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短編小説

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2022年7月の記事一覧

cat

 気味の悪い夜だ。なんだか、黒猫にでも出くわしてしまいそうな。
 おそらくは目の前を横切るのであろう。らんらんと目を光らせる、黒い猫に。
 そんな予感は的中して、横断歩道の先に、やはり、猫がいた。
 確かに黒猫だった。
 しかし、その黒は、夜の闇よりも、一層も二層も濃い黒色だった。
 白には数千種類もあるのだと、いつかテレビで聞いたことがある。
 それと同じように、黒が数千種類あったとしよう。
 

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