(2023/11/20/月)『古代メキシコ展』に行く事になった経緯と、『赤の女王』の副葬品
『古代メキシコ展』に行く事になった経緯
私がこの九州国立博物館で、『古代メキシコ展』が行われていると知ったのは、御陵参考地を年に一度、宮内庁が開放する日(2023/11/05/日)に、近くの考古学博物館に立ち寄った時、ポスターが張っていたのを見て偶然知ったからです。
面白そうだな~、一回行ってみたいな~と思っていたら、たまたま近く(?)に行く機会が有ったので、今回『古代メキシコ展』に行く事ができました。
本当に偶然知って、たまたま行く機会が有って、実際に行ってみたら、貴重な『赤の女王』の遺物を観覧できたり、メキシコのアーティストの生演奏を九州国立博物館内の劇場(ホール?)で無料で聞けたり、『赤の女王』の命日に、職員の方と警備の方以外誰もいない状態で、20~30分近く彼女の遺物とじっくりと対峙出来たりと、偶然が重なって、色々と面白い体験ができて良かったです。
偶然が重なってこの様な体験が出来たので、何らかの縁が有ったのかも知れません…。
今回はその時にスマホで撮影した時の写真を、備忘録も兼ねてここに残して置きたいと思います…。
九州国立博物館で行われている、『古代メキシコ展』で展示されていた『赤の女王』の展示と副葬品を、備忘録も兼ねてここに残したいと思います…。
私は今回、九州国立博物館で行われてた『古代メキシコ展』に、2023/11/14/火~2023/11/16/木の3日連続で行ってきました。
こちらで紹介する写真はその時、スマホで撮影した写真です。
この写真を撮影した日(2023/11/16)は、博物館が開館した直後に特別展の会場に行き、他の観覧者の方々が手前の展示遺物を観覧されている間に、会場奥に有る『赤の女王』の特別展示スペースに、まっすぐに行きました。
この『赤の女王』の遺品は、これまでアメリカ大陸(メキシコ国内とアメリカ)以外に持ち出され、展示されるのは世界初との事で、多くの人が並ぶ人気の展示エリアです。
なので、前日、前々日と、ゆっくり観覧する事が出来なかったので、朝一番にこの展示スペースに行きました。
展示スペースには、まだ誰も観覧される方がいらっしゃらなかったので、それまでゆっくり見れなかった部分をじっくり見たり、調べたりしていました。
特に、女王の左手付近に置かれた『石製の針』を、前日調べ忘れていたので、それをじっくりと観察し、調べる事も、この日の目的の1つでした。
赤の女王の針は低い位置に展示されていたので、展示ケースの前で、ひざまづいて調べていたら、側面から博物館の女性職員の方に声を掛けられました。
(展示ケースの前でひざまずく姿が不審者その物だったのかも…?)
その時に、その職員の方に『今日(11月16日)は、赤の女王の命日ですよ。』と言われて、私は『その命日に、朝一番で、ここでゆっくり『赤の女王』の遺物を対峙出来るのは何かの縁ですかね〜。』と答えました…。
(ずっと展示されている遺物その物を見たり、調べたりしていたので、解説を余り読んでおらず、11月16日が命日だとは知りませんでした…)
『赤の女王』の特設展示スペースの様子
展示スペースの入り口には『Rina Roja(レイナ・ロハ)』、『赤の女王』と大きく描かれていていました。
外の展示スペースの壁紙は『赤』を基調にしたデザインなのに対し、特別展示室の中は、黒を基調としたデザインになっているからか、何か、特別な空間に入った様に感じました…。
(以下、会場の様子の写真を、備忘録も兼ねてここに紹介します…)
会場内は全体的に暗く、設置された液晶モニターに復元の様子の動画が流れ、荘厳なコーラスの音楽が流れていて、良い雰囲気でした…。
博物館職員の方以外、誰もいなかったので、パノラマ写真を撮影してみました。
特別展示室の端から遺物を見た様子。
黒を基調とした配色、赤色の間接照明、解説パネルのみを照らす間接照明、バックで流れるコーラス付のBGM…。
他の展示スペースと違い、この空間は荘厳で厳粛な雰囲気でした…。
少し離れた所から『赤の女王』の副葬品を撮影した写真。
突き当りの壁に何やら白い絵が見えます…。
近寄って撮影した写真。
この絵は、赤の女王本人でしょうか?
