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政策論集4 「非モテ男」を集める街づくりについて考える。

 街づくりにおいて、「女性・子ども・・若者・高齢者」にとって住みよい街というものは聴いたことがあっても、「独身男性(特に非モテ男)」にとって住みよい街を目指すとか、誘致するとか、外から呼ぶとかいう政策は聴いたことがない。

 なんでそれができないのかの一つに、おそらく「独身男性、特に非モテ男向けのマーケティング」がそんなにきちんとなされていないのではないかと思われる。

 そこで、限界独身男性である私が、個人的に考えている「非モテ男が求めることの仮説」をいくつか披露したうえ、「街づくりに非モテ男政策が必要な理由」を述べることとする。

1.非モテ男が求めることの仮説


① まずは「非モテ男に来てほしい」と訴える。


 非モテ男の場合、第一に「来てほしい」とそもそもわざわざ言われることが少ない。そのうえ、様々なところで「有害な男らしさ」を訴えられ、そのターゲットとして排除されたり、あるいは単に「きもい」といわれて学校でも排除されたりした経験を持つ非モテ男が「来てほしい」といわれることは少ない。そのため、基本的に何か集まりがあっても「行ったら迷惑がかかる」とか「キモイといわれる」などと考えていることが多い。(たいていそれなりに経験があったりするか、女性からなんらかの排斥を受けたりしていると結構こうなることはある。)そのため、まずは「来てほしい」という意思表示をすることが大事である。こうするとまずは注目するし、行こうということも考える。特に何かのイベントなどにわざわざ「非モテ男も募集」と書いておくことが、おそらく有効だと思われる。

② 定住したらとにかくしつこく何らかの集まりに誘う。

 定住したらとにかく何か集まりがあるたびに誘うことが重要である。
 一定数の非モテ男とて集まりが嫌というわけでは基本的にはない。対面が何らかの理由で嫌とのことであれば、チラシでもなんでもOKである。非モテ男としても「行く気になれば」意外と行くものである。(最初は10回に1回くらいであろうが
https://twitter.com/tres_cortesia/status/1601855336092401667?s=20&t=EDkl1Pi8XztYhrAM5A1r5Q

③ 地域社会におけるSNSの活用

 非モテ男の場合、何もないとわりと街に出ることは多くない。対面で会えないのならSNSを活用するのが常道である。一度捕まえた非モテ男とできればSNSのアドレスを交換したり、そこから連絡することでそれなりに次の会合などにも出てくる。

④ 外食産業の整備

 非モテ男というより独身男性にとって以外に重要なのが外食産業である。これについては下記の記事に記載がある。

 どういう外食産業がよいかといえば、私としては「早い・安い・日替わり」である。うまいがないじゃないかという意見もあるが、日本の外食産業の水準を考えれば「ふつう」くらいでよい。そして、日替わりである程度栄養バランスの整ったものが出れば、週3~週4くらいで外食というパターンもありうる。結果として家族ひと世帯を上回る消費となるだろう。

⑤ 職がある

 当たり前であるが、職があることが極めて重要である。
 特にどんな職がよいかといえば、接客よりは設備メンテナンスなどの系統がよいと思われる。非モテ男がなぜ非モテ男かといえば、コミュニケーション弱者だからという側面があると推察されるからだ。(全員が全員ではないが)

⑥ 現在より将来

 非モテ男(というよりもその中のそれなりの割合を占めるオタク)の消費行動の特徴として、「現在の製品」以上に「将来の製品の質」を買うところがある。たとえば、アニメの「円盤商法」などがある。アニメのDVDなどのことなのだが、あれはDVDそのものを買っているというより、「次回作の製作」を期待して買うのである。なので、「今の快適さ」よりも「将来性のある商品」を作ると、非モテ男向けのマーケティングがある程度可能になる。(逆に「今の価値」を示すブランド戦略にはあまり意味がない。)

2.非モテ男募集がなぜ有効なのか

 次に、非モテ男募集がなぜ街づくりに有効なのかを考える。

① コミュニティへの忠誠心が期待できる。

 例えば女性を集めよう!といった場合、そもそも全国で女性を集めるということをやっているので、独身女性の場合は特によそが都合がよいとなればあっさりとそっちに行ってしまうことができる。よそのコミュニティの方でも実績がゼロでも歓迎されるので、取り合いが大変なこととなる。
 その点、非モテ男の場合、コミュニティでの実績=存在価値となりやすい。そしてその実績自体を知っているのが実際に共に働いたコミュニティの人間であるとなれば、おいそれとよそのコミュニティに浮気できないうえ、よそへ行っても歓迎されない。そして、それを非モテ男はよく知っている。(それを知らないといえるような図々しい奴はそもそも容易に非モテ男にはならない)コミュニティの中核戦力として期待できるのは何と言っても非モテ男である。

② 底堅く将来性のあるマーケティングができる

 非モテ男は一度気に入った商品ができ、その将来性があると判断するとそれなりに浮気しないでついてくる。
 そうなると、将来発展性のある商品開発などができたりするので、息の長い商品開発ができ、完成した際には技術的優位性をとることができる。

③ 斬新なアイデアが生まれる

 「コミュニケーション重視主義」の現在において、非モテ男に限らずコミュニケーション弱者の話というのはそもそも聞く機会がめったにない。一方、コミュニケーション強者による言説というのは出尽くしている。となれば、コミュニケーション弱者の割合が多いと思われる非モテ男からこそ、今までにない新しいアイデアのソースが出てくる可能性が高い。

 以上、6つの「非モテ男マーケティングにおける推測」と3つの「非モテ男を集める意義」について述べてみた。非モテ男を集めるという発想はいまだ実現されたことがないため、どこかが実現に向けて動いたら、それこそ新しいチャレンジとなると思われる。ぜひご検討願いたい。
 最後に、非モテ男を地域に定着させるうえで重要な項目を一つだけ添えて、終わりとする。