山口塁 Rui Yamaguchi

美術家・プロの無職|2022~東京藝大院先端→パリ国立美術学校(Beaux-Arts …

山口塁 Rui Yamaguchi

美術家・プロの無職|2022~東京藝大院先端→パリ国立美術学校(Beaux-Arts de Paris)に留学中|noteでは主に「遅くて、退屈で、つまらない場所」という概念について考えてます。

メンバーシップに加入する

どうしたらもっと本質的にこの世界を味わえるのか。 圧力やダルいことに従わずも反発もせずすり抜けられるのか。 そういった技芸について考えたり、知識や経験を共有する「場」をはじめます。 イメージはコーヒー片手に焚き火囲って話す、くらいの距離感・温度感でしょうか。 ざっくりカテゴライズすれば「教育」になるのかもしれませんが、そんな偉そうで押し付けがましいものではありません。 学校や会社、サロンのような上下の構造をできるだけ回避し、メンバーも固定させず、思想や価値観を押し付けるものにせず 来るもの拒まず去るもの追わず、流動性ありつつも一定の人はいて、拒絶するわけでも、かと言って安易な共感も求めず、ただ横にいる人の存在を感じられる場所。 そうした場や空間の創成は可能なのか、みんなで考えながら実験しませんか。

  • 全部読めるよプラン

    ¥980 / 月

マガジン

  • 遅くて、退屈で、つまらない場所

    SNSには書かない(書けない)ことを中心にnoteを月に4本更新します。中身は藝大院の話、プロジェクトの過程、アイデアの種、苦しんでいる葛藤の様子などを書き散らかしてます。

  • 個人的に大きい気づき

    過去執筆した記事の中で個人的に今も"活きている"気づきについてピックアップしています。

最近の記事

  • 固定された記事

遅くて、退屈で、つまらない場所について考える

大変急ですが、noteで運営している月額マガジンのタイトルを「遅くて、退屈で、つまらない場所」に変更し、メンバーシップとも名前を統一しました。両者の違いはこんな感じです。 「遅くて、退屈で、つまらない場所」という考えが現れたのは、2022年にドクメンタ15とヴェネツィア・ビエンナーレを観にヨーロッパを旅した時でした。 3週間毎日、アートという遅くて退屈でつまらないメディアを観賞していたら、消費サイクルの早い現代においてアートやアートが生み出す空間が存在する意味について考え

    • ロンドン、熱い夜、大いなる刺激

      3泊4日で弾丸でロンドンに行ってきた。 半年ぶり2度目の渡英。前回も1泊2日とタイトだっためフランス滞在中、絶対にどこかのタイミングで行こうと決めていた。アートコーディネーターの三木茜さんと別件でやり取りしていた時に「6月末までロンドンにいるんですが来る予定ないですか?」と来たので、ユーロスター(新幹線みたいなやつ)をノリと勢いで予約。物価が恐ろしいことになっているので(1ポンド=200円)、フランスのワインとお弁当を持ち込み向かったのであーる。 テートモダンでオノヨーコ

      • 歩くことが生き方そのものと関わっているとしたら「ゆっくり歩くことができる」ということについて

        6月なのにまだ半袖1枚で出かけることを許されない、春と夏のあいだを彷徨い続けているパリの気候。しかし、歩くのにはちょうど良い気候。はじめ外に出た時は「うわ今日の服装ミスった」と大体思うが、10分、20分、30分と歩いてる内に身体が温まり、上着のカーディガンを腰に巻き付け、最も最適なコンディションで足取りが進む。 「パリは歩くのが楽しい街」 大体みんなが口を揃えて言う。どのエリアを切り取っても迷宮のような街並みが連続しており、歩くことを飽きさせない(道に落ちまくっている犬の

        • パリ留学終わるので「まとめ」に入ろうとしている

          昨日正午、意気揚々と家を出た。 目指すはパリ市内から北に40km離れたジャン=ジャック・ルソー公園。行きたい理由はなんとなく。ヨーロッパに来てから、すっかり「森」というものが面白くてたまらねぇ!となっている。こっちの公園は「公園」とは名ばかりでほぼ「森」だったりする。 森は「遭難」や「迷うこと」、「さまよい歩くこと」を象徴するイメージでもある。都心の喧騒や目的思考から離れ、当てもなく感覚に任せてふらふらと歩くのにうってつけの場所だ。ブリュッセルのカンブルの森を歩いた経験は

        • 固定された記事

        遅くて、退屈で、つまらない場所について考える

        マガジン

        • 遅くて、退屈で、つまらない場所
          ¥680 / 月
        • 個人的に大きい気づき
          6本

        メンバーシップ

        • 「遅くて、退屈で、つまらない場所」について考える上で読んでいる図書(2024.01.10編集)

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 近況_新作制作について

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 欲望の街で消費を繰り返した友人の告白と「おせっかい」

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 対策としての「遅くて、退屈で、つまらない場所」について

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 「遅くて、退屈で、つまらない場所」について考える上で読んでいる図書(2024.01.10編集)

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 近況_新作制作について

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 欲望の街で消費を繰り返した友人の告白と「おせっかい」

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります
        • 対策としての「遅くて、退屈で、つまらない場所」について

          この投稿を見るには メンバーになる必要があります

        記事

          「日本人」で「日本語ネイティブ」で「シスヘテロ」の「男性」

          旅から帰ってきて、徐々に回復に向かっていく過程がたまらなく好きだったりする。それは身体の疲労という意味もあるし、内省し言葉を紡ぐことによって経験を振り返るという意味でもある。 旅の間、友人宅やホステルのドミトリーに泊まっていたら100%熟睡できる訳がなく、それでいて普段より重い荷物を持って歩くので身体にダメージが蓄積されていく。だけど自分ドM気質あるので、そうやって朦朧としたトランス状態で旅をするのも、別の角度から新しいことを吸収できそうな気がして好きだったりする。流石に旅

