイトボードに書き出したものです。)

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(それをデフォルメしたものです。)

ここではまずアディダスのRWC2019に向けたMDプランを見ていきます。表をご覧いただければなんとなくわかるかなと思いますが、大きく分けてRWC2019に関連する商品群は3つあります。これを理解していただいて細かい検証に入っていきます。

①オールブラックスライセンスアイテム(RWC2019に向けて企画)
 −オーセンティックジャージ
 −レプリカジャージ
 −プラクティス系(Tシャツ・ポロシャツ・ショーツなど)
 −ライフスタイル系(フーディー・キャップ・バックパックなど)
②カントリー系(RWC2019に向けて企画)
 −1国1T
 −ラグビー×日本Tシャツ
③インライン(普段から売られているもの)
 −プレデターY-3
 −その他ラグビースパイク

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スパイク:プレデターY-3、9/18にローンチしていました。Ecomでの販売/訴求と伊勢丹新宿店ポップアップストアでの販売がありましたね。
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弊社もこのRWC2019に合わせてウェールズ代表のライセンスアイテムを日本で展開していますが、それはアディダスも同じで、オールブラックスのライセンスアイテムを日本で展開しています。

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(アディダス渋谷店の売り場、しっかりしてるなあ。)

オーセンティックジャージ、レプリカジャージを始め、その他プラクティス系のアイテム、ライフスタイル系のアイテムなどなど多くの種類があります。ほとんどのアイテムが7月に展開され始めましたが、一部アイテム(スカジャンなど厚手の長袖系)は9月になってから展開され始めました。きちんと売れる時期を見越してずらしながら展開している点もニクいですね。

また、各アイテムの数量を、きちんと需要と展開チャネルを見越してつけている(=生産している)こともニクいです。少なすぎると欠品を起こし機会ロスになり、多すぎると売り切れず余って在庫になるというセンシティブな部分ですが、そこも絶妙なバランスだなと思いました。表に書いてある「オ:レ:プ=○:○:○」というのは、そのチャネルにおける数量の大体の比率です。基本的に一番購入されやすいレプリカジャージを多めに積んでいるということです。

さらに、オールブラックスのライセンスアイテム以外に、1枚に1つの国がモチーフとなってデザインされているTシャツ(以下、1国1T)も展開しています。(弊社もやってますが。)アディダスが選んだのは日本・イングランド・アイルランド・フランス・アルゼンチンの5カ国ですね。この1国1T、何がいいかというと、自社が契約していない国代表の外国人ファンの需要に応えることができるのです。(この手の1国1Tは、来年のTOKYO2020のときも展開されると思いますので覚えていてください。)それぞれの国をモチーフにしているのにもかかわらず、日本っぽさがデザインに残っているのも素晴らしいです。より外国人が手に取りやすいものになっていると感じます。アディダスがどうしてこの5カ国を選んだのかはわかりません。今度担当者に聞いてみたいです。どれくらい売れたのか教えてください。笑

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(僕が勝手に1国1Tと呼んでいる商品群。)

さらに、さらに、この表には書き忘れましたが、ラグビー×日本っぽいデザインのTシャツも少ないながら展開していました。ポイントはやはり日本っぽさをデザインに入れることです。

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(真ん中の天狗と獅子舞のやつです。)

最後に。このRWC2019に向けて企画しているというわけではないですが、後々に出てくるキャンペーンでラグビースパイクの訴求を行っていました。オールブラックスは全員が同じアディダスの真っ黒のスパイク(フォワードとバックスで2種類あるけど)を履く珍しいチームです。他の代表は選手がそれぞれ契約しているブランドのスパイクを履いていて、足元はとてもカラフルです。一方、オールブラックスはスパイクまで真っ黒で揃えるという徹底ぶり。確かに、オールブラックスの足元がカラフルだったらちょっとガッカリしますね。ここまで徹底したブランディングをする、、、オールブラックス発信かアディダス発信かわかりませんが、その姿勢には脱帽です。

-------------------------------------追記---------------------------------------
スパイク:プレデターY-3、9/18にローンチしていました。Ecomでの販売/訴求と伊勢丹新宿店ポップアップストアでの販売がありましたね。
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以上がアディダスのMDプランのまとめです。品種・デザイン・時期・数量・チャネル、、どこを切り取っても非常によくできたプランだなと感じました。これがキャンペーンの大前提①です。①としたのには理由があります。そう、②があるからです!!まだキャンペーン詳細には入りません!

