登場人物の名前/好きだったものを嫌いになる
Sound Horizonの「絵馬に願ひを!」が発売された時、ちょこちょこと批判というか、好きじゃない表明があって、私は結構悲しくなった。
ローラン(Sound Horizonのファン)という生き物は、Revoが作る音楽と世界というものが好きで。好きで仕方ないんだと思ってて。
たまに、苦手だなっていう曲があっても、それはそれで良くて、ただRevoとSHが好きであることに変わりはない、んだと思ってた。
んだけど。
Twitterで私が目にしたのは、大きく分けて2つで。
1つは、不妊症、不育症について。自分がそう、周りにそういう人がいるから、聞けない、嫌な気持ちになる。
もう1つは、登場人物の名前が現実離れしている。キラキラネーム。
うーん。まぁ、一つ目は仕方ないんだろうな、と思う。ただ、だからもう他も聴かない、っていうのは悲しいなと思う。
私は結構、2つ目について、時々思い出しては首をかしげる。
登場人物の名前が現実離れしている、っていうのは、具体的に言うと、「灯留子(ひるこ)」とか「猿田犬彦」とかについて言ってるんだろうな。
言うて、そこまできらきらネームでもなくない?と思うし、そもそも、創作というものは、そういうものなんじゃないか。
この世界は、現実ではない。
確かに、今までは舞台が古代やら中世、あっても近代くらいの、基本的には海外だった。だから、海外の名前だから気にならなかったのかもしれない。
今回は現代日本のようなところだから気になるのかもしれない。
けど、そもそも日本、じゃないことは明らかで。
っていうのは、住所が「凪丘県」とか「出雲県」だったりするから。そりゃね、多分モデルは静岡だろうな、島根だろうな、ってわかるけど!そこが、実際の日本と違う地名っていうことは、もうそれは、創作の世界のはず。
確かに、それらの名前は、日本神話と結びつけたいところはあるでしょう。
イザナギとイザナミの最初の子供は、顔も手足もなく、ただの塊みたいなものだったから「蛭子(ひるこ)」と言って、子供には数えられない。そのまま川に流される。
曲中の灯留子も、流産されるから、生まれない。
そういうのを重ね合わせて、そんな名前にしてるんだろうな。でも名前の由来も曲で語られていて。
「一度は灯った…その灯を留めるように…灯留子…名付けた意味も虚しく…」
なんよね。
もう、由来もあって、変な当て字でもなくて、一体どこがおかしいんだろう、と思う。うん。
犬彦もそんなに変じゃないと思うし。(モデルは猿田彦っていう神だろうな)
とりあえず、創作の世界で生きる人の名前が、"現実離れしている"っていう理由で、作品自体に対して嫌気がさす、っていうのは、悲しいなと思う。
現代日本が舞台の漫画でもさ、髪がオレンジだったりピンクだったりする学生いるじゃん。普通いないじゃん。そもそもあんなに綺麗に染まらな(ry
そこに対して、違和感抱いてきたのかな?と思う。
ねぇ、BLEACHの一護の髪が!オレンジであることに!
「普通いないでしょ、興醒めだわ」
ってなるのか!
ローランはオタクよりの人が多いから、だからこそSHを受け入れやすい部分もあると思うし、そういう異次元的なところには慣れてると思うんだけどな。
そもそも。いわゆる「キラキラネーム」と言われる人たちだって、今この日本で生きてる訳じゃないですか。そういう部分もあっての描写かもしれないし。うん。
とりあえず、創作というものに対して「現実離れしている」から見ない・聴かない、っていうことが、もやもやしてしまった。
創作、アートは、確かにこの現実について言及していることもあるだろうけど、現実じゃないからこそ、表現できることがあったり、可能性が無限大だったり、それでも現実に生きる私が感動したり、できるんだろうなと思う。
まぁ、悲しかった。発売当初はTwitter見て結構悲しみにくれてた。ので、見ないようにした。私は、私の好きなものを視界に入れていこう。あの人たちもそうなんだろうな、自分の好きじゃないものを排除しただけ。
悲しかったけど。
誰かが、それまでずっと好きだったものを、好きじゃなくなる、っていうことがすごく悲しかったけど。
せめて私は、少なくとも私は好きだし、好きでい続けるから。
それでいい、って思えるようになりたい。
サポートいただけたら泣いて喜びます!!