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好きなことを仕事にして嫌いになった私が思う、仕事選びのコツ

自分の好きなことで生きる。好きなことを仕事にする。
日々の中で当たり前のように耳にする言葉たち。「好きなことを仕事にしたほうがいい」とキラキラワードだけを着飾って、人の背中を押してもいいのだろうか。

ただその言葉だけを切り取った見せ方に、少し疑問を感じてしまうことがあります。

たしかに自分の好きなことが仕事に繋がればハッピーなのかもしれない。毎日楽しく過ごせるのかもしれない。でも好きなことを仕事にするのは本当に幸せな生き方と言えるのかはわかならい。

好きなことを仕事にしようか悩んでいる人の参考になればいいなと思い、自分の体験談も含めた記事を書いていきます。



私は以前、好きなことを仕事にして、関われば関わるほど嫌気が差し、少しずつ嫌いになっていく経験をしました。

最初はただ単純に友達に喜んでもらいたいという気持ちから始めた動画編集。まったく操作方法はわからなかったけど、自己流で少しずつ編集の仕方を覚えながらやっていたら形になって、友達に動画を渡したら泣いて喜んでくれて。

何の取り柄もないと思っていた自分でも、誰かの心を動かすことができたんだと思ったらすごく嬉しかった。そこから友達の結婚式のお祝い動画や誕生日動画、旅の思い出動画を趣味で作ってプレゼントすると、めちゃくちゃ喜んでくれて。

「自分が作った動画で誰かに喜んでもらえたり、笑顔にできたり、誰かの世界をほんの少しでも変えるきっかけを作ることができたらいいな」

そう思って、動画編集の道に進むことになりました。

最初に入社した大手のポストプロダクションでは、バラエティー番組の部署だったので、テロップを入れたり、画像の編集をしたり、動画編集の基礎知識を学んでいました。

いつか自分の名前をエンドロールに載せたい想いがあり、やりがいを感じてはいましたが、体調を崩したこともあって退職。

当時は仕事を覚えることに精一杯で、日々ついていくのに必死だったこともありましたが、転職をして別の会社で動画編集の仕事に就いてから、大きな壁にぶち当たります。

自分が作りたい動画と周りから求められている動画が違うということ。

今まで友達に喜んでもらいたいと思い、好きでやっていた動画編集が「やりたいこと」から「やらなきゃいけないこと」になってしまった。「趣味」から「作業」に変わってしまった。

これはクリエイターやアーティストなら通る道かもしれませんが、私が動画編集の仕事に就いた原点が「友達を喜ばせたい」だったから、顔も見えない相手のことを想像して動画を届けるイメージがあまり持てませんでした。

しかも自分の作りたいものではなく、周りから求められているものなので、自分がやりたくないと思ったことでもやらないといけない。

求められたものに対して評価してもらえたら嬉しい。自分のやりたいことを任せてもらえたら楽しい。だけど、動画編集に関われば関わるほど好きなことが嫌いになっていく。

いつの間にか苦しくなり、「こんなことをやりたいんじゃない」と心の声が聞こえてくる。そんな感覚を味わいました。そして動画の仕事から離れて別の道を進むことを決めました。

自分の好きなことを仕事にするのは、思っていたより甘くなかった

動画編集の仕事に真摯に向き合えなかった自分がいたのも事実。好きなことから背を向けて逃げたのも自分自身。すべて自分の甘さや弱さが原因だったと今は思っています。

正直好きな想いだけで仕事になるのはほんの一握り。好きだからこそ業界の情報や知識を得るためにずっと勉強をし続ける必要があるし、たまには苦手なこともやらなければいけないかもしれない。

それでも楽しみながらできるか。その覚悟を持てるか。それが重要なのではないかと気づきました。

好きなことを嫌いになった私から言えることは、好きなことを仕事にしたいなら自分の好きの種類を把握することが大切だということ。

  • 自分でものを生み出すのが好きなのか

  • 相手の要望に応えて評価をされるのが好きなのか

  • 身近な人のために何かをするのが好きなのか

  • 自分の原動力はどこにあるのか

  • どんな作業をするのが好きなのか

何が好きなのかを自己分析して、それに特化できる職場や仕事を探すのがいいと思います。

そのなかで、本当に「自分が好きなことを仕事でやり続ける覚悟はあるか」を自分の心に問いかける。心からそう思えたなら一歩を踏み出してもいいんじゃないかなと。

先日、インタビュー記事の取材で好きなことを仕事にしている人に出会いました。側から見たら好きなことを仕事にしていて、まさに自分のやりたいことをできている。そんな風に最初は思っていました。

でも話を伺っていると、好きなことではあるものの、その想いだけではうまくいかないのを知っているからこそ、本を読んで勉強したり、情報をチェックしたり、休日にも業界の最新情報を得るために展示会に足を運んだり。

好きだからこそ、ひたむきに学び続ける

その姿勢がとてもかっこいいなと感じました。好きなことを仕事にするのは思っているより簡単ではない。私にはずっと学び続ける覚悟が足りていなかったんだと気づかされました。

今はライターの仕事をしていますが、話すより文章を書くほうが自分の想いを伝えられる手段だっただけで、作文を書くことが好きだったわけでもないし、本や活字を読むのはあまり好きではないです。

昔から人の些細な仕草が気になったり、相手の立場に立って物事を考えたり、相手を喜ばすためにはどうすればいいかを考える能力が少しだけ他の人より長けていたことが、ライターの仕事にマッチしていたのかなと、思っています。

ちょっぴり好きなだけで、そこまで苦手でもないし、やっていて苦ではない。

少しだけ人より得意だったことが仕事に繋がった。そんな感覚です。

「やっていて苦に感じないこと」を仕事に選ぶほうがいいのかもしれない

そのほうが長続きしやすくなるし、これは仕事だと割り切ることができる。好きなことだと現実と理想とのギャップにやられてしまって、極端に嫌いになってしまう可能性もあります。かつての私もそうでした。

もしかしたら好きなことをやりすぎて飽きてしまうかもしれないし、趣味が仕事に変わり、私生活の楽しみが見出せないかもしれない。

ちょっとだけ好きで苦に感じない仕事をしながら、自分の好きなことは趣味で思いっきり楽しむほうが案外楽かもしれないし、幸せかもしれない。

好きなことを嫌いになってほしくない。そう思って記事を書きました。この記事が必要な人に届けば嬉しいです。

※ちなみに動画編集は趣味程度でたまーにやっています。作業という概念から離れたら、とても楽になりました。

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