マガジンのカバー画像

本読みの記録(2024)

26
ブックレビューなど書物に関するテキストを収録しています。対象は2024年刊行の書籍。
運営しているクリエイター

記事一覧

いつまでも迷子であり続けるために〜『迷子手帳』

◆穂村弘著『迷子手帳』 出版社:講談社 発売時期:2024年5月 「いつまでも迷子であり続ける…

吉本 俊二
1日前
3

経済・政治・教育の三分野を考える〜『日本の未来、本当に大丈夫なんですか会議』

◆西田亮介、安田洋祐著『経済学✕社会学で社会課題を解決する 日本の未来、本当に大丈夫なん…

吉本 俊二
13日前

多彩な宮内ワールドを楽しむ〜『国歌を作った男』

◆宮内悠介著『国歌を作った男』 出版社:講談社 発売時期:2024年2月 宮内悠介の短編集。1…

吉本 俊二
2週間前

歌姫と孤独な男の物語〜『青い煮凝り』

◆エドワード・ゴーリー著『青い煮凝り』(柴田元幸訳) 出版社:河出書房新社 発売時期:2024…

吉本 俊二
1か月前

源ちゃん節を味わうには適切な一冊!?〜『「不適切」ってなんだっけ』

◆高橋源一郎著『「不適切」ってなんだっけ これは、アレじゃない』 出版社:毎日新聞出版 発…

吉本 俊二
1か月前
1

思想史の大きな流れから学ぶ〜『自由とセキュリティ』

◆杉田敦著『自由とセキュリティ』 出版社:集英社 発売時期:2024年5月 新型コロナウイルス…

吉本 俊二
1か月前
1

安心を求めてはいけない!?〜『嘘の真理』

◆ジャン=リュック・ナンシー著『嘘の真理』(柿並良佑訳) 出版社:講談社 発売時期:2024年5月 「なぜ嘘をついてはいけないの?」と子どもに聞かれたら何と答えたらいいでしょうか。そもそも嘘はすべていけないものだと言い切れるでしょうか。そういえば日本では「嘘も方便」という格言がありますね。 フランスの哲学者ジャン=リュック・ナンシーが「嘘」について哲学する。哲学といっても本書は子どもを対象にした講演と質疑応答から構成されているので、字面的には難しいところはまったくありませ

惨状の背景を理解するために〜『なるほどそうだったのか! ハマスとガザ戦争』

◆高橋和夫著『なるほどそうだったのか! ハマスとガザ戦争』 出版社:幻冬舎 発売時期:2024…

吉本 俊二
1か月前

善意を空回りさせる前に読む本!?〜『利他・ケア・傷の倫理学』

◆近内悠太著『利他・ケア・傷の倫理学 「私」を生き直すための哲学』 出版社:晶文社 発売時…

吉本 俊二
2か月前

生の歓びをカラフルにうたう〜『生きてるってどういうこと?』

◆谷川俊太郎、宮内ヨシオ著『生きてるってどういうこと?』 出版社:光文社 発売時期:2024年…

吉本 俊二
2か月前
1

令和日本で生き抜いていくために〜『死なないノウハウ』

◆雨宮処凛著『死なないノウハウ 独り身の「金欠」から「散骨」まで』 出版社:光文社 発売時…

吉本 俊二
2か月前

日本の未来を担う人たちを支援する!?〜『だからあれほど言ったのに』

◆内田樹著『だからあれほど言ったのに』 出版社:マガジンハウス 発売時期:2024年3月 相変…

吉本 俊二
2か月前

驚きと不思議に開かれた感受性〜『センス・オブ・ワンダー』

◆レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』(森田真生訳) 出版社:筑摩書房 発売時…

吉本 俊二
2か月前
2

チロル民話が生まれ変わって絵本になった〜『ドクロ』

◆ジョン・クラッセン著『ドクロ』(柴田元幸訳) 出版社:スイッチ・パブリッシング 発売時期:2024年4月発行 真夜中にどこからか逃げ出したオティラが森を抜けてたどり着いたのは一軒の大きな屋敷。そこで出会ったドクロとの交流。ドクロと踊る場面など一般的には不気味あるいは滑稽と感じられそうですが、同時にリリカルな味わいが醸し出されます。あれやこれやでオティラは屋敷に泊まることになるものの、夜になると、頭のないガイコツがやって来てドクロを追いかけまわすらしい……。 作者のジョン