新型コロナウイルスに対する心の持ち方③
この一年は、新型コロナウイルスのために生活に変化が求められ、ストレスに感じた人が多いと思います。ストレスは、一般的に使われるようになった言葉ですが、その特徴を十分に理解している人は少ないかもしれません。
ストレスには個人差が大きい
ストレスにはいくつかの特徴があり、その1つに個人差の大きさがあげられます。同じ状況でも、負担に感じる人と、感じない人がいるのです。
例えば、冬になって雪が降りだす状況について考えてみます。雪が降らない地域で生まれ育った人は、ストレスを強く感じるかもしれません。しかし、雪国の人は、慣れているので大きなストレスとはならないかもしれません。ウィンタースポーツが好きな人にとっては、ストレスどころかワクワクするかもしれません。このように同じ雪が降るという状況に対しても、受け止め方はそれぞれ違います。
考えてみれば当たり前のことですが、「自分が若い頃には、もっと厳しく怒られたのに、このくらいで休むなんて...」とか、「たかが失恋でこんなに落ち込む?」と言った発言を聞くと、個人差の理解が案外難しいと分かります。なぜ難しいのかと言うと、私たちが自分以外の人間になったことがないからです。推測はできますが、本当の意味で相手がどう感じているのかは分かりません。結局は自分の物差しでしか測れないのです。それは仕方ないですが、他人の感じ方は自分と異なることを理解する必要はあります。
人によって適切な時間は異なる
今、新型コロナウイルスによりどんな人にもストレスがかかっています。気軽に遠出ができないですし、会いたい人にも会えない状況です。消毒やマスクも必要です。そのようなストレスも人によって受け止め方が違います。強いストレスと感じ、不安が高くなる人もいれば、比較的ポジティブに捉えている人もいます。感染が広がった当初、どんな人にとっても経験のない事態だったので、ほぼ全ての人は不安を感じていたと思います。しかし、問題が顕在化して1年ほど経ちましたので、感じ方の差は大きくなっています。
自然災害のときもそうですが、時間の経過と共に心理的動揺がおさまる方が増えてきます。一方で、回復に時間がかかる方もおり、そのような方が「なんで自分は他の人みたいに前向きになれないんだ」と落ち込むことがあるのです。今回も、同じことが起こっています。その際、ストレスに個人差があることを理解していれば、不安がおさまらない自分に焦る必要はありません。人によって、回復に必要な時間は異なりますので、他の人に合わせようと頑張り過ぎないでください。