「何を?」「いつ?」説明するか?
小学校低学年以下の選手に、
スポーツの技術指導をする際、
どうしても「説明」が必要になる。
ただ、相手は小学校低学年以下なので、
大人相手なら通用する
「そこは、言わなくもわかるでしょ?」
が全く通用しないし、
かと言って、
丁寧な説明を心掛けさえすれば良いかというと、
今度は、理解が追い付かないなど、
選手たちがコーチが思ったように動いてくれない、
プレー時に意識して欲しいポイントが選手に伝わらない、
練習のリズムが悪くなり、選手の集中力が切れる、
プレー時間より、説明の時間が多くなってしまう、etc.
小学校低学年以下の選手への
スポーツ指導において、
このような悩みを持たれている指導者の方は多いと思う。
今回は、約半年小学校低学年を指導をしてみた
私が導き出した
この問題の私なりの解決策を紹介したい。
これから小学校低学年を指導されるコーチ・保護者の方や、
今まさに上記の悩みをお持ちのコーチ・保護者の方の
参考になる内容だと思うので、
ぜひ最後まで読んでいただきたい。
説明の二つの要素
ラグビーの練習で、
コーチが選手たちに行う”説明"には、
次の二つの要素がある。
1 練習メニューの説明
2 そのメニューを通して習得する技術
一つ目は、例えば、
4人一組のグループを作り、
パスをつなぎながら走って前進し、
ボールが前方20m先のラインまで到達したら、
折り返して、また、パスをつなぎながら戻ってくる。
注意点は一つ!
ボールを前にパスしてはいけません。
といったもので、
選手が「何を(What)するのか?」という部分と、
最低限のルールの説明である。
そして、二つ目は、
上の例で言えば、
ボールの持ち方、パスの仕方、キャッチの仕方、
パスした後のポジショニングなど、
選手が「”どう(How)”やるのか?」の部分の説明である。
最初に全てを説明してはいけない
約半年間、小学校低学年にラグビーを教えて、
痛感したのは、
練習前の説明では、
「何をやるのか?」と、
注意点一つだけにすべし!ということ
コーチという立場になると、
ついつい、
「この練習で身につけたいスキルは〇〇だ。
このスキルを身につける上での注意点は××だから、
と、「何をやるのか?」だけでなく、
「どうやるべきなのか?」まで、
最初に全てを説明しようとしてしまいますが、
相手は、小学校低学年、
「何をやるのか?」を理解するだけで精一杯で、
それ以上に何かを説明しても、
選手たちは理解できないし、
仮に一旦は理解できたとしても、
メニューを開始する頃には忘れている。
だから、まずはとにかく、
「何をやるのか?」を説明し、
プレーさせてしまうことが大切
また、プレーさせてみると、
大抵の場合、
「何をやるのか?」を
理解できていない選手がいたり、
コーチ側の説明不足が原因で、
選手たちがコーチの想定したように
動かないということが起こり、
結局、また、
「何を(What)やるのか?」の説明が必要になるのだ。
「どう(How)やるか?」はプレーさせながら
この最初の「What」の壁を超えて、
選手が「何をやるのか?」を理解し、
コーチの想定どおり動くようになって初めて、
「どう(How)やるのか?」の説明が、
選手たちの耳に届くようになる。
つまり、
「どう(How)やるのか?」の部分は、
最初に説明してはダメで、
選手にプレーさせながら説明するのだ。
選手にプレーさせながら、
「ここをもうちょっとこうしてごらん」
とヒントを与える。
すると、
既に「何を(What)やるのか?」については、
考える必要がないので、
この声かけがスッと入ってきて、
プレーが改善されていく。
この、
"「何を?」「いつ?」説明するのか?”
の感覚を掴むのに、
半年かかってしまった。
最初から実践できていたら、
もうちょっと選手たちを上手くできたかも、
と思うと、
選手たちに申し訳なく感じる。
まとめ
小学校低学年以下の選手に、
スポーツの技術指導をする際の
”説明”について書いてきた。
まとめると、
最初に、全てを説明しようとしない
最初は、「何を(What)をするのか?」だけ
「どう(How)やるといいのか?」はプレーさせながら&選手の様子をみながら
ということである。
この中で一番重要なのは、
「3」だと思う。
選手にプレーさせ、
プレーしている選手の様子を観察し、
メニューを調整していく、
これを積み重ねていくしかないのだと思う。
日々勉強だ。
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