2-2:大前提②統一感のあるクリエイティブを実現する事前連携

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ここ、実はかなり難しいです。キャンペーンを実施する上でクリエイティブがすごく重要なのはなんとなくわかっていただけると思います。実際に『オールブラックス×アディダス』のキャンペーンで使われていた制作物を上の写真の通り列挙しましたが、かなりの量/種類になります。しかも、アディダスは先述のように2つの波を作っていてそれぞれ違う世界観のクリエイティブを作っているのです。それにもかかわらず、統一感があると感じさせるクリエイティブを実現しているのはあっぱれです。

僕もウェールズ代表やUA英国支社とクリエイティブの連携のためにコミュニケーションをとっていましたが、これが全然うまくいかないこと。。。やれ素材を撮るタイミングがないだの、やれ予算はどこが持つのかだの、やれスケジュール的に間に合わないだの、すごく苦労しました。結果的に、思うようなクリエイティブで発信できなかったり、各チャネルにおけるPOPがバラバラになったり、と統一感のないキャンペーンになってしまうので、やはりクリエイティブの影響は大きいです。

そこをうまくまとめて、波ごとにタイミングを揃え、しっかりと面で、統一感のあるクリエイティブでもって、キャンペーンを展開できるアディダスはすごいです。大変さがわかるからこそ尊敬します。

これがキャンペーンの大前提②です。この大前提2つがきちんとあることで、『オールブラックス×アディダス』のキャンペーンがより多くの人々に伝わり、(イヤらしいですが)より大きな売上を生むことにつながるんだと思います。さあ、お待たせしました。ここからキャンペーンの詳細に入っていきます。

3-0:キャンペーン詳細に入る前に

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(ここで全体像を再掲)

さて、キャンペーンの詳細を見ていくわけですが、今回は期間ごとに区切って、個々のタッチポイント/施策を横断的に見ていきます。上図でいくと縦に区切っていく感じですね。横に区切って見ていっても面白い(特に販促キャンペーンとか)のですが、前述のように適切なタイミングで波を作っていることに注目しているので、今回は縦に区切っていきます。

3-1:キャンペーン詳細①7月編

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まずは7月から見ていきます。先ほども申し上げた第一弾の波が含まれる期間です。7/1のオールブラックスRWCジャージ発表と同時に、『All Blacks x Y-3』のコラボを打ち出してこのキャンペーンはスタートしました。以下がそのときのキームービーです。

(かっこいいですね。英語ナレーションですが、ご丁寧に16の言語で自動生成ではない訳がついています。芸が細かい。)

Ecomでは特集ページが立ち上がり、展開チャネルとしてEcom・直営店(十数店舗)・WS(ホールセール=量販店・専門店など、以下同様)では売り場が立ち上がりました。なんと販促キャンペーンもしょっぱなのこのタイミングから開始しています。アディダスはこの期間中合計4回の販促キャンペーンを実施しているのですが、その1回目ですね。1回目の販促キャンペーンをまとめると以下のようになっています。

・いつ:7/1~7/31
・どこで:DTC(Ecomと直営店、以下同様)
・何を:オールブラックス商品
・いくら買ったら:12,000円(税込)以上
・何ができるか:抽選で20名様を9月のイベントに招待

この後の3回の販促キャンペーンも基本的にこのフレームワークに乗っかっています。個人的には、諸々の準備を考えるとこの期間に4回も販促キャンペーンを行っているのはすごいと感じました。

(Ecomの特集ページ:今は#CreatorsUnite仕様になっていますが、ヘッダーがあり、販促告知もあり、商品一覧/詳細ページへのバナーもあり、、さらには、しっかりとしたクリエイティブで統一感を出している。かっこいい。)

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(Ecom商品一覧ページ:なんてことのない商品一覧ですが、右端の販促キャンペーン詳細への動線がニクいです。抜かりないです。)

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(Ecom商品詳細ページ:Ecom在庫と店舗在庫の連動ができており、Ecomに在庫がなければ店舗取り置き/取り寄せができる。コーディネートの提案や商品の説明も丁寧でニクい。うまいなあ。)

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(直営店:アディダス渋谷店(上)/新宿店(下)の売り場。イメージPOP/説明POP/販促POPの世界観が統一されていて綺麗。販促POPにはQRコードが貼られていて、Ecomの販促キャンペーン詳細に飛べる仕組み。)

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(WS:スーパースポーツゼビオ大分店の売り場。ここでも統一されているイメージPOPの世界観。すごい。。)

