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非利不動 非得不用 そして ラチェット効果

(タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」より写真を使わせていただきました。いつも美しい作品をありがとうございます)

非利不動
非得不用
利にあらざれば動かず
得るにあらざれば用いず

この孫子の兵法のいうところは、目的実現可能性のないことを無駄にするな、無駄に動くなってことですね。

相場予測ののうまい人でも確率55%の当たり、という厳然たる事実を私は重く受け取っています。目的実現の可能性について、はじめに正確に見極めることは難しい。予測も予想も予言も占いも、誰しも先の見えない将来への不安から、必要としたり頼ったりはしますが、(そしてそういった行為を否定するつもりも全くありませんが、)私にとって重要なのは的確な未来の予測ではなく、現在への迅速な対応であると思ってます。

株屋はしばしば、一般的な伝統的道徳価値や推奨されている考え方とずれた考え方をしていますが、そのひとつが「辛いことにも耐えてがんばって継続すればいつか報われる」っていうやつ。私は相場において、目的実現できそうにないなという間違いには早めに気づき、一滴の未練も残さずさっさと損切りをして方向を変えていくことを肝に銘じております。耐えるなら、好機が訪れるまでじっと耐え、それでも自分が間違えたこならばそれを認める不愉快さに耐えるべき。歯止め=ラチェットを即座に効かせる。ラチェット効果は早ければ早いほど効き目もありますから。いつも、うまくいかないかもしれない可能性を常に考えて、逆指値だとか最悪シナリオの想定だとかは、きっちり置いておくようにしないといけない。心的・金銭的資本を無駄に動かしたり用いたりしていては、いけないと思うのです。


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