枕木きりこ

知的欲求を古本屋や図書館で満たすケチ女。ドケチのきりちゃん。 写真を撮ったり、戯曲を書いたりもしています。安部公房と南米文学の虜。

なりゆき

彼は正義のために身を尽くして死んだ、いや、自らの死を以って愚かな者たちの救済のために死んだ、と彼の信奉者たちは山の上へと運ばれていく亡骸の横で口々に賛辞を送って…

夢039

小学校の校舎で中学生の制服を着て、高校の卒業を迎えている夢。一人一人最後のスピーチをさせられる地獄のような時間は、紛れも無く中学生の頃の記憶。また私の番がめぐっ…

思うこと347

つい先日、職場のスタッフが連れてきた娘さんとの話である。今は確か中学生になったこの子だが、今までも何度か会ったことがある。今でこそコロナの影響ですっかり見かけな…

井戸の底

相棒の黒猫が井戸の縁に座ってじっとその奥を見つめているので、与四郎は黒猫を脅かさないようにそろそろと近付いて、同じように真っ暗な穴の中を覗き込んでみた。ひんやり…

思うこと346

雨続きで自ずと気持ちが下がっているのが分かる。そもそも普段にしても気持ちが上がっていることの方が少ないというのに、まともに干せない洗濯物を尻目にまた服を着て出て…

休日の午後

草むらの虚の中へ潜り込み、丸っきりその姿を消した小鳥がまだ遠くで囀っている。夢にも恋にも破れ、それでもまだ何故生きるかなど分からないまま、彼は椅子に座っている。…