見出し画像

(2023/11/20/月)『古代メキシコ展』に行く事になった経緯と、『赤の女王』の副葬品


『古代メキシコ展』に行く事になった経緯

 私がこの九州国立博物館で、『古代メキシコ展』が行われていると知ったのは、御陵参考地を年に一度、宮内庁が開放する日(2023/11/05/日)に、近くの考古学博物館に立ち寄った時、ポスターが張っていたのを見て偶然知ったからです。

 面白そうだな~、一回行ってみたいな~と思っていたら、たまたま近く(?)に行く機会が有ったので、今回『古代メキシコ展』に行く事ができました。

 本当に偶然知って、たまたま行く機会が有って、実際に行ってみたら、貴重な『赤の女王』の遺物を観覧できたり、メキシコのアーティストの生演奏を九州国立博物館内の劇場(ホール?)で無料で聞けたり、『赤の女王』の命日に、職員の方と警備の方以外誰もいない状態で、20~30分近く彼女の遺物とじっくりと対峙出来たりと、偶然が重なって、色々と面白い体験ができて良かったです。

 偶然が重なってこの様な体験が出来たので、何らかの縁が有ったのかも知れません…。

 今回はその時にスマホで撮影した時の写真を、備忘録も兼ねてここに残して置きたいと思います…。




九州国立博物館で行われている、『古代メキシコ展』で展示されていた『赤の女王』の展示と副葬品を、備忘録も兼ねてここに残したいと思います…。

 私は今回、九州国立博物館で行われてた『古代メキシコ展』に、2023/11/14/火~2023/11/16/木の3日連続で行ってきました。

 こちらで紹介する写真はその時、スマホで撮影した写真です。

 この写真を撮影した日(2023/11/16)は、博物館が開館した直後に特別展の会場に行き、他の観覧者の方々が手前の展示遺物を観覧されている間に、会場奥に有る『赤の女王』の特別展示スペースに、まっすぐに行きました。

 この『赤の女王』の遺品は、これまでアメリカ大陸(メキシコ国内とアメリカ)以外に持ち出され、展示されるのは世界初との事で、多くの人が並ぶ人気の展示エリアです。

 なので、前日、前々日と、ゆっくり観覧する事が出来なかったので、朝一番にこの展示スペースに行きました。

 展示スペースには、まだ誰も観覧される方がいらっしゃらなかったので、それまでゆっくり見れなかった部分をじっくり見たり、調べたりしていました。

 特に、女王の左手付近に置かれた『石製の針』を、前日調べ忘れていたので、それをじっくりと観察し、調べる事も、この日の目的の1つでした。

 赤の女王の針は低い位置に展示されていたので、展示ケースの前で、ひざまづいて調べていたら、側面から博物館の女性職員の方に声を掛けられました。
(展示ケースの前でひざまずく姿が不審者その物だったのかも…?)

 その時に、その職員の方に『今日(11月16日)は、赤の女王の命日ですよ。』と言われて、私は『その命日に、朝一番で、ここでゆっくり『赤の女王』の遺物を対峙出来るのは何かの縁ですかね〜。』と答えました…。
(ずっと展示されている遺物その物を見たり、調べたりしていたので、解説を余り読んでおらず、11月16日が命日だとは知りませんでした…)




『赤の女王』の特設展示スペースの様子

 展示スペースの入り口には『Rina Roja(レイナ・ロハ)』、『赤の女王』と大きく描かれていていました。

 外の展示スペースの壁紙は『赤』を基調にしたデザインなのに対し、特別展示室の中は、黒を基調としたデザインになっているからか、何か、特別な空間に入った様に感じました…。

(以下、会場の様子の写真を、備忘録も兼ねてここに紹介します…)

