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プロセス整理 -Step3 認知・共感-

1、背景説明

 地域デザイン7Stepは、私が学生時代からエピテックの活動を通して培った地域プロジェクト立ち上げや地域コミュニティ創造に向けたノウハウを整理した手法です。ここでは、全7つのプロセスを1つずつご紹介していきます。

 今回は、「Step3 認知・共感」です。


2、ポイント

 「Step3 認知・共感」のポイントは、なるべく少人数で役割の異なる中心人物を集めることです。なぜなら、人数を少人数にすることで意思決定を素早く進めることが重要になるからです。私は、個人的に3人で動くことをお勧めしています。

 プロジェクトを進める中で、ピンポイントで明確な役割の人手が足りない時に、具体的に協力を要請する流れがもっともスムーズです。


3、役割分担

 私が勧める役割分担は、3タイプです。

1つ目は、主に自治的施策・地域づくりの側面に詳しい「地域コンセプトプランナー」

2つ目は、主に経済的施策・地域活性の側面に詳しい「地域アクターズプロデューサー」

3つ目は、主に情緒的施策・地域おこしの側面に詳しい「地域グラウンドマネージャー」

です。

 詳しくは、下記の学会誌に掲載した私の論文にまとめています。気になる方はご一読ください。


4、分担の意義

 ここからは、なぜこの役割分担が重要なのかを整理していきたいと思います。

 私は、地域振興において重要なことは、地域に根差した民間が中心に活動することだと思っています。すなわち、地方創生活動を実践する人は、国や行政でもなく、関係人口として関わるよそ者でもありません。実践する人は、その地に根差した地域住民または地域に根差す覚悟を持った移住者です。

 この考え方は、新型コロナウイルスにより感染症の拡大で、外からの交流を絶たざるを得なくなってしまった社会でより重要さが増しました。

 話を戻します。すなわち、地域振興において、チームを組む場合、地域住民の間で役割分担を行うことが大切です。

 まずもっとも重要なポジションは、地域グラウンドマネージャーです。地域住民との交流の幅が広く、企画実践を行う時に、地域住民と話し合い、折り合いを作ってくださる地域のキーパーソンです。

 次のポジションは、地域アクターズプロデューサーです。地域プロジェクトを世間のニーズに合わせて、どのようなブランディングを目指すか、ターゲットを明確にしてアプローチできる人です。このポジションは、地域外の人がフォローすることも可能かもしれません。しかしながら、地域住民が困った時に素早く動けない場合は、プロジェクトが止まってしまうため、地域住民に考えを共有できる人がいるかが重要です。

 最後に地域コンセプトプランナーです。このポジションは、地域外の人に任せやすいポジションです。この役割の人は、中長期的に重要な役割を担うことが多いです。市町村に新しくできる施設の活用法や国が推し進める政策に新しいプロジェクトを寄せていく知恵を持った人材です。今のタイミングですと、ふるさと納税の返礼品を目指すこと、SDGsを意識した取り組みであること、インバウンド解禁のタイミングに合わせた対策などがあげられます。

 このように地域内の調整・地域外の調整・政策との調整といったようにプロジェクトに多角的な人が関わりやすいような環境を作ることが重要です。


5、ポイント整理

 「Step3 認知・共感」のポイント整理を行います。

①主に自治的施策・地域づくりの側面に詳しい「地域コンセプトプランナー」

②主に経済的施策・地域活性の側面に詳しい「地域アクターズプロデューサー」

③主に情緒的施策・地域おこしの側面に詳しい「地域グラウンドマネージャー」

 私はこのプロセスでは、この3つのタイプの人との役割分担を大切にしています。


6、次回について

 次回は、「Step4  拡散・トライアル」について整理します。いよいよ、組閣が出来上がった上で、どのようなプロジェクトを行っていくのか紹介していきます。よろしければ、次の記事もご参照ください。



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