第18話　リハビリ１０　2021年8月11日　さようなら、外脛骨

　朝食後に体重測定。1キロだけ痩せていた。食事のおかげだろう。
　昼食後にリハビリ。コロナが明けたらなにがしたいかという話題に、トレーナーは「ビアガーデンに行きたい」という。週末友人たちとビアガーデンに行くのが定番となっているようだが、コロナ騒動以降一度も行けていないとのこと。自分が感染することより自分のせいで周りが感染してしまうのが怖いと言うのに同意する。僕はビアガーデンに行ったことはない。特になにか理由があってというわけではなく、タイミングの問題だろう。いろいろ考えた結果酒を絶って5年になるので飲酒欲はなくなったが、話を合わせる。
「有名人が飲みに行って炎上したりしてますね」
「一般人でよかったなって本当に思いますよね。マンウィズみたいに覆面してたら別でしょうけど」とトレーナーが笑う。
　覆面バンドといえばビート・クルセイダーズではなく、マン・ウィズ・ア・ミッションなのが今の世代なのだろう。ビークルの名前を出したところで「なんですかそれ」という反応だ。現役であればまだ通じるかもしれないが、10年以上前に解散している上にフロントマンのバンドが無名なので当然だろう。僕はマンウィズに関しては狼の覆面をしているということだけしか知らない。30を超えると新しいものがわからなくなる。ただの言いわけだと言われればそれまでだが。

　シャワーのギプスカバーの際アジアンのライトブルーのブラジャーと小ぶりの乳が見えてしまった。顔をずらせば乳首まで見えただろうが、見ていることがアジアンに気づかれているのではないかという不安が過ぎり、目を瞑って奥歯を噛み締めて我慢した。しかしその後のオナニーは我慢できなかった。ブラジャーも生乳も10年以上ぶりであったため興奮度は予想以上であった。ネタにしてしまったことをこの場を借りて謝罪する。僕の熱視線もスタッフステーションでネタにされているだろうからおあいこということで。