博物館職員の方にこの絵が誰を表しているのか、聞くのを忘れました…。
展示ケースに少し近づいて、立った状態で撮影した写真。
実際に行ってみると判るのですが、目にはめられた石がキラキラしていて、目が潤んでいる様に見えます…。
立った状態で、斜めから撮影した写真です。
バックの切れ込みが入った壁の間接照明と、女王の遺物を照らす間接照明が美しいです…。
女王の左側の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…。
女王の頭上の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…。
正面の離れた位置に見えるのは、修復作業等の映像が流れているモニターです。
女王の右側の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…
女王の足元の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…。
後ろに設置されたモニターの光が反射しています…。
女王の足元から展示ケース内を立った状態で撮影した写真です…。
展示ケースの横を移動する度に、仮面の目にはめられた石が輝き、本当に目が潤んでいる様にみえました…。
こちらはモニター横に設置された、解説パネルです…。
二つ並べて展示されていました。
こちらは、後で借りた音声ガイドで解説が有り、遺物や背景について詳しく知る事が出来ました。
赤の女王の発掘調査に関する解説パネルです…。
赤の女王のプロフィール。
赤の女王自身の個人情報が碑文に残されていて、いろいろな事が解っている様です。
赤の女王の遺骨の出土状況です…。
上記の混沌とした状況から、一つ一つ遺物を取り上げ、整理・分析され、現在の状況に復元された方々、雰囲気の有る展示スペースを作られたデザイナーの方々には、深く感謝致します…。
こちらは、展示ケースの右側の壁に設置された解説パネル。
中国語とハングルで各遺物の名称が書かれていました……。
こちらは、展示ケース左側の壁に設置された解説パネル。
日本語と英語で各遺物の名称と解説が書かれています…。
それぞれの遺物の様子
まず初めに、日本語の解説パネルの左下に…
と、記載されていました……。
つまり、『展示ケースの中の遺物No.99~110は、全て『赤の女王』のお墓から出土した物で、違う遺物は入れてませんよ。』…と言う事のようです。
99~101 赤の女王のマスク 赤の女王の頭飾り 赤の女王の冠
展示番号99~101の遺物はまとまって展示されていたので、まとめてご紹介したいと思います…。
先ずは、解説パネルから紹介したいと思います。
こちらが赤の女王のマスクを正面から撮影した写真です。
マスクに使われた石は硬度が低い(柔らかい)孔雀石(マラカイト)製で、
目の部分が、堅い白ヒスイと黒曜石で作られている様です。
現地で実際に見ると、白目に使用された白ヒスイが光を良く反射し、
目が潤んでいる様に見えます…。
照明の角度の影響か、特に左目(正面から見て右の目)が良く光を良く反射していている様に見えました。
上記の写真より、少し離れて撮影した写真です…。
この角度から見ると、赤の女王のマスク 赤の女王の頭飾り 赤の女王の冠が一度に見れます。
画面左下に移っている影は、スマホを持った私の影です…。
『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』
色々な角度から女王の髪飾りを観覧させて頂きましたが、女王の頭飾りの『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』が、漫画やアニメの表現の様で、何か気になります…。
今の感覚だと、ぐるぐる目の渦巻きは両方同じ方向に巻いたほうが、可愛くなりそうな気がしますが……。
私はこの『ぐるぐる目』が、左右逆になっている理由は右巻きと左巻きを合わせる事でバランスを取ろうと考えたのかもしれないと思っています。
何故そう思ったのかと言うと、古代メキシコの人々は、異様に左右対称(シンメトリー)に作る事にこだわり、生贄を埋葬する際にも、左右対称に埋葬した………と言う趣旨の話を、音声ガイド88番で、本展監修 杉山三郎様が仰られていたからです。
でも、何で『ぐるぐる目』なのか?と言うのが凄く気になりました…。
この『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』の表現を見ていると、以前見たYoutube番組で『ぐるぐる目』の書かれた遺物について解説されていた事を思い出したので、再度、視聴して見る事にしました…。
この記事を書きながら、改めて『墨書人面土器』の『ぐるぐる目』を再度見たのですが、『墨書人面土器』の『ぐるぐる目』はぐるぐるが細かく、『雨神チャフク』の大きめの『ぐるぐる目』とはかなり違いました…。
『ぐるぐる目』の表現自体は違いましたが、この『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』の表現できるセンスを持った作家(職人)が、今から約1400前のメキシコに居た事自体が面白いな~…と感じました。
赤の女王の頭飾りの上についた、解説の無い人の顔の様な彫刻。
『雨神チャフク』の冠の脳天に、なにやら明るいい緑色のヒスイが飾られていました……。
頭の髪に付けられた『赤の女王の頭飾り』に近づいて撮影した写真です。
頭に何か、加工された石の彫刻有ります…。
