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スターダスト

朝は仄暗くどんよりと空模様に細かな雪が吹き荒れていてとても出かけられるような天気では無かった。
しかし、お昼頃になるとそんな瞬間は何処へやら。透き通った青空に真っ白な雲、そして優しい日差しが地上を照らしていた。

これなら出かけられると思って日課の散歩へ。

室内から見た風景と相反するように外は厳しい状況だった。晴れてはいても向かい風が強く、風が吹く度グラりと身体が揺れる。その上服の隙間に冷気が忍び込んできて寒い。少し歩いて帰ろうかとも頭を過ぎるが足は前に出ていた。昨日の自分よりも1歩先へ、それがここ1年程心がけている日課だ。少し耐えて歩いた先には何か新しい発見があるかもしれない、そんな淡い期待を持ちながら歩みを進めていく。

最近気に入っている散歩コース。トンネルを抜けると木々に囲まれた林道になっていて、その先には小川があって、まるでジブリの世界に紛れ込んでしまったかのようなそんな気分になる。

林を抜けて、小川を超えてスグそこは森の中、という時に再び風が吹く。その刹那、見た事も無いような景色が眼前に広がった。

舞い上がる粉雪と空

細やかな雪が風と共に踊り、有象無象に飛び跳ねている。それらにスポットライトを当てるように太陽が優しく照らし、反射してキラキラと輝く。まるでスターダストを見ているようなそんな非日常感がそこにはあった。

今日、歩かなければ見れなかった特別な世界。冬と春の狭間の中で2つの景色が遊んでいるかのような素敵な景色だった。

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