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バーベルと遊ぶ男

先日、スーパー銭湯に出向いた。 サウナや水風呂をひとしきり堪能した後、 露天になっている岩風呂に、ゆったりと 浸かっていると、やたらと日焼けをした、 茶髪にピアスのスリムな男、(推定28歳くらい)と、 その後輩に当たると思わしき、小太り色白の男(推定25歳くらい)が、僕の浸かる湯船に入ってきた。 色白小太りは、「ザ・後輩」といった感じで、 その茶髪にピアスの日焼け男の云うことに、首がとれそうなぐらい大きく頷きながら、反応している。 僕の左となりに「日焼け」(先輩)、その向こう

    • タイムトラベル

      僕は、現在、178㎝100㎏。 ベンチプレスは150kg、スクワットも180kgを挙げる。 そこそこマッチョなのだ。 しかも、頭もスキンヘッド。自分では優しさを売りにしているつもりだが、いかつく見えてしまうこともあるだろう。 そんな僕だが、当然、子供時代はあった。子供時代は、とても華奢で、しかも病弱。ガリガリで、力の弱い貧相な子供だった。その反動なのか、僕は幼い頃から「マッチョ」に憧れ、インターネットのないその時代、マッチョが出演するとされるテレビ番組をチェックして欠かさず観

      • ホーミー教室完結編

        2回目のホーミーのレッスンを終えた。 仲間が増え、初回の時には無かったテキストを入手しただけで、これといった進展はなかった。 「うえぇ」という志村声をただひたすら、繰り返し、「うえぇ」という発生については、なにも考えずに繰り出せる。「うえぇ」に関しては上達している。ただ、「うえぇ」の上達が、ホーミーの上達なのかは定かでない。ホーミー先生は、僕の上達した 「うえぇ」を 「アザラシでもだせないんじゃない、              そのうえぇ。」 と、誉めてくれてるので、まあ、よ

        • ホーミー教室3

          ホーミーの説明と、ホーミーと福神漬けに存在する「カドのない優しさ」という難しい概念、 そして、ホーミーの基礎となると思われる「志村けんバリの発声法」を学び、僕の、ホーミー教室初日は幕を閉じた。 申込用紙記入の誤記入から、見たことも聞いたこともないホーミーを習うことになった僕。しかも、マンツーマンで。 しかし、その怒涛の初日を終えたあの頃の僕は、なぜか、とても清々しい気持ちでいた。 残り7回のレッスンで、ホーミーをものにしてやろう、そんな想いが、この清々しさの仕組みであろうか。

        バーベルと遊ぶ男

          ホーミー教室2

          そんなこんなで、僕は、断ることもできず、ホーミー教室に参加する運びとなった。 場末のスナックの様相のホーミーの先生は、 「じゃ、先にお部屋にいっててちょうだい」 と僕に言い残し、再び事務室の奥へと消えていった。 ホーミー教室は、建物の2階だった。防音壁の施された部屋だ。隣は、たしか、カラオケ教室だったように記憶する。 「そうか・・・ホーミーとやらは楽器か何かなんだな。」 カラオケ教室と並んでいて、壁は防音。となれば、 大きな音を発する何かであることには違いない。 教室において

          ホーミー教室2

          ホーミー教室1

          これまた若い頃の話になるが、当時お世話になっていたとある会社の社長さんが、古いビルを手離し、新しいビルに移るとのことで、その、引っ越しを手伝った。 四階建てで、各フロアにガランとした部屋が2つずつ。 一階は応接室と受付のような作りになっている。 カルチャーセンターのようなもので、一階を除く各部屋では、習い事教室に貸し出すのである。 なので、引っ越しといっても非常に簡単なものだった。 社長とその会社のスタッフ二人と僕だけで、すべて片付いた。 社長は僕に日当をくれようとしたがいつ

          ホーミー教室1

          本物の妖精

          僕が居酒屋で働いていた頃、 一人で来店する女性客がいた。 彼女は、40才くらいで、色白、 ポッチャリ体型だ。本人曰く、アメリカ西海岸 ではよくもてる体型なのだそうだ。 仕事は「病院勤務」。看護婦長をしているらしい。 彼女はいつもカウンターの端の席で、妙に身体をくねらせながらいつもチューハイを呑んでいる。 僕も仕事なので、カウンター越しに彼女の話し相手もしなければならない。彼女はいたって真面目なのだが、とても面白い話をする。 彼女がまだ二十歳くらいの頃、彼女曰く、もう、そのむち

          本物の妖精

          逃げろ!ドブネズミ!

