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『稲盛和夫一日一言』 1月27日

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1月27日(土)は、「ど真剣な人生」です。

ポイント:いつも燃えるような意欲や情熱を持って、その場そのとき、すべてのことに「ど真剣」に向き合って生きていく。

 2004年発刊の『生き方』(稲盛和夫著 サンマーク出版)「第二章 原理原則で考える」の中で、一日一日をど真剣に生きることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 「一日一日をど真剣に生きる」
 これは生き方の根幹をなす、きわめて大切な原理原則の一つです。

 剣術に例えるなら、道場の稽古といえども竹刀ではなく真剣で臨む。弓ならば、満月の形にまでいっぱいに引き絞って、少しのたるみ、わずかなスキもない、張り詰めた緊張感の中で矢を放つ。
 常に、そうした必死、本気、懸命な心構えや態度で毎日の生活や仕事をこなしていく。そうしたとき、私たちは自らが描いたとおりの人生を生きることが可能となるのです。

 真剣さや熱意に欠けた、怠惰で弛緩(しかん)した人生を過ごすほど、もったいないことはありません。人生というドラマを、中身の濃い充実したものにするためには、一日一日、一瞬一瞬を「ど」がつくほど真剣な態度で生きていくことが必要です。

 いつも燃えるような意欲や情熱を持って、その場そのとき、すべてのことに「ど真剣」に向き合って生きていくこと。その積み重ねが私たち人間の価値となって、人生のドラマを実り多い、充実したものにしてくれるのです。

 そうしたど真剣な熱意がなければ、いかに能力に恵まれ、正しい考え方をしようとも、人生を実り多きものにすることはできません。いくら自らすぐれた緻密な脚本を描こうとも、その筋書きを現実のものとするためには、「ど真剣」という熱が必要なのです。

 何事に対しても「ど真剣」に向き合い、ぶつかっていく。それは「自らを追い込む」ということでもあります。それはすなわち、困難なことであってもそこから逃げずに、真正面から愚直に取り組む姿勢を持つ、ということ。
 どうしても解決しなければならない課題、問題に直面したとき、その困難さから目をそらして逃げてしまうのか、正面切ってそれに立ち向かうのか。そこが大きな成功を手にすることができるか否かの分かれ道となります。

 真正面から困難に立ち向かい、自分を限界にまで追い込む。そうした心意気が、不可能だと思えるような状況を打破し、クリエイティブな成果を生み出します。その積み重ねこそが、人生というドラマのシナリオに生命を吹き込み、現実のものとしてくれるのです。

 あふれるような熱意を持って、「ど真剣」に懸命にいまを生きる。目の前のことに没頭して瞬間瞬間を余念なく充実させること。それはまた、明日や将来を切り開くことにも通じていきます。

 いたずらに先の功を焦らず、今日一日を懸命に、真剣に生きることによって、おのずと明日が見えてくるようになります。
 私はそう考え、肝に銘じながら、これまで経営を行ってきました。その結果、「今日を完全に生きれば明日が見える」ということを、人生の真理として体得することができたのです。
(要約)

 困難な状況を乗り越え果敢に進んでいくためには、「ど真剣」という熱量が必要だと、名誉会長は説かれています。 

 目の前に、嫌なことや課題、試練といったものが出てくると、すぐに「何とか避けて通れないものか」と考えてしまう人がいます。そうした思考を繰り返していると、次第に「逃げ癖」がついてしまいます。

 そうした人には、以下のような特徴があるようです。
 ・自己肯定感が低く、自分に自信が持てない
 ・自分の失敗を素直に認めたがらず、言い訳が多い
 ・マイナス思考で向上心に欠ける
 ・強がるわりには、すぐに物事を放り出すことが多い
 ・自信があるときだけ、やけに強気に出る
 ・すぐに妥協してしまう
 ・飽きっぽくて長続きしない

 誰しもひとつやふたつは思い当たる節があるかもしれませんが、総括すれば、「ストレス耐性がない」ということになるでしょう。

 あれこれ考え過ぎずに、心を空っぽにして目の前のことに没頭する。そうすることで、瞬間瞬間を余念なく生き切ること。
 その結果得られるのは、「今日一日だけは何とか乗り切れた、働き切れた」という一方的な自己肯定感と多少の達成感だけかもしれません。
 しかしながら、常にそうした姿勢を忘れることなく、一日一日を「ど真剣」に生きていければと思っています。


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