枕木きりこ

知的欲求を古本屋や図書館で満たすケチ女。ドケチのきりちゃん。写真を撮ったり、戯曲を書い…

枕木きりこ

知的欲求を古本屋や図書館で満たすケチ女。ドケチのきりちゃん。写真を撮ったり、戯曲を書いたりもしています。安部公房と南米文学の虜。

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  • 感想のつどい

    感想文をまとめてます。本、映画、観劇など。(基本的にネタバレには配慮してないのでご注意。)

  • 短編小説【2】

    一話完結型。基本的にハッピーでないことが多いです。

  • 落書きなど

    書きなぐったり、マウスでちまちま書いたり。いろいろ。

  • 仕事情報

    執筆など

  • 夢の記録

    いわゆる夢日記

最近の記事

映画『箱男』を観る。

映画『箱男』(監督:石井岳龍)観ました。 先に言うと、この記事はテンションがまあまあおかしいです。 そして考察とかはあんまりないですが、ネタバレあるかもしれないのでその手前で注意を入れます。 でも考察とかはほんとないです。 原作を3回くらい読み、論文まで書いた私ですが、なんていうか、『箱男』ってそんなもうあれじゃないですか、誰が誰とかどうとかそういうあれじゃないし、人には人の箱男!と思っているので、まあ、そんな感じです。 ここまでずっと早口です。 さて!!公開2日目の映

    • サーカスを見に

       割引クーポンの抽選に当たったというメールがきたので、僕は千円札だけを持って隣町の広場へ足を運んだ。19時開演に合わせ、近場のファーストフード店でトマトで濡れたサンドイッチを頬張り、会場の受付で携帯電話に映ったクーポンを見せたあと、千円札を渡した。 「めずらしいですね。」  受付の若い男は、まだ客足が少ないせいか僕に向かって声をかけた。僕はあまり人と話したくなかったので、喉の奥から絞り出して「うぃ」とだけ答えておいた。 「このクーポン、申し込む人が少ないんですよ。だって

      • 人型星的のこと

         都会では人間の形をした「星」が見えるというので、僕は新幹線の駅から地下鉄を乗り継ぎ再び地上に出ると、地図よりも先に空を見上げた。  そこには故郷よりも星の少ない薄明るい空が広がっているだけだった。目を細めてみても、人間の形をした「星」など見当たらない。朝になれば見えるかもしれない、と僕は気を取り直して街へ足を向けた。  空に浮く人間の形をした小さな物体は、正式には「人型星的物質」というらしい。月よりも一回りほど小ぶりだが肉眼でも確認できる。  都会では何個か見ることが

        • 勝手に「私と安部公房」

           文芸誌でお馴染みの『新潮』が安部公房の特集を組んでいると知り、早速購入してから早2ヶ月。どうしても冒頭から読まないと気が済まないせいでいつまでも特集に辿り着けなかった私だが、やっとこの間特集部分を読み終わった。そしてこれを書いている、一体何故か。  「私と安部公房」というテーマで何人かの作家さんが自分と安部公房の出会いを綴っていた。私は異様に悔しかった。私にも安部公房との思い出がたくさんある!!!!!  というわけで私も「私と安部公房」がやりたくなったので、勝手にやると

        映画『箱男』を観る。

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        • 短編小説【1】
          104本

        記事

          「坂ノ途中」と私、野菜、そして野菜。

           人生で初めて “ふき” を下ごしらえする。  有名な童謡「おべんとうばこのうた」には「すじのとおった ふき」という歌詞が出てくるが、現代ではそこまで一般的な野菜ではない気がする。  個人的に馴染みがないだけかもしれないが、ともかくそんな我が家では珍しい ふき。  下ごしらえの方法が分からないのでネットで調べてみると、塩で板ずりしてから茹でて皮をむき、水に浸して保存する…、という、焼けばオッケーな野菜ばかり選びがちな私には、やや食べるまでのハードルが高め。  しかしな

