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『芋粥』

『芋粥』
芥川龍之介著
平安時代の役人である五位(職位:名前は、出てこない)が、自分の夢である芋粥を飽きるほど食べるという話。

芥川龍之介が、ゴーゴリの『外套』の影響を受けてつくられた作品と言われている。

まず、主人公の五位の外貌や境遇は、ほぼ、『外套』に出てくるアカーキイ・アカーキエウィッチ。

主人公はいずれも、貧しくて、周りから嘲笑されている。赤鼻で口髭が薄く、目がしょぼしょぼしている。同僚から嫌がらせを受けても無反応で、笑ってごまかしたり黙って耐えたりするのだけど、時には自分を守るために怒りや不満を口にしたりもする。

話の展開や結末では、どちらの作品も主人公が夢や欲望を叶える機会を得るのだけど、それが幸福につながらない。

確かに、両作品似たところはあるのだけど、そもそもが、全然違うと思うのだけどね。


欲しいと思って、手に入るものと、手に入らないものがあると思う。
だいたい、必要なものは、手に入るようにできているような気がするのだけどね。

芋粥ってそんなに美味しいものなのだろうか?まあ、ある程度の身分でないとたべられないのだろうけどね。

本書のテーマってなんだろうと思った。そうすると、「願いは叶ってしまうと案外むなしい」ってことになってしまうのだろうけどね。

美味しい鉄板焼きを食べたり、美味しい寿司を食べたり、した時、さほど虚しさは感じないのだけどね。支払いの時は、こんなに食べてしまったのか!おーってなるので、虚しさというより、「ヤバい」って感じなのだと思う。これを食べるのが夢だみたあなことは、あまりないからね。

夢というとよく資格をとるみたいな話も聞く。でも、資格は、取ってしまえば、何のことはないから、あれは、確かに、やや虚しいね。

まあ、そうは、言っても、全部ひっくるめて人生なのだなあと思うと、今のところ、虚しいとか、儚いとは思うことはあまりなくで、そういう意味では幸せなのかもしれないと思った。

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