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不安との付き合い方③

前回は、不安は生き物にとって自然な反応であり、必要な反応という内容を書きました。

不安や恐怖を感じる相手に直面すると、交感神経が働きます。呼吸が激しくなり、心臓が激しく動き、血の巡りが早くなります。体がスムーズに動くための準備をしているのです。

闘争or逃走

ライオンに襲われたシマウマを例にとって考えてみましょう。この時、リラックスした状態でいると、素早く動けず食べられます。交感神経が働いていると、スムーズに動くことができ、逃げ切れるかもしれません。反対に、「窮鼠猫を噛む」のように、追い詰められた動物は恐怖の対象を攻撃することもあります。シマウマがライオンを攻撃することはまれですが、反撃に転じる動物もいます。

これを「闘争・逃走反応」と呼びます。恐怖や不安にさらされると、身を守るために逃げるか?戦うか?の反応を示すのです。

避けると悪化することも

不安を感じた場合、その対象を避けることは、動物が生きるために必要な反応です。しかし、避けることで状況が悪化することもあります。

例えば、ある人が恋人にひどいフラれ方をしたとします。異性との関わりに不安を感じ、避けるようになるかもしれません。避けることで「異性は怖い」というイメージが続き、場合によっては悪い記憶ばかりが強調され、かえって不安が増大することがあります。本来は、自分の身を守るために避けるのですが、かえって不安が増大し、行動を狭める結果となってしまいます。

スモールステップで触れる

恋愛に限らず、このようなことは多々あります。小さい頃に犬に追いかけ回された人は、犬をみると不安になり、避けるかもしれません。もし犬嫌いをなおそうとするならば、少しずつ犬に触れ、「大丈夫」という感覚を積み重ねる方法があります。友人の飼い犬ではなく、盲導犬なら触れられるかもしれません。触れることができないなら、手が届かない範囲にいて餌をあげることなら可能かもしれません。このように、できるだけハードルを下げ、スモールステップにして触れ、成功体験を積み重ねるのです。

不安への対処法の一つはこれです。緊急事態に避けることは有効ですが、緊急事態でなくなれば、少しずつ触れて安心感を取り戻すと不安は和らぎます。

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