会場入り口の写真です…。

 会場内は全体的に暗く、設置された液晶モニターに復元の様子の動画が流れ、荘厳なコーラスの音楽が流れていて、良い雰囲気でした…。

『赤の女王』展示スペースのパノラマ写真

 博物館職員の方以外、誰もいなかったので、パノラマ写真を撮影してみました。

特別展示室の端から遺物を見た様子。

 黒を基調とした配色、赤色の間接照明、解説パネルのみを照らす間接照明、バックで流れるコーラス付のBGM…。

 他の展示スペースと違い、この空間は荘厳で厳粛な雰囲気でした…。

 少し離れた所から『赤の女王』の副葬品を撮影した写真。

 突き当りの壁に何やら白い絵が見えます…。

マヤの画風で書かれた肖像画です…

近寄って撮影した写真。

この絵は、赤の女王本人でしょうか?
博物館職員の方にこの絵が誰を表しているのか、聞くのを忘れました…。

 展示ケースに少し近づいて、立った状態で撮影した写真。

 実際に行ってみると判るのですが、目にはめられた石がキラキラしていて、目が潤んでいる様に見えます…。

 立った状態で、斜めから撮影した写真です。

 バックの切れ込みが入った壁の間接照明と、女王の遺物を照らす間接照明が美しいです…。

 女王の左側の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…。

 女王の頭上の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…。

 正面の離れた位置に見えるのは、修復作業等の映像が流れているモニターです。

 女王の右側の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…

 女王の足元の、展示ケースから少し離れた位置で撮影した写真です…。 

 後ろに設置されたモニターの光が反射しています…。

 女王の足元から展示ケース内を立った状態で撮影した写真です…。

展示ケースの横を移動する度に、仮面の目にはめられた石が輝き、本当に目が潤んでいる様にみえました…。

こちらはモニター横に設置された、解説パネルです…。

二つ並べて展示されていました。

こちらは、後で借りた音声ガイドで解説が有り、遺物や背景について詳しく知る事が出来ました。

赤の女王の発掘調査に関する解説パネルです…。

 赤の女王のプロフィール。

 赤の女王自身の個人情報が碑文に残されていて、いろいろな事が解っている様です。

 赤の女王の遺骨の出土状況です…。

 上記の混沌とした状況から、一つ一つ遺物を取り上げ、整理・分析され、現在の状況に復元された方々、雰囲気の有る展示スペースを作られたデザイナーの方々には、深く感謝致します…。

 こちらは、展示ケースの右側の壁に設置された解説パネル。

 中国語とハングルで各遺物の名称が書かれていました……。

 こちらは、展示ケース左側の壁に設置された解説パネル。

 日本語と英語で各遺物の名称と解説が書かれています…。




それぞれの遺物の様子

 まず初めに、日本語の解説パネルの左下に…

解説パネル左下に書かれた文章です。

以下の作品はNo.99~110全て共通
マヤ文明 7世紀後半
パレンケ、13号神殿出土
アルベルト・ルス・スイリエ.パレンケ遺跡博物館

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 と、記載されていました……。

 つまり、『展示ケースの中の遺物No.99~110は、全て『赤の女王』のお墓から出土した物で、違う遺物は入れてませんよ。』…と言う事のようです。




99~101 赤の女王のマスク 赤の女王の頭飾り 赤の女王の冠

 展示番号99~101の遺物はまとまって展示されていたので、まとめてご紹介したいと思います…。

 先ずは、解説パネルから紹介したいと思います。

赤の女王のマスクに関する解説文です。
(撮影方法が悪く、文字がぼやけてしまいました…)

99 赤の女王のマスク
孔雀石、ヒスイ輝石岩、黒曜石
孔雀石の小片を組み合わせて作られたマスク。
瞳には黒曜石、白目には白ヒスイ輝石岩を嵌(は)めている。
硬質なヒスイではなく、柔らかい孔雀石を用いた、豊かな表情が特徴である。
(文字が潰れて読めない部分は、別途購入した図録を参考に文章を入力しました)

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。
赤の女王の頭飾りに関する解説文です。
(撮影方法が悪く、文字がぼやけてしまいました…)

100 赤の女王の頭飾り
ヒスイ輝石岩、貝、石灰岩
マヤ神話の雨神チャフクを表現する。
頭の上に結わえた髪の正面をかざった。
かぎ鼻など神の特徴的な要素を示す。
細かく彫刻された石や貝片を組み合わせて造られている。
(文字が潰れて読めない部分は、別途購入した図録を参考に文章を入力しました)

