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[その5]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞誰のための何のためのブランド

前回、生地の展示会にでるのに生地を売らない、という選択をしたと書きました。

その効果について先に書いてみたいと思います。

吉とでたか、凶とでたか。

それは、はっきり言えば分かりませんが、あれから2年たち私としては「大吉」だったと信じています。。ただ、会社や五泉にとってベスト(最善策)であったかは正直疑問があります。

確かに生地の品質が抜群に良い。同じようなものは他にない。という自信があり(本当にそうかは分からないですよ、自分たちではそう思っている、ということです)、私と同じ立場で別な方がこれから事業をどう進めていくとしたら、どんな選択肢をとるだろう??と色々と考えました。

多大な投資をかけて、世界に挑むブランドを作る方もいれば、

海外メゾンも見に来るような、海外の生地商談会に出る人もいれば、

まだ世に出さずに着々と研究開発を進める人もいれば

クラウドファンディングでファンを作りながらお金を集めたり

当たり前ですが、リードする人の能力や経験値、性格など様々な要素により違うでしょう。

結局私たちは100年続いた工場であり、もう100年続けられる工場でいたいと思っていたので、そのためには運営する自分たちの能力を引き延ばさなければ未来はない、と地道な一歩でいいので前にでるチャレンジをしよう、としました。

それが、自分たちで新しく作った絽と紗の生地を、他に売らず、自分たちで染屋さんに依頼し、自分たちで縫製やさんに依頼し、自分たちの商品として、販売してみる、アフターフォローもしてみる、ということです。

いうなれば、ミニミニSPA(製造小売)

私たちなりには、かな~~り、一歩前にでています。

でも、心の中では、せっかくの五泉の、横正機業場の、絽と紗の、ポテンシャルをこんなやり方でよいのか、もっと発揮するには、別な方法がいいのではないか?と常に自問自答していました。

分かりやすく言えば、「こじんまりまとまってよいのか?」ということです。

もっとデザインなりファッションなり、ビジネス戦略的に卓越した人に、がつんとディレクションを依頼して攻めてみたり、日本のチマチマした市場を相手にするより、良いものは良い、と評価してくれる方が話が早いから!スピードだよと。そして、日本人は逆輸入に弱いでしょ。海外で評価されれば一瞬で見方が変わるから、と言われ、心動かされたり。。。(こういう人が多いのです)

そうなんですけど、、、あまりに飛躍しすぎて、私はちょっとヒキます。という感じ。

たしかにスピードは超大事なのはわかるけど・・逆にうまくいったら外と中のギャップがありすぎてついていけないし。(うまくいくかもわからないのにそう考えるのがドアホですね。)

そもそも自分たちでブランドを作る・・・ブランドってことばが抽象的で分かりづらいので、会社から独立して起業する、フリーランスでやる、自分の店を持つ、それらは自分のやりたいことをするためにという意欲があってのことです。

それに比べて、流れに身を任せてきた私には、よっしゃやってみるか!という前衛的な自分が半分、私でよいのかという客観的にみる自分が半分のような2重人格状態になっていました。

選択肢は無数にあり、やる前からどれがいい、とか言えず、やる気次第なところが多いのに、リードする私が消極的でよいのか、、、そもそも自分たちがやるブランドは、誰のための何のためのブランドなのか?それといつも向き合いながら、自社ブランドづくりを進めました。笑

※なんだか重松さんとの話から少し脱線してきていないか、、(とちょっと自分に呼びかけてみる)


今回の話になる自社ブランドの「絽紗」。重松さんに収めようとするストールは、このオリジナル生地で進めておりますが・・・。汗


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