見出し画像

『稲盛和夫一日一言』 1月2日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1月2日(火)は、「人生方程式 ② 考え方」です。

ポイント:素晴らしい考え方、素晴らしい哲学を持つか持たないかで、人生は大きく変わってくる。

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします!

 2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)「人生を考える」の項で、人生方程式における考え方の大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 人生方程式では、「能力」と「熱意」はゼロから百までで示されますが、「考え方」だけは、プラス百からマイナス百までとなっています。

 この「考え方」とは、「人生を歩いていくための方向」みたいなものだと考えればいいと思います。これは、東西南北というような方向を言うのではなく、水平線の方向、つまりゼロを基点にしてこちら側に百、その反対側に百、というような方向です。

 人生、どっちへ向かって歩こうといいではないかと考える方もおられるかもしれませんが、人生の方向というのは一直線になっていて、プラスに向いて歩くか、マイナスに向かって歩くか、その単純な二方向しかないのです。

 例えば、頭が優秀で運動神経も発達し、たいへん高い能力の持ち主が、熱意を持って、誰にも負けない努力をしているとします。ところが、その人がもしちょっとでもマイナスの考え方を持っていたとしたら、この方程式は掛け算ですから、その答え、つまり人生・仕事の結果は大きなマイナスとなってしまいます。ですから、自分の考え方がプラス側なのかマイナス側なのか、そこが大きなポイントになるのです。

 この人生方程式をつくってからというもの、私は社員に対してことあるごとに、「考え方が大事です。それによってあなたの人生は決まります」と説いてきました。(要約)

 今日の一言には、「考え方とは人間としての生きる姿勢です。つまり、世をすね、世を恨み、まともな生き様を否定するような生き方をすれば、人生や仕事の結果は、能力があればあるだけ、熱意が強ければ強いだけ、大きなマイナスとなってしまうのです」とあります。

 1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「成功のための方程式」の項で、「考え方」の重要性について、名誉会長は次のように述べられています。

 三番目の要素である「考え方」は、どういう心構えで人生を送り、仕事をするかということです。

 嫉妬、恨み、憎しみといった否定的な感情にとらわれている人は、その心構えがマイナスになり、その結果、人生・仕事の結果もまたマイナスになります。逆に、前向きで素直な考え方を持っている人は、素晴らしい人生を送ることができ、成功するでしょう。

 この方程式をみると、人生の結果というものが私たち自身の手に委ねられているということが分かります。そして、「考え方」が、自分の人生や仕事における成功、不成功にどれほど大きな決定力を与えるかということもわかるでしょう。

 「能力」と「熱意」の概念、重要さについては、ほとんどの方が共鳴いただけるかと思います。しかし皮肉なことに、私が最も重要だと思ってる「考え方」については忘れられがちになっています。心の曲がった天才が真剣に努力することほど危険なものはありません。

 もし私が、「どうせこの世は、不公平で不平等なものだ」といったネガティブな考え方で人生を生きていれば、「世を正す」という大義のもと、お金持ちから金品を奪い、それを貧しい人たちに分け与えたロビン・フッドのような義賊になっていたかもしれません。というのは、私には人並の能力があり、成功しようとする強い熱意と意志があったからです。

 能力、才能を使うのは、自分の「心」です。心を失い、才能だけ、商才だけがあるという人は、「才子才に倒れる」と言われるように、必ず失敗します。そうした意味からも、方程式における「考え方」、あるいは「心」というものの重要性について理解いただけるかと思います。(要約)

 「考え方」の基準となる「良い心」とは、次のようなものです。
 常に前向きで、建設的であること。皆と一緒に仕事をしようと考える協調性を持っていること。明るいこと。肯定的であること。善意に満ちていること。思いやりがあって、優しいこと。真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。利己的ではなく、強欲でないこと。「足る」を知っていること。そして、感謝の心を持っていること。

 こうした「良い心」を持って毎日を過ごしていけるよう、年初に心構えをリセットすることも大事なことではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?