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。
赤の女王の冠に関する解説文です。

100 赤の女王の冠
ヒスイ輝石岩
ヒスイ輝石岩の平玉からなり、頭蓋骨の周囲に配置されていたことから二重の髪飾りであったと考えられている。
冠と首飾りは特別な儀式に使う物で、彼女が生前に身に付けていた可能性がある。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。
赤の女王のマスクを正面写真です

 こちらが赤の女王のマスクを正面から撮影した写真です。

 マスクに使われた石は硬度が低い(柔らかい)孔雀石(マラカイト)製で、
目の部分が、堅い白ヒスイと黒曜石で作られている様です。

 現地で実際に見ると、白目に使用された白ヒスイが光を良く反射し、
目が潤んでいる様に見えます…。

 照明の角度の影響か、特に左目(正面から見て右の目)が良く光を良く反射していている様に見えました。

正面から撮影した写真です。

 上記の写真より、少し離れて撮影した写真です…。

 この角度から見ると、赤の女王のマスク 赤の女王の頭飾り 赤の女王の冠が一度に見れます。

 画面左下に移っている影は、スマホを持った私の影です…。

右側面、少し腰を落としてから撮影した写真です。
左から、赤の女王のマスク、赤の女王の頭飾り、赤の女王の冠、の順に並んでいます。
右斜め上、立った目線から撮影した写真です。
左から、赤の女王のマスク、赤の女王の頭飾り、赤の女王の冠、の順に並んでいます。
左側面から撮影した写真です。
左から、赤の女王の冠、赤の女王の頭飾り、赤の女王のマスク、の順に並んでいます。
頭部から撮影した写真です。




『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』

 色々な角度から女王の髪飾りを観覧させて頂きましたが、女王の頭飾りの『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』が、漫画やアニメの表現の様で、何か気になります…。

 今の感覚だと、ぐるぐる目の渦巻きは両方同じ方向に巻いたほうが、可愛くなりそうな気がしますが……。

 私はこの『ぐるぐる目』が、左右逆になっている理由は右巻きと左巻きを合わせる事でバランスを取ろうと考えたのかもしれないと思っています。

 何故そう思ったのかと言うと、古代メキシコの人々は、異様に左右対称(シンメトリー)に作る事にこだわり、生贄を埋葬する際にも、左右対称に埋葬した………と言う趣旨の話を、音声ガイド88番で、本展監修 杉山三郎様が仰られていたからです。

音声ガイドリスト表
『88番』に本展監修の杉山三郎様のインタビューを聞く事が出来ます。
実際に会場に行かれた方は、音声ガイド試してみてください。
展示解説には載っていない情報も聞けて面白いです。

 でも、何で『ぐるぐる目』なのか?と言うのが凄く気になりました…。

 この『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』の表現を見ていると、以前見たYoutube番組で『ぐるぐる目』の書かれた遺物について解説されていた事を思い出したので、再度、視聴して見る事にしました…。

参考資料

Youtubeチャンネル『【公式】茶屋町怪談』様より、

呪物を自作することで分ること!考古資料とマンガで見る呪術 魔界都市京都展を振り返る!?「松原タニシの恐味津々」第百三回【ゲスト:京都市考古資料館 山本雅和、京都国際マンガミュージアム 應矢泰紀】

顔にブツブツの表現が有る墨書人面時について~18分07秒から

動画の『ぐるぐる目』に関する部分をまとめると……

 平安時代(約1200年前)に京都で大流行した病気を納める為に『墨書人面土器』という、壺に人の顔を描いた物を祈祷に使用した様で、その中には、目玉以外の部分に点がいっぱい書かれた人の顔の目が、『ぐるぐる目』で表現されていたようです。
 『ぐるぐる目』の表現は『厄神』や『病気(疱瘡?)で熱が出て目が回っている様子』を表しているのかもしれないと、京都市考古学資料館の山本雅和様が動画で発言されています。

Youtubeチャンネル『【公式】茶屋町怪談』様より


 この記事を書きながら、改めて『墨書人面土器』の『ぐるぐる目』を再度見たのですが、『墨書人面土器』の『ぐるぐる目』はぐるぐるが細かく、『雨神チャフク』の大きめの『ぐるぐる目』とはかなり違いました…。

