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正義とは悪だ

「正義の反対は、悪じゃない。また別の、もうひとつの正義だ」

 ネット上にある、名言として有名なものです。

 野原ひろしの名言とされていますが、実際には原作でもアニメでも映画でも、このような名言を言ったことはありません。

 また、ドラえもんにも、次のような名言があります。

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©藤子プロ

「どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。」

 このように「正義とは何か?」という問いに対するひとつの答えとしましては「自分が正しいと思っていることが正義」と考えられます。

 これってけっこう、怖いことですね。


 正義が「自分が正しいと思っていること」なので、こういうことになります。

「自分がやっていることは、間違っていない。正しいことなんだ」

 この考えによって起きることに、ネットリンチがあります。


 最近でも、あるゲーム配信者の発言が炎上しました。それ以前にも、何気ない一言でその後の人生が地獄になってしまった人は、大勢います。バイトテロもありました。

 そうした行為や発言そのものは、批判されて然るべきですし、制裁を受けるのもやむを得ないことでしょう。

 しかし、それを当事者ではない、我々第三者が叩く権利を持っているのでしょうか?

 もしかして、心のどこかでこう考えてはいませんか?

「相手は悪いことをしたんだから、責められるのは当然のことだ。悪い奴を悪いと言うことが、間違っているわけがない。こちらは正しいことをしているんだ。正しいことをして、何が悪い!?」

 あなたがやっていることは、本当に正しいことですか?

 それを証明できますか?

 本当に自信を持って「正しいことをしている」と言えますか?


 僕の大好きな言葉に、次の言葉があります。

「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけだ」

 アメリカの作家、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説「長いお別れ(原題:Long good bye)」にて、主人公のフィリップ・マーロウが言った言葉です。コードギアス反逆のルルーシュで、主人公のルルーシュの名言としても知られていますが、元ネタはこちらです。

 自分が言われることも、想定していますか?

 自分はずっと言う立場だと、思っていませんか?

 言葉は、諸刃の剣です。その刃は、相手にも自分にも向けられています。


 あなたがやっていることは、正義ではない。

 正義だと思っていたら、悪になっていた。

 そういうことだって、いつ起こるか分からないのです。


 お前の正義は、正義ではない。

正義の皮を被った、悪だ!



 自分が撃たれる(責められる)覚悟を持っているのか否か。

 もう一度、考えてください。

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