枕木きりこ

知的欲求を古本屋や図書館で満たすケチ女。ドケチのきりちゃん。写真を撮ったり、戯曲を書い…

枕木きりこ

知的欲求を古本屋や図書館で満たすケチ女。ドケチのきりちゃん。写真を撮ったり、戯曲を書いたりもしています。安部公房と南米文学の虜。

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  • 落書きなど

    書きなぐったり、マウスでちまちま書いたり。いろいろ。

  • 感想のつどい

    感想文をまとめてます。本、映画、観劇など。(基本的にネタバレには配慮してないのでご注意。)

  • 短編小説【2】

    一話完結型。基本的にハッピーでないことが多いです。

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    いわゆる夢日記

最近の記事

勝手に「私と安部公房」

 文芸誌でお馴染みの『新潮』が安部公房の特集を組んでいると知り、早速購入してから早2ヶ月。どうしても冒頭から読まないと気が済まないせいでいつまでも特集に辿り着けなかった私だが、やっとこの間特集部分を読み終わった。そしてこれを書いている、一体何故か。  「私と安部公房」というテーマで何人かの作家さんが自分と安部公房の出会いを綴っていた。私は異様に悔しかった。私にも安部公房との思い出がたくさんある!!!!!  というわけで私も「私と安部公房」がやりたくなったので、勝手にやると

    • 「坂ノ途中」と私、野菜、そして野菜。

       人生で初めて “ふき” を下ごしらえする。  有名な童謡「おべんとうばこのうた」には「すじのとおった ふき」という歌詞が出てくるが、現代ではそこまで一般的な野菜ではない気がする。  個人的に馴染みがないだけかもしれないが、ともかくそんな我が家では珍しい ふき。  下ごしらえの方法が分からないのでネットで調べてみると、塩で板ずりしてから茹でて皮をむき、水に浸して保存する…、という、焼けばオッケーな野菜ばかり選びがちな私には、やや食べるまでのハードルが高め。  しかしな

      • 天地想像

        いまじねーしょん いみねーしょん

        • 『ボーはおそれている』をみた

          アリ・アスター監督の『ボーはおそれている』を観に行った。 昔から滅多に映画館に行かない私が、まさかの公開まもなく駆け込んだ稀有な映画だ。 何故そんなに観たかったのかと言うと、「めちゃくちゃ嫌な話っぽい!」と 予告編を見て確信したからである。 なるべくSNSでネタバレを踏まないように慎重に過ごしていたのだが、前日うっかり感想を踏んでしまった。その人はなんか辛そうだった。「3時間苦痛でした」みたいな感じだ。私はそれを見て「よっしゃ」と思った。 私はホラー映画が好きだが、それ

        勝手に「私と安部公房」

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        記事

          ミラー通り少女2丁目

           息を止めながら鏡の中に入ると、別の鏡から出てくることができる。これは特別な力とかではなくて、ある日ふとやれるようになった。  私とリナちゃんはよく学校帰りの地下鉄で一緒にそれをやった。地上出口のすぐそばにある鏡の前で「せーの!」と鏡に飛び込めば、長い地下通路を歩かなくても改札の近くまで一瞬で移動できる。 「めっちゃ上手くなったね。」  先にコツを掴んでいたリナちゃんにアドバイスをもらったおかげで、私は出てくる鏡を選べるようになっていた。  私たちは同じ方向の電車に乗

          ミラー通り少女2丁目

          空気はラクダ色

          結び目が絡まっている。

          空気はラクダ色

          『舞い落ちる花びら(Fallin' Flower)』に思う、アイドルという刹那 〜SEVENTEEN紅白2023出場おめでとう〜

          (以下、旧『思うこと334』再掲) プレリク抽選という先行抽選的なもので当選していた5月のSEVENTEENドームツアー中止のお知らせが来た。私が行くのは5/28の京セラドームの予定だったので、時期的にもそろそろ開催するかどうか微妙だな…、とソワソワしていた矢先である。 ちなみにSEVENTEENとは韓国の13人組の男性アイドルグループで、メンバーの中に作曲をこなすウジくんという逸材がおり、他メンバーが作詞、振付を考えるなど、とにかくセルフで色々やれる若者たちだ。 とは

          『舞い落ちる花びら(Fallin' Flower)』に思う、アイドルという刹那 〜SEVENTEEN紅白2023出場おめでとう〜

          花戯史

          振り向いた時は、もう遅い。

          詩を書きました!!

          ベーシスト兼、作曲編曲・BGM制作などで大活躍の石岡こうだい氏が、個人名義・7days Gerbera で初アルバム『Sand&Blocks』をリリース! こうだい氏には、ヨシキリドロップのコンテンツに何度も曲を提供していただいたりして日頃お世話になりまくりなのですが、この度、非常に光栄なことにアルバム収録曲のうち2曲に私が詩で参加しています。1つは完全に書き下ろしです! いわゆるポエトリーリーディングです。ちなみに他の曲は綺麗で抜けた感じの素敵なインストです!(※語彙が

          詩を書きました!!

          トキョーソー

          走れ、生きものたちよ。

          トキョーソー

          秋の夜長いぬ散歩

          ワン、ワワワ。

          秋の夜長いぬ散歩

          なんかいきもの

          お腹が減った時に作りました。

          なんかいきもの

          目の中

          目の中に人がいる、と彼女は訴えた。 それは普通に目の前にいる僕のことだろう、と答えると、彼女は強く否定した。なおも食い下がる僕と、絶対に認めようとしない彼女の押し問答が続くうち、静かにチャイムが鳴って僕たちは口を閉ざした。 「先生。」 授業が終わり、僕は手を挙げた。先生は僕の指先を見ていた。教室はたちまち人がいなくなって、僕と先生、それから彼女の三人だけになっている。先生は相変わらず僕の指先だけを見ながら、力なく返事をした。 「言ってみろ。」 「真崎さんの目の中に人が

          茶碗の話

          コン、コン、と深夜に扉を叩く者がいた。 真夜中の客人が幸福をもたらすことはほとんどないと知っていたので、家主の男は眉を顰めながら読みかけていた本を閉じた。客人は家主が顔を出すまで手を止める気がないらしい。一定の間隔で叩き続ける律儀さにどこか薄気味悪さを感じつつも、家主は扉越しに声をかけた。 「宿探しなら他をあたって下さいよ。」 ややあってから、返事があった。 「宿探しではありません。少し、中でお話を聞いてくれませんか。」 「…そこで待っていて下さい。」 客人は神経質

          神はたくさんいた

          神様は世界へ挨拶し、シイタケはバラバラのもろもろ。

          神はたくさんいた

          怖読<コワドク>〜寺談Returns〜

          怖読<コワドク>〜寺談Returns〜山中真尋編「永追久の部」 声優さんが怖い話を読む、というシンプルでドキドキ(?!)なイベントの脚本を共同執筆しました。今回は現場にもお邪魔し、プロのお声はすごいなあ〜〜!!と語彙が消し飛びました。みなさま、ありがとうございました!

          怖読<コワドク>〜寺談Returns〜