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予想外のスタジオ所属までの道のり〜マルセル・デュシャン賞と焦る気持ち

今週のショートエッセイのお時間です。先週はリアルな「お金」の話をお届けしやした。

ようやく大学の所属アトリエが決まり、初回の授業がスタートしました!

正直、Claude Closkyのアトリエになるとは微塵も思ってなかった。これが想像を超えていくこと、自分が好きなやつです。

そもそも願書では、 Pascale Marthine Tayou というアーティストを第一希望に書いて提出しているのですが、アポイント期間にアトリエの連絡先リストを見たら彼の名前がないという…すぐに事務局にメールをしたら

「ああ、彼なら前期に大学を去ったよ」

ってそういうの早く教えてよぉぉぉぉぉぉぉ!!

というわけでまさかの第一希望の教授が辞めていたところからのアトリエ探しなのでした。

これも俺の好きな想像を超えるってやつ?なんでいっつもこうなんだ。

そこからインターネットで作品を調べて気になったアーティストには片っ端からアポイントを取り、

自己紹介と作品についてプレゼン
→パリでやりたいことの方向性をアトリエの内容と照らして確認
→メールで採択か否かの連絡が来る

というのを4〜5回繰り返しました。人気のスタジオはそもそもアポすら取れないところも。

ワイがメールを送ったアーティスト一覧です。

Olivier Blanckart
めっちゃ気前の良いおっちゃん。彫刻とパフォーマンス。日本好き。アトリエはもういっぱいになったけど色々制作相談には乗ってくれることになった。

Marie-José Burki 
映像インスタレーションなど幅広く手がける。他の学生さんも含めスタジオの雰囲気良かった。が応募殺到してるらしく落ちた。ポートフォリオ見て「Claude Closkyが合ってると思う」と言われアポを取った。

Angelica Mesiti
→大本命。願書提出の時第二希望で出していたアーティスト。作ってる映像作品的にめちゃくちゃ興味ある。2019年のヴェネチアビエンナーレ・オーストラリア館代表。ホットサンドの作品ウケていた。が、落ちた〜〜!制作相談はいつでも乗るとのこと。

Claude Closky
→最初は候補になかったのだけどBurkiにリコメンドされて面談。印象としてはたぶん厳しい...(言語の問題を指摘された)。スタジオでは週1で学生が1人キュレーターとなって、作品展示+ディスカッションするらしく内容としてはめちゃおもしろそう。ヴェネチアビエンナーレに3回出てる。

Valérie Jouve 
→今年からボザールの教授になったが人気殺到でアポ取れず…他のスタジオになってもフォローはするよとのこと。

Julien Creuzet
→願書で第三希望で出していたアーティスト。アトリエの教授も他の交換留学生も彼は良いアーティストだと口を揃えて言っていた。ということもあってかアポイント取れず。

Clément Cogitore
→映画系のアーティスト。作品を日本で観たことがあった。メールを送ってみたが、今年は新入生取らないとのこと。

補足しておくと、留学しているパリ国立高等美術学校(エコール・デ・ボザール)には基本的に「学部」という概念がなく、例えば「油画科」や「彫刻家」など使用するメディアで区切られておらず、所属するスタジオベースで学んでいきます。海外の美術学校はこういうところが割と多い印象。

学びたい技術に関しては「テクニカルクラス」で個別に取得していきます。今期は写真と映像、サウンドとフィールドレコーディングを選択しました。

これプラス週2のフランス語の授業、独学で英語の勉強って感じですかね。自分の作品についてプレゼンするのは少しずつ慣れてきたけれど、他人の作品解説全然理解できないし議論できない。。。

そんなこんなの怒涛の日々を過ごしていたらなぜか風邪をひいて昨日は1日寝込んでおりました。こいつを飲んで15時間寝たらだいぶマシになった。

フランスのめっちゃ効くらしい風邪薬(2.18€)

おそらく疲れていたんだと思います。何も予定がない週末で良かった。

そう言えば先週、ポンピドゥセンターではじまった今年のマルセル・デュシャン賞のノミネート者4名による展示を観てきました。2000年ごろよりはじまったフランスで活躍するアーティストを国際的に紹介する有名な賞です。

これがめっっっちゃくちゃ良かった。今のところパリ来て観た展示で一番良かった。なんだろう。「こういう人たちがこういう賞を獲るのか」という世界のレベルを痛感したし、視座が上がった感がある。やはりどのアーティストも自分の出自とアイデンティティに対してクリティカルに語っている。

この経験もあってか、なんだか焦っていた1週間だったようにも感じます。

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