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2022年、暮らしのトレンドキーワードと そこから見える2023年のトレンド

RoomClipには、生活者の日常の様々なデータが集まります。それらを定量的・定性的な目線から1年を振り返り、毎年末にトレンドキーワードとして発表しているのが「RoomClip Award」です。今回は、2022年のトップ10キーワードと、2023年トレンド予測キーワード3つをご紹介します。(※本テキストは、2022年12月に実施されたライブ配信「RoomClip Award 2022 ビジネス向け速報解説ライブ」のダイジェスト版です)

・スピーカー:
 ルームクリップ株式会社 住文化研究所 研究員 竹内優、水上淳史

暮らしのトレンドキーワードTOP10

2022年11月に発表されたキーワードTOP10は以下のものでした。noteではTOP3を抜粋してご紹介します。

TOP10全キーワードの解説を含む完全版テキストは、こちらからダウンロードいただけます。
※完全版テキストは文末のリンクからもダウンロードいただけます

発表当時のプレスリリースはこちら
>「RoomClip Award 2022」を開催

1位. パーソナル癒しスペース
2位. まとめ買いルーティン
3位. 快眠ベッドルーム
4位. ジャパンディ
5位. 推しディスプレイ
6位. 充電ステーション
7位. やめ家事テク
8位. ハイプラ買い
9位. スマートロック
10位. ヌック


トレンドキーワードTOP3を投稿事例とともに解説

1位. パーソナル癒しスペース

【竹内】1位は「パーソナル癒しスペース」。新型コロナウイルス感染拡大から3年、暮らしの現場ではニューノーマルな暮らしが定着し、その裏では疲れが顕在化しています。その中で、疲れを癒すような時間を作ったり、そのための空間にこだわるという動きが生まれました。「癒し」タグは例年の3倍以上、「くつろぎ空間」タグは例年の9倍以上と、急激に増加しています。

【水上】「パーソナル癒しスペース」は多様ですが、典型的なものは、写真のようにゆったりと座る椅子を中心として構築され、場所は窓側やリビングのすみなど。椅子の周りには、照明器具などリラックスした時間を演出する要素を置かれているケースが多かったです。

【竹内】コロナ禍以前から「おひとりさま」はキーワードになっていましたよね。

【水上】社会的な構造として、いわゆる家族世帯ではなくて単身世帯が増えているという現状や、結婚されない方、あるいはお子さんをつくられない方が増えているという状況だけでなく、5年前に比べて一人で過ごす時間が増えているというデータが出ています。

こちらは総務省統計局の調べですが、家族あるいは学校や職場の方といる時間がこの5年で減って、一人でいる時間が長くなっている。

 一人で過ごす、あるいはくつろぐための時間が増えているのにあたって、そういったものに生活者の試行錯誤があり、RoomClipで実際起こったということです。

RoomClipのデータで、2017年を1とした割合を見ると、「癒し」「くつろぎ空間」「自分時間」に関連する投稿率がそれぞれ5倍、10倍伸びてますし、特に1年前に比べて3倍、9倍と、著しく伸びている状況が見えています。

2位. まとめ買いルーティーン

【竹内】急激な円安による値上げ等もあって節約志向が高まり、暮らしのシーンで広く行われたのが買い物習慣の見直しでした。RoomClip内では特にまとめ買いが話題になりました。

【水上】多かったのは、日用品や食品のまとめ買いの投稿です。買ったものを披露するというところから、いわゆるノウハウの構築も始まっています。パッケージから開封して、下処理したり容器などに移し変えたり。そしてそれを収納する先の冷蔵庫、冷凍庫、パントリーの話題。まとめ買いルーティーンという1つのトレンドの中で様々な試行錯誤をされているという状況でした。

3位. 快眠ベッドルーム

【竹内】睡眠をテーマにした商品やビジネスが話題になった2022年。暮らしのシーンの中でも快眠を主題にしたベッドルームの改善をはじめとした様々なトレンドが見えました。寝具をアップデートしたり、その周辺の体験を良くしようといった傾向が見えました。

【水上】マットレスや枕や布団などの寝具に関する2022年の投稿のコメントでは、見た目のことというよりも、寝心地の良さや柔らかさ、快適さなどにフォーカスして紹介されています。

「ととのう」「快眠」「冷凍容量不足」
2023年を予測する3つのキーワード

【竹内】2023年のトレンドはどうなるのか、キーワードを3つご紹介します。

1. ととのう暮らし。ホームサウナ

【水上】「ととのう暮らし。ホームサウナ」というのは、家の中でサウナを楽しむ空間づくりや工夫をしようというもの。おそらく2010年代中盤から盛り上がり始めたサウナブームですが、今年大きかった動きは、おしゃれなアクティビティの1つとして、プライベートな貸し切り体験、あるいは会員制の個室サウナが非常に話題になっている。こういったサウナ体験をパーソナルにしていくという動きが進んできた中で、テラスや庭にサウナを構築しようという方が徐々に増えている。そのような状況が大きなトレンドになっていくのではないかと予想されます。

2. 快眠の追求。一人一寝室

【水上】2つめのキーワードは「快眠の追求。一人一寝室」。快眠を追求するトレンドはお話しさせていただきましたが、寝るためのこだわりを突き抜けた先には、こういった動きが定番となってくると思います。

「睡眠」や「ベッドルーム」のタグがついているコメントを分析していくと、エアコンの温度設定の難しさやいびきのストレスなどについてのコメントが結構出てきます。その解決策として、寝室を分けるということを始めている方がいらっしゃいます。こういう選択が、快眠トレンドによって徐々に加速してくのではないかというところです。

3. 冷凍庫容量不足問題。セカンド冷凍庫

【水上】「セカンド冷凍庫」というキーワードは2020年から出ていました。しかし、現状のセカンド冷凍庫を検索してみると、置く場所がないという問題がわかります。トレンドの中でまとめ買いが前提になったのもあり、複数の冷凍庫のためのスペースを確保するという方が徐々に出始めています。また、冷凍庫の比率の多い冷蔵庫を探す動きも加速している印象があります。

 以上、次の1年も、確実に加速していくであろうトレンドを3つのキーワードにまとめさせていただきました。

【竹内】いずれも2022年に起こったトレンドが、家ナカ化が進んだり、規模が大きくなったり、象徴的なアイテムが求められていくといったフェーズといえますね。

スピーカー
(左) ルームクリップ株式会社 住文化研究所 研究員 竹内優
(右) ルームクリップ株式会社 住文化研究所 研究員 水上淳史

TOP10全キーワードの解説を含む完全版テキストは、こちらからダウンロードいただけます。