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#120 本の歴史と、本が普及した3つの技術的理由!

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

お知らせ

本題に入る前にお知らせをさせてください。
ソーシャルグッドな紙の作り方や使い方を提案するプロジェクト「Paper for good」第1弾の商品がリリースとなりました!
紙からできた、地球にやさしいピクニックシート「CITON(しとん)」です。
職人が一枚一枚手で揉んでシワを付けた和紙が4枚重なった贅沢なシートで、まるで綿が入っているかのような座り心地です。
色は、自然をイメージさせる淡いブルー、ピンク、グリーンの3色展開です。
シートを入れるオリジナルのバッグも付いており、ギフトにもピッタリです。
この「CITON」をもってピクニック行くことによって、ピクニックの満足度が5~10倍に跳ね上がるとも言われています。
既に予約開始となっており、ご予約いただいた商品は、5月から順次発送予定です。
番組の概要欄に、オンラインショップのURLを貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。

さて、本題に入っていきたいと思います。

本読みますか?

突然ですが、皆さん、本は読みますか?

僕は、ほとんど読みません!
なぜなら、文字を読んでいると、とてつもない睡魔に襲われるからです!(笑)
序章とかまえがきの段階で夢の世界に入れる自信があります。
完全に文字が苦手な種族に分類されます。

とはいえ、本当に気になったものとか、知識を深めたい分野の本は、眠たい目をこすりながら読むようにしています。
年に10~15冊と言ったところでしょうか?

いっぱい本を読んでいる人を、すごいと思うし、うらやましいなぁと、いつも思います。

という訳で、今回は、そんな本にスポットライトを当ててみたいと思います。

本って今では当たり前のようにありますが、いつ、どこかで発明されて、普及していきました。
という訳で、まずは簡単に本の歴史を振り返り、そのあと、本がどのように普及していったのかを見ていきたいと思います。
どのように普及したかについては、色々な側面がありますが、今回は技術革新という側面から見ていきます。
3つの技術革新が関わっているのですが、全て、僕が普段からお世話になっているものでした。
意外な、アレも本の普及に関わっていたんです。

それでは、歴史から見ていきましょう!

本の歴史

本の歴史をたどると、6世紀頃に、イタリアの修道士が、聖書を羊皮紙に写したことが始まりだと言われています。
そう、本が誕生したのは、宗教におけるニーズがあったからなんですね。

本に限らず、紙の歴史において、宗教はとても密接な関係があることは、以前の放送でもお話ししたかと思います。

仏教においてもそうです。
写経をすることで功徳が積めるので、人々はいっぱい写経をしたい。
「経典を書き写せば、めちゃくちゃいいんだけど、何に書き写そうか?」
そんなニーズに応えた媒体が、紙でした。

さて、6世紀頃に聖書を書き写したものが本の始まりとされていますが、この頃は羊皮紙を使用しています。
当然、紙と比べて大量生産には向いていませんから、当時の本は今のように一般的でなく、ごく一部の限られた人のものでした。

しかし、その後、主に3つの技術革新によって、本は一般に普及していきます。
それでは、順を追って見ていきましょう。

No.1「製紙技術」

まず1つ目の技術革新は、「製紙技術」です。
そりゃあ、『紙について楽しく学ぶラジオ』ですから、当然、ここから入らせていただきます。

紙は、約2000年前に中国で発明されたとされていますが、その後、世界各国に技術が伝播していく中で、様々な技術の進歩がありました。
主に機械化によって、生産効率がグンと上がっていきました。

また、用途によって向き不向きもあり、ここも、技術の進歩によって、印刷に向いている紙、製本に向いている紙などが作られていくようになります。

つまり、時代を経るとともに、生産効率と機能性が上がっていき、本が作りやすくなっていったという訳です。

まず1つ目、製紙技術の発達が、本の普及に繋がっていきました。

No.2「印刷技術」

次に2つ目の技術革新は、「印刷技術」です。
これは、皆さんも予想できたのではないでしょうか。

特に大きかったのは、グーテンベルクの活版印刷です。
グーテンベルクの活版印刷については、この番組でめちゃくちゃこすってきましたよね。

グーテンベルク自身も活版印刷を使って聖書を製本していますし、その後、マルティン・ルターも、聖書を活版印刷によって大量に作り、「宗教改革」というとんでもないことをやってのけます。
活版印刷の発明で、世界の構造が大きく変わったわけです。

余談ですが、フランス革命にも、この印刷の発明が関わっています。
ルソーの『社会契約論』によって、民主主義の思想が一般まで広がったからです。
一般市民が民主主義の思想を取り入れたことで、フランス革命に繋がっていくわけです。

印刷の発明で、本が作りやすくなったことによって、哲学や思想が広く伝わるようになったわけです。

ちょっと脱線しましたが、印刷技術の進歩も、本の普及に大きく影響を与えました。

一旦おさらいすると、本の普及に影響を与えた技術革新として、「製紙技術」と「印刷技術」を取り上げました。
これは、本を提供する側の視点です。
最後にご紹介する技術革新は、本を受け取る側の視点になっています。

No.3「眼鏡」

それでは、最後。本の普及に影響を与えた3つ目の技術革新は、「眼鏡」です。
そう、当たり前ですが、文字が見えないことには、本が読めないですからね。

今では、眼鏡という存在が当たり前すぎて見落としがちですが、昔の目が悪い人たちは、文字が読めないので、文字が読めて、目がいい人に読んでもらうしかなかったんです。

そもそも眼鏡が誕生したのはすごく昔で、アッシリアの古代都市・ニネベの遺跡(前700頃)から、太陽熱をとるのに使われたレンズが発見されています。

このように、昔から眼鏡自体は使われていた形跡がありますが、これはあくまで片目だけで、且つ、今のように体に装着するものではありませんでした。
虫眼鏡のようなものです。
片手にレンズを持って本を読むのは、なかなかハードですよね。

そして、今のように、耳に引っ掛けるタイプの眼鏡が誕生したのは、15世紀末から16世紀頃になってからのことです。
そう、ヨーロッパに製紙技術が伝わり、グーテンベルクの活版印刷があった少し後のことです。

製紙技術と印刷技術が発達して、本は作れるようになったけど、肝心の読むための道具がない。
そこに現れたのが、「眼鏡」なんです。

こうして、本の普及に影響を与えた3つの技術革新がそろいました。
「製紙技術」、「印刷技術」、そして、「眼鏡」です。
ここから、本格的に本の普及が始まっていくわけです。

歴史をたどると、人間は、必要でないものを発明しません。
当時の人々は、本を読みたいというニーズを持っていたからこそ、こういった技術革新が続いたとも言えます。

という訳で、今回は以上となります。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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「紙の価値を再定義する」をミッションに、現代の紙の価値を問い直す、RETHINK PAPER PROJECT!
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