近づいてみると、人の顔?の様なヒスイの加工品が付いているのが解ります…。
こちらの人の顔の彫像については、会場に有る解説パネルにも、会場で購入した図録にも、何処にも解説が有りませんでした…。
でも、何となく、『赤の女王の仮面』と面影が似ている様な気がします。
今後、特別展のお問合せフォーム等でお問合せして調べてみたいと思います…。
102 赤の女王の首飾り
こちらの首飾りは実際に見るとかなり美しい色の石が使われています。
現在、よく売られている普通の丸玉だけを使用したネックレスでは無く、管玉・平玉・丸玉・小石状のビーズ等、それぞれに手作りならではの味が有り、デザインや組み合わせが面白く、非常に良い感じの遺物(作品)でした。
手作りだからか、ビーズの形が少し歪んでいます。
それがまた、味が有って良いと思います。
よく見ると、ビーズ一つ一つに番号が振って有ります。
103 赤の女王の胸飾り
下記は、中央(少し右寄り?)から撮影した写真。
この写真の角度から写真を撮ると、仮面と目が合います…。
解説文で『猿の顔』と書かれていたヒスイ製の彫像の拡大写真です。
小さな彫刻ですが、細かく深い彫りと、ピカピカに磨かれた彫刻で、手間を掛けて作られている事が解ります…。
104 赤の女王のベルト飾り
実際に現物を見た時に、赤の女王の展示スペースの中でこちらの遺物だけ、少し風変りな感じがしました…。
分厚い様な感じがしますが、現地で実際に見ると結構薄く、軽そうな感じがします……。
先々週、私は国内で出土した石製の斧を見て来たのですが、かなり似た形をしていました…。
石を斧として使おうと思うと、用の美…と言うか、生物の収斂進化(しゅうれんしんか)の様に、同じ様なデザインに落ち着いてしまうのでしょうか…。
105 赤の女王の腕飾り
横から見るとリストバンドの様な布の上に、連になったビーズが、上半分だけ縫い付けられていました…。
106 赤の女王の足首飾り
結構シンプルな足首飾りです…。
上半身の装飾はかなり多いのですが、何故か下半身の装飾は少ないです…。
107 小マスク
こちらのマスクの頭には、トサカのような装飾が施されて、マスクの口元の石の色が違うのが面白い遺物でした。
このトサカのようなデザインには、一体どんな意味が有ったのでしょうか…。
非常に興味深いです…。
108 貝 109 小像
図録の情報によると、こちらの貝の種類は『ウミギクガイ』の一種『スポンディルス貝』だそうです。
水界という原初の世界??
上記の解説で『貝殻は水界という原初の世界を想起させる。』と言う文章が有りますが、何処かで聞いた事が有る様な話だな~と思って、何か引っかかっていました…。
何はともあれ、まずは、この解説パネルの『水界』について知らなければいけないと思い、いろいろと調べていたら、東海大学教授の横山玲子様の『マヤにおける水界と他界』と言う文章を見付けました。
その中から、気になる部分を一部引用致します…。
……やっぱり、何かこの『水界』は、エジプト神話の原初の海『ヌン』と、凄く似ている気がします。
原初の海『ヌン』の解説は、エジプト考古学者の河江肖剰様が、Youtubeで解説されていますので、ご紹介します。
マヤの『水界(原初の水)』と、古代エジプトの『ヌン(原初の海)』が、凄く似ているので、遠く離れた地域で似た様な(厳密には違いますが…)神話が発生しているのは、非常に面白いと思います…。
110 針
こちらの遺物は、赤の女王の命日に遺物を見る原因になった、私にとって非常に感慨深い遺物です。
この遺物を前日(2023/11/15/水)に、調べ忘れなければ、翌日の『赤の女王の命日』に、朝一番で赤の女王の遺物と、じっくりと対峙する贅沢な時間を得る事は無かったかもしれません…。
元々は私の見落とし(ミス)で3日間博物館に通う事になりましたが、三日目の女王の命日に、再び博物館に来る原因となったという意味では、赤の女王の命日に、私を呼んだ遺物と言えます…。
71 織物をする女性の土偶(針の解説文に関連する遺物)
解説文の『ハイナ土偶』と思われる、『織物をする女性の土偶』。
当時の女性は身分に関係無く、機織り・紡績を行っていた様ですが、赤の女王も、この土器の様に、機織りや紡績を行っていたのでしょうか…。
72 73 紡錘車(織物をする女性の土偶の解説文に関連する遺物)
『71 織物をする女性の土偶』の解説文に記載の有る紡錘車(No.72.73)です。
実物は小さいですが、よく見ると、表面に綺麗な模様が彫られています。
74 紡錘(織物をする女性の土偶の解説文に関連する遺物)
『71 織物をする女性の土偶』の解説文に記載の有る紡錘(No.74)です。
自分自身、紡錘車の使い方について理解していなかったので、備忘録も兼ねて、下記にYoutubeへのリンクを貼りたいと思います…。
終わりに
今回は、観覧しながら思った事や、思い出した事、感じた事等を書き入れたので、かなり長い文章になりました。
まだまだ書きたい事は有るのですが、調べれば調べる程どんどん色々な事がでてきて、関係の無い事も交じってきそうなので、ここで終わろうと思います。
ここまで文章を読んで頂き、有り難うございました。
2023/11/18 ???~ 2023/11/20/2249
最近はただの日記になっていますが、自分自身と作りたい作品について更に突き詰めて行きたいので、この作業を暫く続けて行きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。 作品製作をしているので、サポートいただけたら創作活動に関する費用にしたいと思います。