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140字小説 「トイレの幽霊」

その公衆トイレでは夜、奥の個室に入ると声が聞こえてくる。そして、足りない、足りない、と何度も無念の声を訴えるのだ。あるとき、酔った男がトイレを利用したとき、その声を聞いた。男は慌てて紙を巻き始めるが、声はさらに続けた。ミシン目が、あと一つ。後ろに手を伸ばした男は、ハッと絶望した。

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