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公演減らしてショー増やす宝塚のズレで過重労働がループ

星組東西公演の合間に礼真琴トーク&ライブ、雪組大千秋楽の翌日出発の韓国ツアーに朝美絢トークライブが入れ込まれた。

普通に考えてもハードスケジュールな上に、サヨナラショーもある公演だ。


礼真琴は事件前でさえ『1789 -バスティーユの恋人たち-』の中断中止が起こり、朝美絢に至ってはお披露目の準備を進めるタイミングである。

心配しない方がおかしい。


礼真琴のイベントが発表された時は、桜木みなととのコラボCD&Blu-rayのためと思えた。

色々な意味で正念場の同期のために、多少無理をしてでも盛り上げたいのは分かる。


宙組公演『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』は、110周年の「タカラヅカスペシャル2024」を宙組公演にしたようなものだ。馴染みの曲ばかりなので分かりやすく、テンションが上がる。本家やそれぞれ初めて観た時などがチラつくものの、それを許してくれる余白もある。評判通りの満足感だった。


一方でタカスペシステムは、あくまでも既存ファン向けだ。「この人にこれをやって欲しい」で成り立っている。新規ファン、ましてや宙組に不信感を抱いている層を取り込むのは厳しいとも感じた。

再演の全国ツアー、次の『宝塚110年の恋のうた』も同じようなシステムだろう。

宙組が内向きになるのは仕方ないとはいえ、今後を考えると新規ファン獲得は急務だ。


しかし朝美絢の韓国ツアーは、お披露目前だというのに既存ファン向け過ぎる。『愛の不時着』関連で色々あるついでかもしれないが、それはそれで過重労働の不安が募る。

何より大金が動く旅行。今の人気を手っ取り早く換金してしまおう、という印象が強い。


週刊誌にリークされた内容は、下級生目線の愚痴が多い。下級生の負担を軽くするために公演を減らし、生徒がやっていた仕事をスタッフへ回す。当然利益は下がるため回収しようと、トップスターの負担を重くしているように感じる。

トップスターの負担が重い→組子に支えさせる→下級生の負担が重いリーク→トップスターの負担へ……という無限ループになりそうだ。


花組では永久輝せあのトップスター大劇場お披露目公演で、同期の綺城ひか理の退団が発表された。いかにも「同期として支えて」という要望で呼び戻された感満載だったため驚かれた。

また星組で暁千星を支える要望がありそうだった、天華えまも退団している。


花組前任の柚香光には水美舞斗、星組の礼真琴には瀬央ゆりあが同期として支えていた。同じ展開を予想したファンは多かったように思う。

一方で95期の(元)トップスターと現専科は、生え抜き同士で配属時から一緒であった。新人公演から支える場面が多く、トップ就任後も当時の延長線上にあった。


しかし綺城ひか理と天華えまは、組内同期の最有望株として育てられていた。支えられる御曹司候補として育成されたのに、他組から同期の超御曹司を入れ込まれ支え側に回される。

本人以上にそれを支えるファンや、憧れ慕う下級生が切り替えにくいように思う。


そもそもタカラジェンヌは、家族やファンが多方面から支え成り立っている。

つまりスターにトップスターの支えを求めるというのは、そのスターを支えている家族やファンにもトップスターを支えてることを強要している。下級生も同じかもしれない。

そう考えると「同期のスターを支えてるスター」として人気を得た面がないと使えない、生え抜き同期限定の手段であった。


特に近年、宝塚OGの活躍の仕方も多様化している。ついてくれたファンをトップスターの支えに捧げるより、自分自身で何かしようとするのも自然な流れである。

トップやスポンサー付きのような契約事情が絡まない限り、宝塚に縛り付けることも出来ないだろう。


つまり「トップスターを支えるスター」を用意するのも、どんどん難しくなっていく可能性が高い。さらに下級生の負担減をトップスターに負わせる予感なのだ。

文章や口頭の説明ではなく、もっと明らかな配慮を見せて欲しい。

楽しむためには、安心が必要である。


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