 『ぐるぐる目』の表現自体は違いましたが、この『雨神チャフク』の『ぐるぐる目』の表現できるセンスを持った作家(職人)が、今から約1400前のメキシコに居た事自体が面白いな~…と感じました。




赤の女王の頭飾りの上についた、解説の無い人の顔の様な彫刻。

 『雨神チャフク』の冠の脳天に、なにやら明るいい緑色のヒスイが飾られていました……。

 頭の髪に付けられた『赤の女王の頭飾り』に近づいて撮影した写真です。

 頭に何か、加工された石の彫刻有ります…。

 近づいてみると、人の顔?の様なヒスイの加工品が付いているのが解ります…。

 こちらの人の顔の彫像については、会場に有る解説パネルにも、会場で購入した図録にも、何処にも解説が有りませんでした…。

 でも、何となく、『赤の女王の仮面』と面影が似ている様な気がします。

 今後、特別展のお問合せフォーム等でお問合せして調べてみたいと思います…。




102 赤の女王の首飾り

赤の女王の首飾りに関する解説文です。

102 赤の女王の首飾り
玉髄(ぎょくずい)
管状と球状の玉髄のビーズを組み合わせた首飾り。
死後も役立つようにと、彼女の遺品の一部として墓に収められたのだろう。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 こちらの首飾りは実際に見るとかなり美しい色の石が使われています。

 現在、よく売られている普通の丸玉だけを使用したネックレスでは無く、管玉・平玉・丸玉・小石状のビーズ等、それぞれに手作りならではの味が有り、デザインや組み合わせが面白く、非常に良い感じの遺物(作品)でした。

正面から撮影した写真です。
右側面から撮影した写真です。

 手作りだからか、ビーズの形が少し歪んでいます。 

 それがまた、味が有って良いと思います。

左側面から撮影した写真。

よく見ると、ビーズ一つ一つに番号が振って有ります。




103 赤の女王の胸飾り

赤の女王の胸飾りに関する解説文です。

103 赤の女王の胸飾り
ヒスイ輝石岩
胸と肩を覆う織物のケープ「クプ」は、マヤ王族の女性が多く身に付けた。
本作には170以上ものヒスイ輝石岩が装飾され、中央下部には小さな猿の頭部を付けた花形の石が添えられている。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 下記は、中央(少し右寄り?)から撮影した写真。

 この写真の角度から写真を撮ると、仮面と目が合います…。

胸飾りを中央(ちょっと右寄り?)から撮影した写真です。
胸飾りを右側面から撮影した写真です。
胸飾りを左側面から撮影した写真です。

 解説文で『猿の顔』と書かれていたヒスイ製の彫像の拡大写真です。

 小さな彫刻ですが、細かく深い彫りと、ピカピカに磨かれた彫刻で、手間を掛けて作られている事が解ります…。

胸飾りの中央に有る、『猿の顔』を正面から撮影した写真です。
胸飾りの中央に有る、『猿の顔』を右側面から撮影した写真です。
胸飾りの中央に有る、『猿の顔』を左側面から撮影した写真です。




104 赤の女王のベルト飾り

赤の女王のベルト飾りに関する解説文です。

104 赤の女王のベルト飾り
石灰岩
一端に穴の開いた手斧の形の三枚の板が、ベルトで腰に装着されていた。
これらは、古代マヤの王族の衣装の一部であった。
マヤの多くの遺跡でみられる火打ち石やヒスイ輝石岩ではなく、石灰岩で作られている。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 実際に現物を見た時に、赤の女王の展示スペースの中でこちらの遺物だけ、少し風変りな感じがしました…。

 分厚い様な感じがしますが、現地で実際に見ると結構薄く、軽そうな感じがします……。

石灰岩の石斧の形の板。

 先々週、私は国内で出土した石製の斧を見て来たのですが、かなり似た形をしていました…。

 石を斧として使おうと思うと、用の美…と言うか、生物の収斂進化(しゅうれんしんか)の様に、同じ様なデザインに落ち着いてしまうのでしょうか…。





105 赤の女王の腕飾り

赤の女王の腕飾りに関する解説文です。

105 赤の女王の腕飾り
緑色岩
0.4~0.8㎝の小さな緑色岩のビーズからなり、その量から推定すると、両テク部におよそ12連の腕飾りがあったと考えられている。
直径1.4㎝の大きいビーズは、それぞれの先端を飾っていた可能性がある。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 横から見るとリストバンドの様な布の上に、連になったビーズが、上半分だけ縫い付けられていました…。

