マガジンのカバー画像

自由律

28
運営しているクリエイター

2022年4月の記事一覧

6+α

6+α

過ぎ去った春にも気付かず まともなのは薬にまみれても美しい公園の花だけ

均等な距離感で何事もなかったかのように自己責任で進めという はしごを外す音

ひっそりと剥き出しになるコンクリートが息をする

すべての景色が強烈 怖がりは見ないふり せめて逃げ場があれば

ずっと鳴り響くことは 思い思いに掲げるだけ 真っ青な空

真似できないから取り繕う 気にしないように これは取り扱い注意 嘘ついたら針

もっとみる
5

5

○校庭で追いかけ回す 先生 センセーション 情報の出入り口 スプリンクラーだけが笑う

○上も下もなく 加工 下降 気流に乗り すっかり薄くなった爪を噛む

○嘘つき誰だ 世界 どんな風に あれから変わったのか 答えなど最初からない

○商売道具のからくり 身体の一部になる鳴るバレる 湿る空気を仕舞う

○白昼の満月 午後だけがゆるやかになる あの空き地は私のものだったのに

5

5

説明をしないで生きていけるならそちらが良い春の宵

擦り切れる感じがする騙していないけれど騙しているし騙されている

金輪際触れられないようにして地中に埋めてしまおう新しい出会いも嘘も

聞いたことのない生き物の声 葦高く 呆然と見上げる茜空

息を吐き出しても なにもわからない初夏は すぐそこ