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やる気スイッチの入れ方④

前回に引き続き、自分をやる気にさせる方法について書きます(前回の記事はこちら)。

やる気スイッチを入れることを、少しかっちりした表現に直すと「動機付け」と言います。心理学では、動機付けを二つに分類する考えがあり、「内発的動機付け」と「外発的動機付け」と呼びます。

外発的動機付け

外発的動機付けは、平たく言うと「ご褒美のためにやる」ことです。多くの人は、給料をもらえるから働いていて、それは外発的動機付けです。「ノルマを達成したら、ボーナスがもらえる」という仕組みは、外発的動機付けを強化しています。「お片付けしたら絵本読んであげる」とか「次のテストで90点以上取ったらスマホを買ってあげる」といったように子育てでもしばしばみられます。

外発的動機付けの特徴は、仕組みがシンプルということです。動機付けるために、報酬を設定するだけです。しかし、報酬がなくなると動機付けが持続しにくいデメリットもあります。

内発的動機付け

一方で、内発的動機付けは、「自分がやりたいからやる」ことです。趣味は、内発的動機付けによる行動がほとんどです。今、キャンプが流行っていますが、準備をして、遠くまででかけ、寝心地の悪いテントで寝て、片付けも手間がかかるといった作業を考えると面倒くさいです。それでも非日常が味わえたり、自然に癒されたり、外で食べる食事がおいしかったり、それ自体が楽しいから行くわけで、内発的動機付けによる行動です。
仕事は報酬が貰えるので外発的動機付けではありますが、それ自体にやりがいや達成感を感じているのなら、内発的動機付けにもなっています。

内発的動機付けの特徴は、目標を達成しても、次の目標を自分で探し、どんどん高めていくところが挙げられます。結果、パフォーマンスも高いです。外発的動機付けではこうはなりません。報酬をもらうことが目標なので継続的に高めることは難しくなります。

やる気が出ない時の工夫

実は、勉強や家事といった作業は、動機付けが難しい部類のものです。仕事はお金がもらえるので外発的動機付けがされており、ある程度、負担があっても耐えられます。しかし、勉強や家事は、報酬をもらえる仕組みになっていません。そして、多くの人にとっては「やらなければならないもの」だからやっている場合が多く、楽しい作業とは言えません。ですから、内発的動機付けにもなりにくいのです。

「やらなければならない」けれど、「やる気がおきない」。こういう経験をする方はたくさんいると思いますが、こんな時、どうしたらいいでしょうか?

内発的動機付けの方がパフォーマンスが高いことは、多くの方が肌で感じおられます。そのため、勉強自体を好きになる、家事を楽しむといったように内発的動機付けにしようと工夫される方がおられます。うまくいけばいいのですが、もともと面倒なものの中に好きな部分を見つけることは難しく、挫折しがちです。

そんな場合は、まず外発的動機付けで意欲を持ち上げてもらう方法もあります。普段、SNSをみるのが楽しみな人は、家事が終わった後のご褒美に設定するのです。ゲームが楽しみな人は、勉強が終わった後にゲームをするといったように順番を入れ替えることで外発的動機付けとなります。

仕事は給料が報酬になっていますが、それは当然のようになってしまい実感が得られにくい場合があります。頑張って仕事に取り組んだ日は、夜にハーゲンダッツを食べるというように、自分が頑張りたいと思えるような小さなご褒美を設定してみるのもいいかもしれません。

元気がなくて、仕事や勉強、家事に対して意欲がわかない時、外発的動機付けを意識してみると良いかもしれません。

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