赤の女王の腕飾りを右側面から撮影した写真です。
赤の女王の腕飾りを左側面から撮影した写真です。




106 赤の女王の足首飾り

赤の女王の足首飾りに関する解説文です。

106 赤の女王の足首飾り
ヒスイ
辰砂(しんしゃ)の痕跡がある球状のビーズは、足首を飾っていたと考えられる。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 結構シンプルな足首飾りです…。

 上半身の装飾はかなり多いのですが、何故か下半身の装飾は少ないです…。

足元から、足首飾りを撮影した写真。
左右で厚みが違う様です。
左側面から、足首飾りを撮影した写真。



107 小マスク

小マスクに関する解説文です。

107 小マスク
緑玉髄、貝、黒曜石
左手の横には、緑玉髄と黒曜石片、貝片で作られた小さなマスクが置かれていた。
本来は斧型の石灰岩の板と共にベルトを飾っていたものが、何らかの理由でここに置かれた物と考えられる。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。

 こちらのマスクの頭には、トサカのような装飾が施されて、マスクの口元の石の色が違うのが面白い遺物でした。

 このトサカのようなデザインには、一体どんな意味が有ったのでしょうか…。

 非常に興味深いです…。

小マスクを斜め上から撮影した写真です…。
小マスクを右側面から撮影した写真です…。
口元の凹凸等、かなりリアルな感じがします…。





108 貝 109 小像

貝・小像に関する解説文です。

108 貝 109 小像
108 貝
109 石灰岩
棺内の北東端には絵画置かれ、中に石灰石製の小さな彫刻があった。
貝殻は水界という原初の世界を想起させる。
小彫刻は赤の女王の生前の姿を表現したとみられる。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。 

 図録の情報によると、こちらの貝の種類は『ウミギクガイ』の一種『スポンディルス貝』だそうです。

真横から撮影した写真です
斜め上から撮影した写真です
真上から撮影した写真です




水界という原初の世界??

貝・小像に関する解説文です。

 上記の解説で『貝殻は水界という原初の世界を想起させる。』と言う文章が有りますが、何処かで聞いた事が有る様な話だな~と思って、何か引っかかっていました…。

 何はともあれ、まずは、この解説パネルの『水界』について知らなければいけないと思い、いろいろと調べていたら、東海大学教授の横山玲子様の『マヤにおける水界と他界』と言う文章を見付けました。

東海大学文明学会
➡バックナンバー1994年03月20日『文明研究』第11号
マヤにおける水界と他界………横山 玲子 (17)

『東海大学文明学会』様より

 その中から、気になる部分を一部引用致します…。

マヤにおける水界と他界(P24)
四、水界
 十六世紀以降の研究によって明らかにされた、メソアメリカにおける水のイメージは、簡単にまとめると次の通りになる。
①原初の水。
マヤの創世神話にかかれたこの世の始まりは水であり、水中から現れた創造神が、水中から陸や光を創造するという物で有った。
②雨、台地を流れる水、池や泉、湧き水。
③ジャガーと関連付けられる水。
④地下の神々を表すスイレンに関連付けられる水。
⑤台地全体に関わる水。
⑥世界の崩壊をもたらす洪水としての水。

