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2022年新作テレビドラマ放浪記

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2022年の新作テレビドラマの感想です
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#堤真一

「ファーストペンギン(第10話)」ファーストペンギンは、任侠映画のように街を去る・・。

このドラマのモデルは未だにこの漁業ビジネスを展開しているわけで、このラストシーンは明らかにフィクションなわけだ。「お魚ボックス」を継続する代わりに、街を去る設定を考える必要があったのかとは思うが、話をグローバルにしすぎてこうなったということだろうか?そのあたり、少しモヤモヤが残った。 とはいえ、最後に一人、泉谷しげるのところに呼び出され、それに対峙する奈緒の姿はなかなか格好良かった。自分が去ることで、街の漁業を護るという姿は、何か、昔の任侠映画のようにも見えた。こういう啖呵

「ファーストペンギン(第9話)」最後に伝えられる漁業に潜む奥深いテーマ

鈴木伸之がドラマの本質を動かすピエロになっていることは事実のようだ。しかし、その恋人役の足立梨花、こういう役がよく回ってきますよね。今ひとつ、性格悪い系を背負って立ってる気もするが、そろそろちゃんと使ってあげたい感じはしますよね。 鈴木の帰還と入れ替わるように、堤真一は、ひねくれて東京の我が子の元に。そして、彼のパートナーとも仲良くやってる感じは、新しい家族の形か?こういう風景をドラマで見せられると、それもアリかとは思いますが、私的には、それを一気に肯定化してしまうのもどう

「ファーストペンギン(第8話)」ホワイトナイトがやってくる中、堤真一が孤立する変な構図

ラストに鈴木伸之が戻ってきて、新たな展開が開くことになる感じで終わった。鈴木はこのドラマでいつもより活躍してはいないが、節目節目で彼が事の展開を誘うような役になっている。そして、いつものできる雰囲気の男から、なかなか好感度抜群の役。彼にはこういう二枚目役の方があっていると思う。 そんなことより、前回、漁船が事故にあって、堤の元から皆が逃げていってしまってどうなるか?という話。皆、政治家の泉谷しげるが仕掛けた話だが、それに引きづられて、梅沢富美男は再度、貸しはがしにかかる。会

「ファーストペンギン(第7話)」一大危機がやってきて、チャンスもやってきて・・・。

「お魚ボックス」がとりあえず、軌道に乗り出して、奈緒は、農業水産省の松本若菜から、水産界のジャンヌダルクになってくれと言われる。奈緒のここまでやってきたことが、もっと大きなものを動かそうとしているわけだ。 そして、梅沢富美男をはじめとする抵抗勢力に大物政治家?の泉谷しげるが助言をすることに・・・。それと同時に、堤のところには3人の新人がやってくる。この中に、泉谷のネズミがいることを臭わせるわけだ。この辺りの脚本への臭いの埋め込み方はかなり上手いと思う。 そして、新人3人は

「ファーストペンギン(第6話)」嫌がらせの行き着く先とマスコミの力と・・・。

先週の鈴木伸之の子供ができた話から、その彼女に会いにいく奈緒。彼女は足立梨花。こういう少しツンとした役がお似合いではあるが、そろそろこの人は方向転換した方がいいのではないかと思ったりする。同じような役をやってると、イメージがこびりつく。個性的な美人なのだから、もう少しいい役が持ち込まれないのか?とも思ったりする。奈緒と芝居をやっていてなんの遜色もないのですから。 そんな中で、梅沢富美男は、「お魚ボックス事業」をもっと多くに解禁しようとするも、その上の親分に強く叱責される形で

「ファーストペンギン(第5話)」親子のしがらみがあって、到達したビジネスということ?

今回の主題、渡辺大知が堤真一の息子だったという種明かしは、私も全くわからなかった。そう考えれば、お見事という展開。そして、渡辺と奈緒の恋愛感情みたいなのも感じていたわけだが、渡辺自身が同性愛者だったとは、ずっこける展開。まあ、最近のドラマも映画も、普通のことのように同性愛者を出してくるが、「これ、必要か?」と思うようになってきませんか?確かにマイノリティーが視覚に入ってくるのが当然の時代なのだが、この展開の中で、渡辺がそれだということは、奈緒の相手ではないという回答でしかない

「ファーストペンギン(第4話)」ロマンの答えは行動で掴むべし。道は遠い・・・。

今回は、「お魚ボックス」の配送のばらつき、鮮度の問題の提示。そして梶原善の息子たくみ(上村侑)の仲間入りの話。そして、団結してきた仲間から貸しはがしを行おうとする梅沢富美男で締めという感じ。 しかし、ドラマとしてはスピード感があって、一回一回に達成感があるのはすごく面白い。そして奈緒という女優の芝居の快活感みたいなものが画面からはみ出る感じがパワーになっている。この間観た「マイ・ブロークン・マリコ」では、精神的に病んだ女性をなかなか印象的に演じていたが、そういう芝居ができる

