楕円球の青春 授業を受けに
こんばんは。
楽しい体育会の寮生活。まだ、序の口です。
4月のある日、入部式がありました。OB会長さんが、挨拶で、開口一番、こう言われました。
「君達は、部員である前に、学生である。その本分を忘れないように。」
そうなんだ、ラグビーも大事だが、勉強しなきゃ。さすが、伝統ある大学、OB会長さんも、言う事が違う。優勝しろ、なんて言わない。いいぞ、いい感じ!と一人悦に行っていた、と思う。
実際は、授業は2限目までは受けさせてくれるが、3限は、必修の科目のみ出席できる、という部のルールがあった。中々厳しい。そして、3限に出席すると、練習時間に間に合わない。大学からグラウンドは離れてているので、バスと私鉄を使って、1時間ぐらい掛かったと思う。
3限に出席するためには、前日にキャプテンに、許可をもらわないといけない。この辺り、なんとも言えない感じであった。言いに行くのに、緊張する。
「明日、1年生、3限必修があります。授業に出ても、よろしいですか。」代表で、寮生がキャプテンに聞く。「え?(一呼吸おいて)いいよ。」とキャプテンが言ってくださる。
この、一呼吸、が、ドキッとするんだよなー。実は、秋が深まると、「ダメ」と言われる事があったと思う。シーズン終盤の大きな試合を前にしたときは、練習優先だったと思う。
まあ、ある程度の練習優先は仕方ないところ。一年生の時は、1限から授業がぎっしり詰まっていたので、朝から3限まで、頑張って大学に通っていました。
3限に出ると、急いでグラウンドを目指せば、練習開始に間に合います。下級生は、3限が終わると、駆け足で、バス停に向かいます。歩くのは禁物。もし上級生に見つかれば、siboriが待っています。
バスから降りて、私鉄に乗り換える時も、駆け足で。上級生は、歩いています。「おー、頑張れよー。」なんて、茶化します。
グラウンド最寄りの駅を降りても、駆け足で、更衣室を目指します。急いで着替えて、グラウンドへ。間に合った!
間に合わなかったら、ヘッドスピードの間、グラウンドの周りを走ります。22メートルライン間をダッシュで、インゴールをジョッグ。また、ダッシュ。いわゆるインターバルですね。30分。
ヘッドスピードが終わると、キャプテンが、「遅れてきたヤツ、入れ!」と言ってくれます。ここから、遅れた部員は、合流。
しかし、時々、キャプテンが、声をかけるのを忘れる時があり、ずっとインターバルしている時もありました。😢
体育コースは実技の授業があるので、出席しなければ、単位が取れません。学部によっては、出席を取らず、テストだけで成績がつく学部もあり、あまり学校に行かない部員もいました。ま、ほぼ、みんな卒業していきましたが。
「学生の本文は学業である。」
今も思い出す、素敵な場面です。