解説文の水界は、主に①の事を指していると思われるので、②~⑥までの解説については省略致します。

『東海大学文明学会』マヤにおける水界と他界………横山 玲子 (17)より

 ……やっぱり、何かこの『水界』は、エジプト神話の原初の海『ヌン』と、凄く似ている気がします。

 原初の海『ヌン』の解説は、エジプト考古学者の河江肖剰様が、Youtubeで解説されていますので、ご紹介します。

河江肖剰の古代エジプトチャンネル様より、

絶対に迷う!?大迷宮~階段ピラミッドと南の墓を大公開! #10 河江肖剰の遺跡と謎を巡る旅(エジプト文明・考古学・歴史・遺跡・ミステリー・サッカラ)より、

階段ピラミッドの前の壁が原初の海をモチーフに造られていると解説されている部分 4:36~

階段ピラミッドの神殿内で、原初の海と、原初の沼について解説されている部分 9:21~

古代エジプトにおける創造神話
混沌とした『原初の海(ヌン)』から『原初の丘』と呼ばれる陸地が隆起し、そこから世界が始まる。
~動画内のテロップを引用しました~

Youtubeチャンネル『河江肖剰の古代エジプト』様より。

 マヤの『水界(原初の水)』と、古代エジプトの『ヌン(原初の海)』が、凄く似ているので、遠く離れた地域で似た様な(厳密には違いますが…)神話が発生しているのは、非常に面白いと思います…。






110 針

針に関する解説文です。

110 針
緑色岩
針は織り手を司る神と関連し、若さと健康を表すとされる。
ハイナ土偶にも表現されたように、エリート女性を含むあらゆる社会階層の女性が、機織りや紡績を行っていた。

九州国立博物館『古代メキシコ展』赤の女王の解説パネルより。
針をひざまづいて撮影した写真です。
こちらは更に真横から撮影した写真です。
針はまっすぐでは無く、少し反っていて、針本体の下に固定された部分が見えます。

 こちらの遺物は、赤の女王の命日に遺物を見る原因になった、私にとって非常に感慨深い遺物です。

 この遺物を前日(2023/11/15/水)に、調べ忘れなければ、翌日の『赤の女王の命日』に、朝一番で赤の女王の遺物と、じっくりと対峙する贅沢な時間を得る事は無かったかもしれません…。

 元々は私の見落とし(ミス)で3日間博物館に通う事になりましたが、三日目の女王の命日に、再び博物館に来る原因となったという意味では、赤の女王の命日に、私を呼んだ遺物と言えます…。




71 織物をする女性の土偶(針の解説文に関連する遺物) 

 解説文の『ハイナ土偶』と思われる、『織物をする女性の土偶』。

 当時の女性は身分に関係無く、機織り・紡績を行っていた様ですが、赤の女王も、この土器の様に、機織りや紡績を行っていたのでしょうか…。

織物をする女性の土偶

71 織物をする女性の土偶
大きな耳飾りと首飾りを着けた高位の女性が、機織りをしている姿である。
マヤの女性にとって機織りは重要な仕事であり、王族や貴族の女性も、紡錘車(No.72.73)紡錘(No.74)を用いて糸を紡いでいたと考えられる。

九州国立博物館『古代メキシコ展』より


 


72 73 紡錘車(織物をする女性の土偶の解説文に関連する遺物)

 『71 織物をする女性の土偶』の解説文に記載の有る紡錘車(No.72.73)です。

 実物は小さいですが、よく見ると、表面に綺麗な模様が彫られています。

74 紡錘車
マヤ文明 年代不明
出土地不明
メキシコ国立人類学博物館




74 紡錘(織物をする女性の土偶の解説文に関連する遺物)

 『71 織物をする女性の土偶』の解説文に記載の有る紡錘(No.74)です。

 自分自身、紡錘車の使い方について理解していなかったので、備忘録も兼ねて、下記にYoutubeへのリンクを貼りたいと思います…。

Youtubeチャンネル『むなかた館海の道』より
【海の道むなかた館】紡錘車の使い方

74 紡錘
マヤ文明 年代不明
出土地不明
メキシコ国立人類学博物館



終わりに

 今回は、観覧しながら思った事や、思い出した事、感じた事等を書き入れたので、かなり長い文章になりました。

 まだまだ書きたい事は有るのですが、調べれば調べる程どんどん色々な事がでてきて、関係の無い事も交じってきそうなので、ここで終わろうと思います。

 ここまで文章を読んで頂き、有り難うございました。





2023/11/18 ???~ 2023/11/20/2249 
最近はただの日記になっていますが、自分自身と作りたい作品について更に突き詰めて行きたいので、この作業を暫く続けて行きたいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。 作品製作をしているので、サポートいただけたら創作活動に関する費用にしたいと思います。