          僕が小学生低学年の頃だと記憶するが、 当時、近所に、中華屋さんがあった。昔ながらの町中華というやつだ。その店には、僕より一学年下の男の子がおり、通学の班も同じだったため、そこの大将、すなわち、その男の子のお父さんとも顔なじみだった。 あるとき、その中華屋さんの裏口にあたる道路を歩いていると、なにやら「チューチュー」「ガタガタ」と聞こえる。 「?」 なんだろうと思った僕は、そちらの方に目をやると、小さなカゴのなかにネズミが三匹ほど入っている。 灰色をしたその身体から、ドブネズミ

          逃げろ!ドブネズミ!

          UFOを呼び寄せる

          UFOとか UMAとか オバケ が好きというか、 その類いの特集テレビ番組が いまだに好き。 信じる信じないはどうでもよくて 見たことないものをあーだこーだ 取り上げてる時点で、とてもワクワクする。 子供の頃に観た番組で UFO研究家だという人が UFOを呼び出す方法を伝授してくれた。 呼び出せる時刻は 深夜12:00頃 皿に乗せた厚揚げと 懐中電灯 そして、呪文。これらが必要なのだそうだ。 我々よりも遥か上を行くであろうハイテクな 宇宙人も、地球人の産物である厚揚げに強く関

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          小学生の頃の思い出シリーズ②

          最近の若い人に、 「今日、13日の金曜日だね」 と云っても、 「はぁ、なんすか?それ。」 という態度をとられる。 キリストの・・・とか、 13という数字が不吉・・・とか、 色々、諸説あるのだが、 英語圏の国々では、あまり良い日とされていない 13日の金曜日。 そこから誕生したのが、 ホラー映画「13日の金曜日」である。 その映画に登場する殺人鬼、ジェイソン。 子供の頃、テレビのロードショーで 度々、放送されていた。 よって、僕らの世代にとって、

          小学生の頃の思い出シリーズ②

          小学生の頃の思い出シリーズ①

          僕が小学生の頃、 「ねりけし」 というのが流行った。 消ゴムなのだが、手でこねると形が変形したり、 ひっぱると伸びたりする。 もともとはそれで消すとケシカスがでないとか、 たしか、そんなものだったと思う。 でも、実際に消ゴムとして使うものはほとんどいなかった。 みんな、手でこねこねしている。 メーカーもその人気にあやかり、 多種多様な製品を出していた。 僕が買ってもらった唯一のそれは、 コーヒー牛乳の形をしたケースに入り匂いもまた、コーヒー牛乳の匂いがするものだった。 そんな

          小学生の頃の思い出シリーズ①

          スーパーでの出来事

          妻に頼まれた夕飯の食材を買いに、近所の大型スーパーへ。 ここは、平日の日中でも、いつも混雑している。 僕は、妻に託されたメモを片手に、カートを押しながら食品通路を彷徨っていると、 2歳くらいの女の子が裸足であるいている。 迷子かなとも思ったが、泣いているわけでもないし、お菓子売り場の付近だったため、 そのままにしておいた。 そして、僕は、メモにされた食材をすべてカゴに納めたので、レジに向かう。 すると、レジ付近で 「みゆちゃーん、どこー?」 と、呼び掛ける若いお母さんらしき姿

          スーパーでの出来事

          銭湯での出来事

          先日、近所のスーパー銭湯に行った。 いくつかの湯船に浸かり、その後、サウナへ。 雛壇上になった一番下の段に僕は座った。 すると、後ろの男性二人の会話が聞こえてきた。 「サウナ来るときはいつもメガネなんだけど、今日はコンタクトで来ちゃったから、さっきもそこでつまずいたよ」 とかなんとかいっている。 どうやら彼は、お風呂に入るがためにコンタクトを外したようだ。確かに、サウナにコンタクトは危険と聞いたこともある。でも、そんな僕はコンタクトしたままサウナに入っているが。それはさておき

          銭湯での出来事