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パフォーマンスを上げるための体幹トレーニング−実践編②−

C-I Baseballの増田稜輔です。
今回も野球現場で活動するために必要な知識をお伝えしていきます。

セミナー情報

2022年12月3日21時より開催
「投球動作のバイオメカニクス-治療・トレーニングへの応用−」
講師:内田智也先生
zoomにて開催


C-I Baseballトレーナーマニュアル

○野球現場編○臨床編の2部構成で
毎週noteを配信しております!
トレーナーマニュアル
の概要は以下をご覧下さい!

C-I Baseball育成プログラム

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今回のテーマは
「パフォーマンスを上げるための体幹トレーニング〜実践編②〜」
ついてお話していきます。
体幹トレーニングの実践編は全2回のシリーズでトレーニング方法と目的などを中心に解説していきます。
実践編②では
・先行的筋活動
・姿勢制御
・動的安定性

について解説していきます。

■はじめに

体幹トレーニングは腹圧を高め「剛体化」するイメージを持つ方は多いです。腹圧を高めることもとても重要ですが、パフォーマンスに繋げるにはその先を考えていく必要があります。
「前提条件」として構築した○可動性○腹圧上昇に加えて「四肢の動きに協調した体幹機能」が必要になります。

体幹における重要な機能

体幹機能には身体支える(静的安定性)だけでなく、四肢の動きをコントロールする(動的安定性)も必要となります。

静的安定性では前回の記事でお伝えした「腹圧」が重要になります。
今回お伝えする動的安定性では四肢を動かした際に生じる「動揺」を制御(コントロール)することが重要になります。

投球動作で考えてみましょう。
投球動作時に体幹は伸展・回旋・側屈の複合運動が起きます。
この時に「体幹が伸展しすぎてしまう」と力をボールに伝えることはできません。ボールに力を伝えるには「伸展する動き」に対して「伸展しないようにする力」が働くことでブレーキがかかりボールに力を伝えます。
つまり「伸展しないようにする力」=体幹の動揺を制御する機能となります。

なので、体幹トレーニングでは「腹圧を高める」だけではなく
「四肢の動きによって体幹が動きすぎない」ようにする動作制御を構築することが求められます。

■先行的筋活動

野球パフォーマンスのために体幹トレーニングを行うのであれば「動き」を加えていく必要があります。
「動き」を加えて行く際に必要になるのが「先行的な体幹の筋活動」です。

上肢・下肢を動かす際には必ず重心の変化が起こります。
この重心の変化を事前に察知して姿勢制御するために「体幹筋は先行的に活動」
しています。なので、体幹トレーニングでは、姿勢の変化に伴う、予測的姿勢制御を活性化させるメニューも必要になってきます。

○トレーニングの注意点

先行的な体幹の筋活動を活性化するためには、各ポジションでの上肢・下肢の運動を行います。この際の運動速度が重要になってきます。

下記にような研究結果があります。
運動速度を変えて歩行開始動作を行わせた結果、運動速度が速 い場合は、遅い場合よりもヒラメ筋抑制開始と前脛骨筋の放電開始の時間差が有意に短縮する こと、つまり早期から前脛骨筋が活動していることを示しており、運動速度が遅い場合には、 前脛骨筋の放電が消失したと報告した

Crenna and Frigo[1991]

つまり、運動速度を速くすることで、動作が不安定になり重心の動揺が大きくなります。そのため姿勢調節の必要量が大きくなると考えられます。
今回の紹介した研究結果は歩行中の前脛骨筋の話ですが、同様のことが体幹筋でも生じると考えられます。
つまり、体幹筋のトレーニングをする際も、動作速度に注意して行う必要があります。

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