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好きなことばっかり

「好きなことばっかりしてずるい」
と言われたことがある人は多いのではないだろうか

私はよく言われた 子供の頃、本が好きだった
「本ばっかり読んでないで、もっと友達と遊びなさい」
「子どもは風の子 外で遊びなさい。」

中学生くらいになると
「本ばっかり読んでないで、家の手伝いをしなさい」

高校生になってラジオでアメリカのトップ40を聴いたり
友達と映画を見にいくようになると
「どうせ聴くならクラシックを聴きなさい。名画を観なさい」
「好きなものばっかり見たり聞いたりしてると視野が狭くなる。先人の言うことをよく聞きなさい」

どこまで成長してもその調子だった
次第に私は好きなことを隠れてするようになった
好きなことばかりすると、「申し訳ないな」と罪悪感を感じるようになって
あえて遠ざけたりすることもあった

それからいろんなことがあって
久しぶりにあるものにハマってしまった
ネットフリックスの韓国ドラマだ

自分でも笑ってしまうくらい何度も何度もリピートした
最初は、コロナ禍になってからほぼテレワークの夫に
私がドラマばっかり見ているのを知られるのが嫌でこっそり見ていた

「俺が働いているのに、君はそんなにドラマを見ているの?」と
言われるんじゃないかと思ったのだ
でもある日 思った
「私は毎日家事をして、勉強もして、その合間にテレビを見るのがどうしていけないんだろう?」
それで、彼が仕事部屋から出てきても素知らぬ顔で見続けた
夫は、嬉しそうに笑っていった 「いいねえ 楽しそうで」
嫌味でもなんでもなく、本当に嬉しそうだった

なんだ、好きなことやっていいんだ
ものすごく、気が抜けた
それまで、「好きなこと」をやるにも誰かの許可をどこかで求めていた
でも、「好きなこと」をやるのに誰の許可もいらない
もし必要だとしたら
それは自分の許可だ 「好きなことを好きなだけやってもいい」と自分で言ってあげることができるなら、それが一番

私は堂々と韓国ドラマを見るようになり、最近では子供たちとチャンネルの取り合いをするくらいまでに成長(?)した
そして発見があった
好きなことばっかりしていても、別に義務を果たさないわけじゃない
ちゃんと、やるべきことはやっている
むしろ余計なことをしなくなった
余計な心配もしなくなった
無駄が減ったと思う
好きなことに集中したいから
必要じゃないものがどんどん生活から削がれていく

好きなものや好きなことに囲まれているから幸せ、と微笑む人を
時々雑誌やテレビで見たりする
「いいなあ」と羨ましかった もっと言えば妬ましかった
「きっとこういう人は子供の頃から幸せで、挫折なんかないんだろう
恵まれてるんだ」そう思っていた

今思う
もちろん環境に恵まれていた、というのもあるかもしれないけど
その人たちも好きなことを貫き通すまで
何かしら戦って勝ち取ったのだ
あの笑顔が素敵だったのは、その背中に勝ち取った誇りがあるからだ

迷った時は好きへ

多分、それが一番



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