「ネガティブ」を「ポジティブ」に
■ ネガティブ思考の悪影響
ネガティブ、マイナス思考、後ろ向きなどからは、悪い印象を受けがちです。「物事をそんな風に考えないで、明るく、前向きに生きていこう」「ネガティブな考え方は、修正した方がいい」というのが一般的だと思います。これまでの研究によって、ネガティブに考えることは精神面はもちろんのこと、身体面への悪影響も指摘されています。ですから、ポジティブな方がよいという考えはある部分で正しいです。
カウンセリングをしていても「ネガティブな考え方をポジティブにしたい」と言われることは多いです。カウンセリングには、そのための方法がいくつか存在します。けれど、本格的なカウンセリングをする前に、1点だけポジティブに考えてみることで、ずいぶん楽になることがあります。
■ ネガティブに考えることをネガティブに考えている
それは、ネガティブに考えること自体をポジティブに考えてみるということです。そもそも、自分の考え方はダメだ・ポジティブに変えたいという発想は、ネガティブな考え方をネガティブに捉えているのだと思います。どんな物事にも良い面もあれば悪い面もあるように、ネガティブに考えることにも、良い面があるはずです。例えば、「現実にショックなことが起こっても和らぐ」とか、「最悪の事態に対して準備ができる」とか、「悪く考えて自分に厳しいから成長していける」とか…。
■ ネガティブ思考の有効活用
以前、『プロフェッショナル』という番組で左官職人の方が出ていました。その人は、もともと臆病で、そのことをコンプレックスだと感じていたそうです。けれど、壁を塗るときは、ああやって失敗するんじゃないか?こうやって失敗するんじゃないか?と考えるからこそ、念には念を入れて、丁寧な仕事になるのだと言っていました。これは、ネガティブ思考の有効活用ですよね。
このように、ネガティブに考えることにも意義を見つけられれば、ネガティブに考えている自分は肯定されるので、しんどさは減ると思います。
ですから、ネガティブな考えをポジティブに変えたいと思うとき、まずはネガティブ思考のポジティブな面を探してみるといいですよ。
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