ソーシャルメディア上の活動は7/8に始まりました。(ちなみに、カレンダーには載ってないけどプレスリリースもこのタイミングです。)

ここではアディダスジャパンのTwitterを見ていきます。期間限定なので今はもう見られないですが、Emojiハッシュタグも仕込まれており、用意周到さを感じました。実はこのキャンペーンにおいて、Emojiハッシュタグは2段階で実施されてます。第一弾の波(All Blacks x Y-3)と第二弾の波(#CreatorsUnite)では違うものを設定しているのです。さらにイヤらしいのが、"#AllBlacks"や"#オールブラックス"と入れるとアディダスロゴのEmojiが出てくるところです。(第一弾のときなので今はもう見られません。)くぅ〜〜、本当に芸が細かい。

(7月のアディダスジャパンのTwitter投稿[※RWC2019関する投稿だけPickUpしてます、以下同様]:①キームービーの露出②そのフォロー③プラクティス系の訴求と、それぞれに異なる目的があります。クリエイティブも1minの動画・15secsのgifみたいな動画・選手着用画像と、、、なんでこんなに素材準備できてるんだよ!凄すぎだろ!)

ということで、ここまでが7月です。全てのタッチポイント/施策において、どれだけディテールまで詰めてられていたかがわかると思います。7/1のオールブラックスRWCジャージ発表というモーメントに合わせて、いわば「ロケットスタート」した形ですね。その準備にあっぱれです。

3-2:キャンペーン詳細②8月編

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8月編に入っていきます。実はここ、内容が少ないです。なぜなら、これといったモーメントがなく、人々のRWC2019に対する関心度もそこまで高まっていない状況だからです。つまり、こちらから発信してもあまり意味がない/刺さらないのです。Twitterの投稿も、8月は人々が忘れないように1回だけ。

(8月のアディダスジャパンのTwitter投稿:この1投稿のみ。でもクリエイティブかっけえ。ちゃんと今までに出してない素材使ってるよ。)

ただ、重要な施策はあります。それが2回目の販促キャンペーンです。1回目の販促キャンペーンはDTC対象でした。でもそれじゃ不公平ですよね。誰にって??そう、『WSで購入する人々』と『WSの取引先』にです。アディダスはそこまで丁寧に考えています。以下が2回目の販促キャンペーンのまとめです。

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2回目の販促キャンペーンのPOP見つけました。かなり間違っていましたね。キャンペーン概要更新しています。
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・いつ:8/9~9/20
・どこで:WS
・何を:アディダス商品
・いくら買ったら:5,000円(税抜)以上
・何ができるか:抽選で〇〇名様に〇〇が当たる(10月のイベントを含む4つの賞)

1回目の販促キャンペーンと比較して若干内容を変えているところがニクいです。「何を」を「アディダス商品」にしてハードルを下げ、「何ができるか」を「A賞・B賞・C賞・D賞」というように4つくらいの賞にわけて当選者の幅を広げています。しかも、特筆すべきはその賞の中に、「10月のイベントに招待」という自社で完結できるもののみならず、「ニュージーランド航空の航空券」というようなオールブラックスの他スポンサーを巻き込んだものまであるところです。これはマジですごい。よくできるな、こんなの。。

これが8月。中身は少ないですが、WSという展開チャネルにもきちんと配慮していることが読み取れる重要な期間でした。

3-3:キャンペーン詳細③9月編

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(ここは本当に重層的で追うのも大変でした。いろいろ漏れてたり間違ってたりするかもしれませんがご了承ください。)

9月に入っていきます。9/14から第二弾の波である『#CreatorsUnite』というオールブラックスとアディダスが得意とするクリエイターとのコラボを打ち出したキャンペーンが始まります。(プレスリリースもあるよ!)コラボするクリエイターは木梨憲武さんを筆頭に18名と、、、そこの『あなた』。(よくこんなに多くのクリエイターとコラボできるな!事前準備良すぎだろ!しかも、一般人も巻き込むとかよくできてんな!)ということで、オールブラックスの選手たちの切り抜き素材を使って誰でも自由にアート作品を作ることができるようになっています。以下がキームービーです。(ちなみに、木梨さんを含め、同じようなムービーがあるクリエイターは6名/18名。よくそんなに動画作れるな!)

https://japan.adidas.com/creatorsunite/

(なんと#CreatorsUniteの作品たちをまとめたページも開設しています。すみません、埋め込みリンクがうまく昨日しませんでした。)