          「坂ノ途中」と私、野菜、そして野菜。

          天地想像

          いまじねーしょん いみねーしょん

          『ボーはおそれている』をみた

          アリ・アスター監督の『ボーはおそれている』を観に行った。 昔から滅多に映画館に行かない私が、まさかの公開まもなく駆け込んだ稀有な映画だ。 何故そんなに観たかったのかと言うと、「めちゃくちゃ嫌な話っぽい!」と 予告編を見て確信したからである。 なるべくSNSでネタバレを踏まないように慎重に過ごしていたのだが、前日うっかり感想を踏んでしまった。その人はなんか辛そうだった。「3時間苦痛でした」みたいな感じだ。私はそれを見て「よっしゃ」と思った。 私はホラー映画が好きだが、それ

          『ボーはおそれている』をみた

          ミラー通り少女2丁目

           息を止めながら鏡の中に入ると、別の鏡から出てくることができる。これは特別な力とかではなくて、ある日ふとやれるようになった。  私とリナちゃんはよく学校帰りの地下鉄で一緒にそれをやった。地上出口のすぐそばにある鏡の前で「せーの!」と鏡に飛び込めば、長い地下通路を歩かなくても改札の近くまで一瞬で移動できる。 「めっちゃ上手くなったね。」  先にコツを掴んでいたリナちゃんにアドバイスをもらったおかげで、私は出てくる鏡を選べるようになっていた。  私たちは同じ方向の電車に乗

          ミラー通り少女2丁目

          空気はラクダ色

          結び目が絡まっている。

          空気はラクダ色

          『舞い落ちる花びら(Fallin' Flower)』に思う、アイドルという刹那 〜SEVENTEEN紅白2023出場おめでとう〜

          (以下、旧『思うこと334』再掲) プレリク抽選という先行抽選的なもので当選していた5月のSEVENTEENドームツアー中止のお知らせが来た。私が行くのは5/28の京セラドームの予定だったので、時期的にもそろそろ開催するかどうか微妙だな…、とソワソワしていた矢先である。 ちなみにSEVENTEENとは韓国の13人組の男性アイドルグループで、メンバーの中に作曲をこなすウジくんという逸材がおり、他メンバーが作詞、振付を考えるなど、とにかくセルフで色々やれる若者たちだ。 とは

          『舞い落ちる花びら(Fallin' Flower)』に思う、アイドルという刹那 〜SEVENTEEN紅白2023出場おめでとう〜

          花戯史

          振り向いた時は、もう遅い。

          詩を書きました!!

          ベーシスト兼、作曲編曲・BGM制作などで大活躍の石岡こうだい氏が、個人名義・7days Gerbera で初アルバム『Sand&Blocks』をリリース! こうだい氏には、ヨシキリドロップのコンテンツに何度も曲を提供していただいたりして日頃お世話になりまくりなのですが、この度、非常に光栄なことにアルバム収録曲のうち2曲に私が詩で参加しています。1つは完全に書き下ろしです! いわゆるポエトリーリーディングです。ちなみに他の曲は綺麗で抜けた感じの素敵なインストです!(※語彙が

          詩を書きました!!

          トキョーソー

          走れ、生きものたちよ。

          トキョーソー

          秋の夜長いぬ散歩

          ワン、ワワワ。

          秋の夜長いぬ散歩

          なんかいきもの

          お腹が減った時に作りました。

          なんかいきもの

          目の中

          目の中に人がいる、と彼女は訴えた。 それは普通に目の前にいる僕のことだろう、と答えると、彼女は強く否定した。なおも食い下がる僕と、絶対に認めようとしない彼女の押し問答が続くうち、静かにチャイムが鳴って僕たちは口を閉ざした。 「先生。」 授業が終わり、僕は手を挙げた。先生は僕の指先を見ていた。教室はたちまち人がいなくなって、僕と先生、それから彼女の三人だけになっている。先生は相変わらず僕の指先だけを見ながら、力なく返事をした。 「言ってみろ。」 「真崎さんの目の中に人が