「ファーストペンギン(第3話)」美女の後ろにはいろんな謎があるという話

とかく、女が動けば、男たちは今ひとつそれに乗るには時間がかかるのは、世の中の常だろう。ましてや、こんな田舎の漁村なら尚更だ。奈緒が子供とたどり着いた漁村で、堤真一が、ちょっと声をかけたことで、思わぬ方向にことが動き出したという今までの話。 先週、そんな彼女に折れたと思った組合長の梅沢富美男は、今度は、堤の船以外の漁師たちに、彼女は詐欺師だというようなことを振り撒くという展開。まあ、梅沢の嫌がらせはまだまだ続くのだろうから、まずは最初のジャブと言ったところ。そんな噂が気になり

「ファーストペンギン(第2話)」トップを動かせば、元は動くという論理

ドラマのスピード感はなかなかだが、さまざまなハードルを飛び越え、2回目終わりに及んで、やっと「お魚ボックス」事業がスタートした。ドラマにスピード感があるとはいえ、事は意外に前に進んでいないのは面白い。この主役、奈緒という女優を選んだ事は大正解だろう。何があっても、変に落ち込むようなところがない芝居はとても心地よい。そして、困難をいっぱい抱えてるのに、ひとつを解決すれば、他もなんとかついてくる感じ。そう、最後に志田未来が部屋の情報を持ってきてくれるところなどだ。人生の勢いとはそ

「ファーストペンギン」初回から、奈緒のフルパワーの演技で圧倒される、痛快篇!

奈緒主役というのが、どう出るかと思ったが、相手役である堤真一を圧倒する激しい演技で、初回を見る限りは、かなり面白くなりそうな予感。脚本、森下佳子なので、この勢いで最後まで乗り切っていけそう!期待大! このドラマ、実話のモデルがいるというから、そのモデルの女性から受けた インスピレーションで、この主人公は造形されているのだろう。とにかく曲がったことが嫌い。意味ない常識が大嫌い。そして、楽しいことをやっていたいし、絶対に自分がいいと思ったことは貫くという、この不景気に立ち向かう

「妻、小学生になる。(第10話)」このドラマの中心にいたのは、貴恵さんだったということですよね。

先週で、憑依した霊は、天に帰って行こうとした。そう、話は一つの区切りをつけていた。そして、堤真一と蒔田彩珠の心にはぽっかり穴が空いたままだった。ということで、石田ゆり子が毎田暖乃の承諾の元に、もう一度憑依してアンコール。それも、結婚記念日の日にというラストストーリー。全てがほっこりまとめられたストーリーの中心は、あくまでも石田ゆり子だった。 まず、家に帰って、最後の1日を過ごすことを宣言、そして、娘の恋人(杉野遥亮)に結婚をする挨拶をさせる。もう、ここから主導権は石田ゆり子

「妻、小学生になる。(第9話)」人が人を愛しく思って暮らすという本質の提示?

昨日、朝ドラ「カムカムエブリヴァディ」で、終戦の日に、松村北斗演じる稔の霊が帰ってきて、今を生きる孫の深津絵里と話すという、なかなか感動的な場面が描かれていた。そう、日本のお盆というものは、そんな奇跡が起こる時なのかもしれない。ある意味、日本の文化として、霊は今生に戻ってこれる道を作っているのである。そう、だから、このドラマも決して奇想天外な話でもないということなのだと思える大人になった私だったりする。 全てが、元に戻ったと思わされた先週から、今週は第一回目のゾンビに戻った

「妻、小学生になる。(第8話)」彷徨う霊が、落ち込んだ人に憑依するというこじつけ

突然、小説家として成功した女子高生の話と、石田ゆり子の話は、基本的にリンクしていなかったという事実。そこのところは、このドラマをどんくさくしてしまった感じがする。結局、この女子高生の話は、本筋を説明するための仕掛けでしかなかったわけだ。だから、女子高生が倒れた時に、出てきた男は、そこに憑依していた霊ということ。ある意味、脚本書いてる方は、これは、伏線みたいな感じで描いていたのでしょうか?どうもスマートではない。だいたい、この女子高生と神木が知り合うようになるのも、すごい無理ク

「妻、小学生になる。(第7話)」今生きていることが幸せと感じながら、魂が動く

正月に魂が消えていく?まだ7回目だぞ。少なくともまだ2回は残っているわけで、この後が、この話の種明かし?というところなのだろうか?しかし、毎回、少しずつ出てくる、石田ゆり子が印象的だ。その魂のオーラが強くなるところが、このドラマの言いたいところだったりするのかもしれない。そして、石田のいないところを毎田暖乃が見事に存在をサポートしている感じ。そこのところは、毎回すごいですよね。今までに見たことのない芝居の繋ぎみたいなものを感じたりする。今回で言えば、神木隆之介を諭すところだ「