これを機に、Ecomの特集ページはリニューアルされ、直営店の売り場も大きく変わります。アディダスジャパンTwitterも、クリエイターたちが作った素材を使うようになり、RWC2019開幕翌日のオールブラックスの予選プール初戦まで、各施策の告知やオールブラックス応援/勝利投稿を含めた数多くの投稿を実施するように。このタイミングでEmojiハッシュタグも新しくなっています。また、3回目の販促キャンペーンも以下の内容で始まりました。

・いつ:9月中頃?〜限定扇子がなくなるまで
・どこで:DTC
・何を:オールブラックス商品
・いくら買ったら:15,000円(税込)以上
・何ができるか:限定扇子をプレゼント
※すみません、ここも怪しいです。間違ってたらごめんなさい。

今回はノベルティをプレゼントという企画ですね。また細かいですけど、金額を若干上げているのがニクいです。限定扇子を準備するのも大変だろうなー、オールブラックスとアディダスのコンポジロゴ入ってるし、承認もらわないといけないじゃん。どれくらいの数量を準備したんだろう。。

さらにさらに、第二弾の波はこれだけでは終わりません。9/15~9/27にかけてはアディダス渋谷店の4Fで『#CreatorsUnite ART EXHIBITION』というアート展を開催してクリエイターが作った作品を展示し、9/18に新しいスパイク(プレデターY-3)をローンチし(しかも、RWC2019でオールブラックスの選手が履いている)、9/18~9/24にかけては伊勢丹とコラボして新宿店で『INNOVATION OF BLACK』というポップアップストアを展開していました。(※このポップアップ、奥が深いので後ほど掘り下げます。)加えて、具体的な日付はわからないですが、1回目の販促キャンペーン当選者限定招待のイベント(どこにも発信していない?)を実施し、渋谷駅で期間限定でOOHを展開し、、、というまさに怒涛の施策ラッシュ。いつの間にこんなに仕込んでたんだよ、、凄すぎるだろ。。

ちなみに、オールブラックス的に見てもこのモーメントに力をかけるのが理にかなっています。なぜなら、9/20にRWC2019が開幕して機運が醸成されるというのはもちろん、翌日オールブラックスは横浜で初戦があり、南アフリカ代表と激突する好カードなので注目度が高いし、その後第2戦が10/2で時間的に余裕があるので、東京で選手を活用したアクティベーションを実施しやすいという、まさにこれ以上ない『神・タイミング』だからです。アディダスこれを認識した上でやっていそう、、マジすごい。

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(Ecomの特集ページ:#CreatorsUniteになり、ヘッダーも今の状態に変更、販促告知もそのときは3回目の販促キャンペーンになっていました。印象的だったのは、スパイク2種類の商品ページへのバナーが追加されたこと。抜け目なし。)

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(直営店:アディダス渋谷店の売り場。入り口入ってすぐの場所にも設けられ、売り場が広くなっていました。大きなディスプレイを使ったVMDが特徴的。イメージPOP/説明POP/販促POPのもきちんと変わっている。MDプランのところに少し書きましたが、スカジャンのように秋になって気温が下がってから展開開始された商品もあります。)

(9月のアディダスジャパンのTwitter投稿:上から、①キームービーの露出②アート展の告知③ポップアップストアの告知④#CreatorsUnite作品のPR⑤オールブラックス初戦前の応援投稿⑥オールブラックス初戦後の勝利投稿です。)

(渋谷駅のOOH:オールブラックス初戦後、アーロン・スミス選手がサインをしに行っています。)

3-3-1:伊勢丹とのコラボ『INNOVATION OF BLACK』

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さて、ここで先ほど「奥が深い」と書いた、伊勢丹とのコラボで実現した『INNOVATION OF BLACK』について掘り下げていきます。と言いつつ、このコラボの凄いところがISETAN MEN'S netに端的にまとめられていたのでそちらをご覧ください。笑

・ポップアップストア『INNOVATION OF BLACK』を期間限定開催。アートプロジェクト #CreatorsUnite にて木梨憲武しが製作したアートの限定展示も
・山本耀司デザインによるラグビーNZ代表「オールブラックス」公式ユニフォーム
・オールブラックス をテーマにしたアートプロジェクト「#CreatorsUnite」に木梨憲武のアート作品が登場
・国内130足限定、新作ラグビースパイク「Predaor Y-3」が発売
・全世界300点限定、ユニフォームとシューズがセットになった<Y-3>スペシャルパックが登場
・オールブラックスの来店が決定!限定イベントを開催。
・8月30日(金)より伊勢丹オンラインストアで一部アイテムを先行販売

