現代版・東海道中膝栗毛【10日目①】

三河国に入り、次の日にはもう尾張国に入れるほど、愛知県は思ったより東西の距離が短い。

江戸を出発して10日目に、弥次郎兵衛と喜多八は、とうとう名古屋に到着した。

今の名古屋市熱田区にある、41番目の宿場となる宮(みや)宿に泊まった。

東海道五十三次(江戸~京都)のうち、41番目の宿場まで10日間で到着するわけだから、1日に4つの宿場を通過する計算になる。

東京から名古屋までは約360キロあるので、1日に36キロ歩けば、私たちも10日間で到着できるわけである。

とはいえ、弥次喜多コンビは、静岡県で足止めを食らった影響もあり、9日目と10日目は、45キロを連日歩いたのである。

フルマラソンの距離以上を2日も続けて歩くのは、今の時代の私たちなら、足の裏にマメができたり、ふくらはぎが痛くなったりして、とてもじゃないが厳しいだろう。

さて、2人の目的は、お伊勢参りに行くことであったが、実は、宮(みや)宿から先は、「七里の渡し」といって、船で伊勢湾を横断することになる。

だから、船乗り場のある宿まで、一気に歩いたのである。



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