駅前留学は突然に

私ではなく、以前の職場でのお客様(A様)のお話です。

A様の奥様は介護施設に入居されているため、A様は一人で在宅生活をされていました。

A様のご年齢は80代でしたがとてもお元気な方で、毎日のように奥様の面会に行かれる方でした。
とても奥様思いの優しいご主人です。

ある日、奥様が病院受診をされる際に、A様と私で一緒に病院に付き添ったことがありました。

受診の付き添いは長時間になることが多く、この時も同様でした。
大病院だったこともあり、移動時間も含めると5時間くらいご一緒だったと思います。

待合室等でA様と二人っきりの時間が長かったため色々なお話ができました。

私の業務に必要なお話の他、新婚時の思い出話等のほっこりするようなエピソードも聞かせて下さいました。

この時に印象的だったのが、A様の駅前留学のお話です。

A様ご夫婦には娘様がいらっしゃいますが海外にお住まいになっています。

私は日頃からその娘様とはメールにて連絡を取り合っていたので、もちろん存じ上げている方でした。

娘様は結婚前に海外に語学留学され、現地で知り合った方と結婚されてそのまま海外で生活されていました。

その娘様が結婚前のご挨拶のため、外国人の婚約者さんを初めてご両親(A様ご夫婦)に紹介することになったときのエピソードです。

当時A様は、娘様の婚約者さんとのコミュニケーションが心配になり、急きょ英語を学ぶため英会話スクールに入学されたとのことでした。

海外からのご帰国まで数か月の時間があったため、少しでも英語を身に付けようとされたのです。素晴らしいと思いました。

おそらく当時のA様は50~60代だと思います。英会話を勉強するのはすごく大変だったと仰っていました。

そして娘様と婚約者様がご帰国される日を迎え、空港までお出迎えに上がったとのことでした。

そして空港で初めて娘様の婚約者様にお会いになり、覚えたての英語でこのように話し掛けたとのことでした。

Well come to Japan.

『英会話スクールで何度も練習したけど本当に緊張したよ』と懐かしそうに話されました。

講師ではない外国人を目の前にした初めての英会話は相当に緊張されたことと思います。

そして、婚約者さんから返ってきた言葉は・・・。

お父さん!初めまして、こんにちは!

日本語ペラペラだったようなのです!

A様と一緒に大笑いしそうになりましたが、このお話を聞いたのは病院の待合室だったので、笑い堪えるのに必死でお腹が痛くなったのを記憶しております。

このお話を思い出し、奥様を大切にされるA様は、父親としても素晴らしい人なのだと改めて思いました。
奥様と娘様を愛するA様のお姿から、一家の大黒柱としての大きさを感じました。

私も、妻と子どものために自分が出来ることを常に増やしていくよう心掛けたいと思います。

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。
また次回もよろしくお願いいたします。

☆見出しのイラストは、ぽぴぃ氏さんよりお借りいたしました。

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