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3人グループは難しい

新年度になって1ヶ月ほど経ちました。
学生であればクラス替え、社会人であれば部署異動があり、人間関係が固まってきた頃でしょうか。

新たな人間関係を作るとき、うまくいかないこともあります。その中で、3人グループの難しさについて、時々、相談を受けます。

「AさんとBさんだけで話が盛り上がり、自分は蚊帳の外なので疎外感を感じる」
「Aさんだけが好きな話題をすると、Bさんがそっけなくなるから気を遣う」
「AさんとBさんが、裏でそれぞれの悪口を言ってきて、返答に困る」
などです。

これを解消するお手軽な方法はないと思いますがが、知っておくと役立つ理論はあります。

社会心理学の教科書には必ず出てくるハイダーのバランス理論というものです。ハイダーは、3つの関係のプラスとマイナスをかけ算して、プラスになればバランス状態。マイナスになればアンバランス状態と仮定しました。そして、人はバランス状態を好み、アンバランス状態だとそれを修正しようとする意識が働くと考えました。

わかりにくいので例を出します。

映画を好きな恋人がいた場合、自分が映画を好きでないなら、3つの関係をかけ算していくと「ー」。アンバランス状態になりますので、バランス状態になるために、自分も映画に興味を持つようになるかもしれません。

先程の「AさんとBさんが、裏でそれぞれの悪口を言ってきて、返答に困る」という例では以下のようにやっぱりアンバランスになります。

これをバランスよくするためには、以下のようなパターンが考えられます。
・「Aさん」と「Bさん」の仲が良くなるように働きかける
・「Aさん」とだけ仲良くする
・「Bさん」とだけ仲良くする
・全員で嫌い合う

せっかくグループになったのですから、全員で嫌い合うのはもったいないです。「Aさん」と「Bさん」が仲良くしてくれるように働きかけるのが平和的な解決です。しかし、現実にはそれが大変なのかもしれませんね。

もう一つの例、「AさんとBさんだけで話が盛り上がり、自分は蚊帳の外なので疎外感を感じる」でも考えてみましょう。

実はこれ、自分にとっては不快な状態ですが、バランスは取れていることになります。ですから、何か働きかけないと「Aさん」「Bさん」にとっては変える必要のない状態です。バランス理論では、アンバランスだとバランスを取ろうと意識するようになるので、まずは、「Aさん」か「Bさん」の仲良くしやすい方から仲良くなってみるとどうでしょうか。アンバランスになるので、もう一方も自分と仲良くしてくれるかもしれません。

いかがでしたか。3人グループの難しさを直接的に解決してくれる方法ではありませんが、方向性は示してくれるかもしれません。




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