これ凄すぎます。何が凄いかというと、面でコラボしているんです。上記を細かく見ていくと以下のようになります。

・ポップアップストア『INNOVATION OF BLACK』を期間限定開催。【←オールブラックス商品の展開チャネルとして①】アートプロジェクト #CreatorsUnite にて木梨憲武しが製作したアートの限定展示もアート作品のアクティベーション場所として】
・山本耀司デザインによるラグビーNZ代表「オールブラックス」公式ユニフォームISETAN MEN'S netをメディアとしてプロダクト説明】
・オールブラックス をテーマにしたアートプロジェクト「#CreatorsUnite」に木梨憲武のアート作品が登場【ISETAN MEN'S netをメディアとしてプロジェクト説明
・国内130足限定、新作ラグビースパイク「Predaor Y-3」が発売新作商品の展開チャネルとして】
・全世界300点限定、ユニフォームとシューズがセットになった<Y-3>スペシャルパックが登場限定商品あり】
・オールブラックスの来店が決定!限定イベントを開催。限定イベントあり】
・8月30日(金)より伊勢丹オンラインストアで一部アイテムを先行販売オールブラックス商品の展開チャネルとして②】

伊勢丹ポップアップストア限定商品・限定イベントがあり、そこではアート作品が展示されていて、新作商品の数少ない展開チャネルにもなっていて、もちろんオールブラックスの商品も展開されていて、公式オンラインストアでもオールブラックス商品が展開されていて、公式メディアは露出の場として機能している。。これを実現するには相当な準備が必要なはずです。特に、<Y-3>スペシャルパックという限定商品を準備するのを考えただけでも非常に手間がかかりそうです。また、限定イベントもよく差し込めたなという印象です。あとで実施日を追ってみると初戦翌日でした。やはりそのタイミングですよねー。ここまでやるアディダス、、恐るべし。

さらに怖いのが、これだけでは終わらないことです。なんとこの一連の伊勢丹とのコラボに関する情報を、ラグビー専門メディアである「ラグビーリパブリック(以下、ラグリパ)」に載せてPRしているんです。これはたまげた。。実際にラグリパを見てみると、『INNOVATION OF BLACK』に関する記事が3本出ています。

・オープン前:https://rugby-rp.com/2019/09/10/nations/40040
・オープン日:https://rugby-rp.com/2019/09/18/worldcup/japan2019/40554
・イベント日:https://rugby-rp.com/2019/09/22/worldcup/japan2019/41085

どういった形でのタイアップなのかはわかりませんが、おそらくアディダスとベースボールマガジン社(ラグリパの運営会社)との間で何かしらのコミュニケーションが取られていたのではないかと推測します。

以上が伊勢丹とのコラボ『INNOVATION OF BLACK』の中身です。危ない危ない、、、単なるオールブラックス商品の展開チャネルとしてのポップアップストアだと思ったら大間違いです。気づけてよかった。。

3-3-2:(おまけ)オールブラックスのアクティベーション

ここで一旦箸休めのとして。オールブラックスの公式Twitterを見れば、このRWC2019期間中、オールブラックスが様々なアクティベーション活動を展開していることがわかります。キャンプ地の学校を訪れたり、『キャプテン翼』の作者・高橋陽一先生を訪問したり、朝の情報番組『スッキリ』に出演したり、銀座のラーメン店を訪れたり、、とその種類は様々です。

こういった活動を積極的に行い、発信しているところがいいですね。On-pitchの鬼気迫るパフォーマンスだけでなく、Behind the Scenesの柔らかな素顔を見せることで、ファンのエンゲージメントを高めていく、、とても素晴らしい取り組みです。あくまで推測ですが、高橋陽一先生訪問あたりはアディダスがアレンジしたんじゃないかなと思っています。この訪問に関してアディダスのメディアからは発信がなされていないですが、ここまでアレンジしているとしたらさすがですね。

そして、何気なくシェアしていますが、日本語の公式アカウントがある代表チームはあまり多くないです。(というか、僕の見る限りオールブラックスとウェールズ代表以外やってない、、、はず。。。)しかもかなり日本語レベルも高いし、Emojiやハッシュタグの使い方もうまい。これもアディダスが専門家を派遣したのではないだろうか。。(流石に思い込みか?)もう全部アディダスがやったかのように思えてしまう。。やばいやばい。

