本を読むときにどんな音楽を聴きますか?
私は本が好きだ。
「NO BOOK, NO LIFE」
と言っても過言ではない。
ところで、
世の中の本好きには2種類の人間がいる
と言われている。
それは、読書の時に「音楽を聴く派」と
「音楽を聴かない派」だ。
クラシックやジャズを聴きながら、
リラックスして読書するという
「音楽を聴く派」、
何も聴かずひたすら読書に耽るという
「音楽を聴かない派」。
「どちらも」ということもあるだろう。
では、「音楽を聴く派」には
更に2種類の人間がいることをご存じだろうか。
それを語るには私の読書人生の時計の針を、
小学6年生まで巻き戻す必要がある。
当時、私が夢中になって読んでいた本のひとつに
「はてしない物語」という本があった。
ドイツ人作家、ミヒャエル・エンデ作の
児童向け小説で、「ネバーエンディング・ストーリー」という題名で映画化もされた長編ファンタジー作品である。
そんな長編作品を何日も何日もかけて読んでいた時、私はBGMとして必ず流していた音楽があった。
その音楽とは―
映画「ネバーエンディング・ストーリー」の
テーマソング?
ノンノン。
当時流行っていた曲?
それでもない。
答えはそう、「ジャッキー・チェン」映画の
サントラ集だ。
アクションスターのジャッキーに憧れ、お小遣いをコツコツ貯めて初めて買ったCDアルバムが
『決定版 ジャッキー・チェンのすべて』である。
今一度サントラ集の中身を見直してみよう。
まずはこれだ。
プロジェクトA2のマーチ。
プロジェクトAからでなく、A2から始まるというのもいい。オープニングに相応しく威風堂々、中国語の歌詞は何を言っているのかさっぱり分からないが、今でも全てそらで歌えるほど脳裏に染みついている。
まさに心揺さぶる名曲である。
さらにポリス・ストーリー、酔拳、スパルタンXなどスピード感溢れる名作のテーマソングが続いていく。
そして終盤、映画の台詞・効果音入りのテーマソングが畳みかけるように続くのだが、この「台詞・効果音入り」が刺激的だ。
映画の実際のシーンが収録されているため、敵がボコボコにやられているシーンや叫び声などが延々流れるのだ。
その臨場感たるや、香港映画ならではのとてつもない迫力。
まさに「決定版」と呼ぶに相応しい充実したサントラ集だ。
つい夢中になってしまったが忘れてはならない。
それは音楽を聴くとか聴かないとか、2種類いるとかいないとかではない。
もっと本質的なことである。
それは、この音楽が
「読書中に聴く音楽として適当であったのか」
ということだ。
スピード感に溢れ、勇しさや高揚感を高めてくれる、この『決定版 ジャッキー・チェンのすべて』は素晴らしい名作である。
しかし読書の友として、となるとこれは少々話が違ってくるのではないか。
今ならそう言える。
しかし、小学生の私は何故かこの凄まじい音楽、音声(特に後半)、を聴きながら「はてしない物語」を毎日読んでいたのだ。
おい、当時の俺!
聴くヤツそれじゃないやろ。
全く話が頭に入っていかんだろうが。
ジャッキーの歌声に「ノッて」しまっていたのだろう。物語の内容を全く憶えていない。
最後まで読み終えたかすら記憶にない。
おそらく読むのに時間がかかり過ぎ、途中から中国語の歌詞を憶えることへシフトしていると思われる。
これがジャッキーミュージックを聴きながら読書をした者が陥りやすいと言われる、
いわゆる「JM現象」である。
私は本が好きだ。
「NO BOOK, NO LIFE」
と言っても過言ではない。
そして私はジャッキー・チェンが好きだ。
しかし、これだけは言える。
読書時にはジャッキー映画のサントラは
適当とは言い難い。
あなたは本を読む時にどんな音楽を聴きますか?
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