          「日本人」で「日本語ネイティブ」で「シスヘテロ」の「男性」

          レバノンとイスラエルには行けなかった

          キプロスから急遽、ベルリンに行こうと決めた。

          レバノンとイスラエルには行けなかった

          流されずに流されていくことに成功した

          5月やべぇっす…!やべかったっす…!今日から3本連続でnoteを書いていく。 今月けっこうキツイなと感じることが多々あり、まあその辺は前にも書いた気がする。 5月中旬から一気に動き出した感がある。4月からロケハンと構想を進めていた作品の撮影を一気に進める。撮影期間は3日間。パリの友人達に協力してもらいなんとか撮りきり、編集作業に入る。本当は編集も3日で終わらせたかったのですが、そうなることはなく、そのままキプロス共和国への旅がスタートするという。 キプロスの首都ニコシア

          流されずに流されていくことに成功した

          アプライした公募ほぼ全滅...?何かが足りないのは当たり前で

          最近制作とは全く関係ないことでキツイなと思うことが3つくらい連続であって、それでも前を向かざるを得ないというのが「生活する」ということ。 そうしたこともあってか、この留学中あまりすることがなかった「日本の友達に電話する」ということをしています。

          アプライした公募ほぼ全滅...?何かが足りないのは当たり前で

          大丈夫、生きているんだから、ということ

          新しい調味料、新しいシャンプー、買っても使い切れるか微妙な頃合いになってきたパリ生活残り2ヶ月。 目的もなく街を歩く。ふと、目に止まった空間やギャラリーに入る。こういう直感は割と正しいことが多い。そして最近、あれこの人知ってる、以前も見たことある作家だ、ということが増えて来ました。こういうことが直近で3回あった。読んでる本に出て来たアーティストは、2年前に行ったヴェネツィアビエンナーレでフィンランド館代表だった人。パリで観たキューバのアーティストは去年の京都で、ブリュッセル

          大丈夫、生きているんだから、ということ

          2024年4月24日(留学232日目)

          この記事はメンバーシップに加入すると読めます

          2024年4月24日(留学232日目)

          メンバーシップ限定

          言葉は身体_(自身を支え続けているもの)

          この記事はメンバーシップに加入すると読めます

          言葉は身体_(自身を支え続けているもの)

          メンバーシップ限定

          パリのContemporary Artシーンについて感じていること_余裕とかクオリティとか

          4月に入ってもう2週間だと…!?早すぎる。 サマータイムに入ったパリが覚醒しています。 天候が素晴らしく、セーヌ川でチルする人でごった返し。そんな自分も、今週はひたすら友人達と気付けば12時間も外でおしゃべりしたり、公園でピクニックしてました。これがヨーロッパの夏なのかと。4月でこんな感じだったら、本格的はバカンスシーズンどうなっちまうんだと。本当に冬が残酷過ぎたため、陽が出ようもんなら作業を放棄して外でボケーっとします。室内手働いてる場合じゃありません。 ようやくパリ

          パリのContemporary Artシーンについて感じていること_余裕とかクオリティとか

          パリ残り3ヶ月...もう一度やっていく

          4月1日。日本の新学期。 こちらは昨日からサマータイム(あまりよく理解してない概念)に入り、日がいきなり伸びました。 4月から気持ちを入れ替えて新生活をはじめてやろうという気概になるのは俺だけじゃないはず。あれ、もしかして、甥は明日から小学1年生かも…?!姪に至っては小学5年生だ。信じられない…。 ともかく!白状しましょう。3月は怠惰だった気がします。怠惰故に、とても早く過ぎ去っていったように感じる。いやおそらく、実際はそんなことはないんですが。 カレンダーと日記を振り

          パリ残り3ヶ月...もう一度やっていく

          パリで面白いと思える作品に出会えてない理由

          マレのギャラリーなどを巡り、一休みしてこれを書いてます。 パリに来て半年、面白いと感じる展示がほぼないことに気づきました。一番興奮したのは昨年のマルセル・デュシャン賞のノミネート展くらいだった気がする。

          パリで面白いと思える作品に出会えてない理由

          制作が難航しているときの突破口「よく寝る・読む・喋る」

          こんにちは。絶賛、遭難中の僕です。 何に遭難しているかと言うと、まごうことなき「制作」です。 先月から新しく入ったアトリエの展示が3月18・19日に開催されるんですが、制作が難航しております。(パリにいる方ぜひお越しを!) ひとりで考えていてもらちがあかない。そんな時はどうしたらいいものか。

          制作が難航しているときの突破口「よく寝る・読む・喋る」

          期待せず諦め、歩くことで自分とふたりきりになるということ

          気づけば3月も6日…秒速で過ぎていきますね。最近読んだ本から考えていたことについて。 作家業をしていた作者が結婚し子供をもうけたことで書くことから離れてしまった。そんな作者が家族と別れ、旅をし、また「書く」ということを取り戻していく実体験に基づく文学作品。 「歩くこと、または飼いならされずに詩的な人生を生きる術」というタイトルは、このnoteをお読みの皆さんなら分かるかもしれませんが僕の性癖にドンズバです。歩くためにパリに来ているみたいなもんですからね。 旅をしながら「

          期待せず諦め、歩くことで自分とふたりきりになるということ