というように、オールブラックスのアクティベーション活動もよくできていてすごいなーと思いました。

以上が9月のまとめです。重層的すぎてまとめるのが嫌になりましたが、なんとかやり切りました。次はいよいよ最後のパートです。

3-4:キャンペーン詳細④10月編

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いよいよ最後のパート、10月に入っていきます。10月に入ってからオールブラックスは予選プール2戦目〜4戦目を戦っています。(4戦目は台風19号の影響で中止となりましたが。)さらに、この記事を執筆中に準々決勝でアイルランドを撃破。準決勝進出を果たしています。

キャンペーンもそろそろ終盤ですが、最後までキチッとやり切るのがアディダス。Ecomの特集ページにあまり変化はありませんが、後述する4回目の販促キャンペーンと『ALL BLACKS写真展』の告知をしっかりしています。直営店は完全に秋の装いになり、アディダスジャパンTwitterは試合毎に応援/勝利投稿をし、その間にはクリエイターのムービーを投下。4回目の販促キャンペーンの内容は以下の通りです。

・いつ:10/11〜11/9
・どこで:Ecomのみ
・何を:オールブラックス商品
・いくら買ったら:15,000円(税込)以上
・何ができるか:抽選で20名様に選手の直筆サイン入りボールプレゼント

担当者目線でいくと、プレゼントアイテムへのサインのもらい方がうまいです。なぜなら、プレゼント1点につきサインするのが1人なので、ハードルが低いからです。しかも、全員からもらわなくてもバレない。これがプレゼント1点に選手全員のサインをもらおうとすると、誰のサインがないだの、誰かわからないサインがあるだの、すごく大変なことになります。しかも、ご丁寧に注意事項のところには「選手の選択は出来かねます」と書いてあります。こういう細かいところもミソです。完璧か。。

その他、具体的な日付はわからないですが、2回目の販促キャンペーン当選者限定招待のイベント(どこにも発信していない?)を実施していると思われ、カレンダーには載っていないですが、トドメとして10/22~11/3にかけてアディダス渋谷店の4Fで『ALL BLACKS写真展』という写真展を開催し、長年オールブラックスを追い続けている写真家の作品を展示しています。ということで、RWC2019期間の本当に最後の最後まで至れり尽くせりです。もう、すごいとしか言えないですね。

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(Ecomの特集ページ:4回目の販促キャンペーンと『ALL BLACKS写真展』の告知バナーが追加されていました。)

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(直営店:アディダス新宿店の売り場。入ってすぐに大きなディスプレイとマネキンのVMD。スカジャン推し。写真では見づらいですが、いまだに限定扇子のキャンペーンやっていました。そういえば、お店の外装にもオールブラックスとアディダスのコンポジロゴのフィルムが貼ってあったなー。)

(10月のアディダスジャパンのTwitter投稿:3投稿だけピックアップ。上から、①クリエイタームービーの露出②オールブラックス3戦目後の勝利投稿③#CreatorsUnite作品のPRです。)

以上が10月です。最後の最後まで抜け目のないキャンペーンだなーと強く感じます。。10月後半とはいえまだ大会は終わっていないので、これからもまだいろんなタッチポイントで施策がある可能性がありますが、流石にもうないよね?ね、アディダスさん??

4:最後に

いかがでしたでしょうか?ここまで『オールブラックス×アディダス』のキャンペーンを自分ができる範囲で全て追いながら、なるべく構造的にまとめてきました。ただ、『オールブラックス×アディダス』のキャンペーンの全てを網羅できているわけではないと思います。

例えば、何のためにこのキャンペーンをやっているかという目的の分析が抜けていたり、事前のマーケットリサーチが抜けていたり、アプリ/メルマガの施策やデジタル広告(=Google, Yahoo, 各ソーシャルメディア上の広告)の施策が抜けていたり、ソーシャルメディアでもInstagramが抜けていたりします。もしかしたら他にもたくさんあるかもしれません。もし「これもあったよ!」というのがあったら優しく教えてください。非常に助かります。

(マーケットリサーチ:Twitterサーベイで事前調査を行っていた?)

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(デジタル広告:Instagramのインフィード広告、そりゃやってないわけないよねー)

元々は自分の今後のためにまとめていたものですが、これが誰かのためになったらいいなと思いnoteで公開することにしました。おかげさまで自分の頭の整理にもなりましたし、全然更新していなかったnoteを更新するいい機会になりました。

僕も一人前のビジネスパーソンを目指して日々勉強/実践している身です。このnoteで何度「アディダスすげーな」と言ったか分かりませんが、これくらいことが実行できるように、これからも精進していきたいと思います。随分と長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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